ⅩⅣ
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「準備しておけと云っただろう」
「声が聞こえませーん」
また記録更新。いい加減にしてほしい。此方は殺戮嗜好ではないのだ。
此の人はどうやら窒息させるのが好みらしい。
足をぶらぶらさせてベッドでもう来るだろう陛下を待っていたら此れだ。
ベッドはふわふわなので押し倒されたところで痛くないが絞められた首には跡が残りそうだ。
「お前は莫迦だ。我に殺されたいなどとほざくとは」
そんな事を云った覚えない。
殺してくれて構わないと、そういったまでだ。
「ああ、いっそ此のまま犯せば嫌でも出ていきたくなるか」
此の人は、悪魔か。
太腿を撫でる手に危険を感じながらも抵抗はしなかった。
犯すなら、少し卑猥な云い方になるがとっとと其の欲望の塊を挿れれば良い。痛みに啼く私を笑えば良い。
其れをすれば私は嫌だと陛下から逃げるのに。
此の人は、莫迦だ。
「陛下。私犯されても此処に残るけど」
太腿を撫でる手が止まった。
「嫌われたかった?駄目だよ、命の恩人をどうやったら嫌えるのさ。判んないよ」
首を絞める手が解かれたと思うとふらつくように後ろに下がる陛下。
其れと同時に身を起して陛下に近づくと怯える様に逃げられた。
「駄目。嫌ってなんか上げないんだから」
「・・・面倒な女を拾ったものだ」
「今さら遅いですよ陛下」
「お前に陛下と云われるとムカつくな」
其の発言にムカつくわ。此方は敬意を表して読んでいるのにっていうのは嘘だけど。
「特別に名を教えてやろう。――※◆====――†‡☆○だ」
「ごめんさっぱり判りません。」
「だろうな。此処のものの名前は聞き取れないらしいからな」
「ならなんで教えたんですか!」
「というわけで我の事はてきとうによべ」
「莫迦」
抜刀した。
抜刀したよ此の人。
「我を、なんと?」
「えっと、矢張り陛下で」
なら良いと仕舞われた刀。
あーあ、また殺人未遂記録更新。
「陛下。私決めました」
何をだと目だけで伝える陛下の首に腕を絡めて口づけた。
「私、陛下を惚れさせてみせます。だから貴方は私に愛を、頂戴」
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