ⅩⅩⅡ
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外は本当に広かった。
仕事口は多そうだ。ただし陛下が一人で外に出してくれるとは思えない。困った。
けれども仕事はしたい。
結局欲だが、給金をもらって此の部屋中を黒猫でいっぱいにしたい。
あのぬいぐるみは欲しい。大きくてふわふわしてそうだ。
女子のようなピンクい部屋をつくりたいわけじゃないが。
「陛下、働きたいのですが」
「逃げる心算か。他世界の者を野放しにするわけにはいかない」
逃げる心算など別にないのだけれど。
珈琲を運んだ時に一区切りがついたという陛下と本当に座り心地の良いソファで雑談に等しい会話。此の世界の王なる人と何をやってるんだろう私は。
もう少し働きたいという主張をしたいが不機嫌オーラを放った陛下には此れ以上云わない方が良いだろうか。
「陛下はいつになったら私に惚れてくれるんですか?」
「そんな発言しなくてはいけないうちは惚れんな。」
む。ではあとどれ位で惚れるのだ。
負けるのは嫌だな。
「お前はどうだ?我に惚れたか」
「いえ、全然。」
生意気だと笑いながら何故か口づけをうける。
「されているうちはまだまだだ」
自分から口づけられるようにならない限りは惚れないという事か。別に出来ない訳じゃないが率先してやれるものでもない。
「明日は、部屋から出るなよ」
出るなと云われると出たくなるのが人間だ。
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