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 * * *

朝、起きると。

目の前に陛下が居る。

どういう現状。

夜這い改め朝這い?

いや、ありえない。

此の陛下、ムカつくけど顔は良いのだ。

しかも、王だし。

抱く女など腐るほど居るだろう。

というか、私は抱いてもらえるような綺麗な身体を持っていないし。

「目覚めたか」

思案して居たら声がかかる。

そうだ、考える前に聞いてしまえば良い。

「なんでこんな処に居るんですか偉い陛下さん」


・・・。

・・・。

・・・。


朝から絶賛殺されかけ中です。

朝から殺されかけるなど誰が予想できたでしょう。


「口のきき方には気をつけろ女」

いつも持ち歩いているのか、刀が私の首元にあてられる。

抜刀はしていないのが救いだ。

というか、失礼だ。

「女って、私は紅紫という名があるんです」

「名で呼んでほしいのか」

「そりゃそうですよ」

陛下は、眉を顰めて考えたのだろう――静寂の後

「名を呼ぶ価値がない、理由がない、意味がない

結果、女で十分だ」

・・・いちいちムカつく事ばかり云いやがって――――!

価値って何だよ価値って!

私の価値をお前が決めるな―――!

理由ならあるだろ私がお願いしただろ莫迦――!

意味ならあるだろうが交友関係を深めるため――――深めたくない!

・・・朝から疲れた。

「・・・で、なんでこんな処に居るんですか」

「我が与えた部屋だ。問題ないだろう」

「腐っても乙女の部屋です」

「我とて男。お前の体に興味がない訳では無い。

イアーの奴らが全員そうなのかは知らんがなんとも性欲を掻きたてる身体だ」

「・・・はぁっ!?」

此の国の王がたかが平凡女学生の身体に興味を持つわけないじゃない。

絶対、からかわれている。

「一般的な体ですっ」

「そうか?」

刀を私の体の横に置いた陛下が此方に手を伸ばす。

セーラー服のままの私の胸に服上からそっと触れたと思うと軽く握る。

「なっ―――何処触ってるんですか」

いきなりの出来事に動揺しながらも手をのけようとするが男性の力は強い、勝てるわけがない。

「柔らかすぎる。舐めれば溶けていってしまいそうなほどに」

からかわれているのではなく、本気で犯されるっ。

「と、兎に角何をしに来たんですか。

真逆陛下暇だから遊びに来たわけじゃないんですよね?」

「我が暇な訳ないだろう」

なら触るなっ。

「お前の移動範囲を説明しておこうと思ってな」

陛下が、直々に?

其れは暇なのではないだろうか。

其れとも、わざわざ来てくれたのか。

・・・どちらでも良い。

此の人が意外と優しくても暇でも私には関係がない。

「此の部屋を出た廊下。

其処に在る部屋。

以上だ」

「少なくないですか・・・?」

私はどれだけ束縛の身なのだ。

「我は此の国の王ぞ。

身分も判らぬ何処から来たかも判らぬ女を城に住ませてるなどあまり知られて良いことでは無い」

ああ、其れもそうだ。

反乱内乱など出来れば避けたいだろうに、わざわざ置いてくれたのだ。

感謝せねば。

でも絶対に出てってやる。

「我の仕事部屋がお前の部屋の4つ隣だ

其れ以外は書物がおいてあるか、まあ使わなくなった道具があるくらいだ。

好きに使ってくれて構わない

が、絶対に此の廊下の先には出るな。

各廊下に設置された扉が開けば気づくからな

忠告はした。破れば」

「殺す?物騒だね」

・・・またやってしまった。

一言余計な発言をする所為でなんで何度も何度も殺されそうになるんだ。

というか、此の人殺意に駆られるの早すぎだ。

「良いな?」

「はーい」

しぶしぶ頷くと用は済んだ、と出ていく。

もちろん、刀を忘れずに。

 * * *

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