ⅩⅡ
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先刻のアレはなんだったのだろう。
此処に時計はなく、外の景色も見えないから今がどれくらいか判らないけれど体内時計で夕方くらいだと思う。
あの後、数分して入口前に置かれていたものを完食し本が置いてあるだろう部屋を回って読みたい本を持ってきた。
陛下の仕事部屋を尋ねようとも思ったけれどなんとなくやめる。
一日に何度も殺されたくないし、陛下自身困惑しているかもしれない中私がなんだと問い詰めても困らせるだけだ。
というか、此れで計6回殺されかけてる。
文豪太宰治も5回目の自殺で成功してるよ。
生きてるなんて私奇跡神様有難う――じゃねぇよ。
神様か誰だか知らないけれど此処に勝手に連れて来たやつ責任とりやがれ。
何が嬉しくて平凡女学生をこんな処に。
拷問かっていう。
せっかくの本の内容があたまに入らない。
そういえば、夕食とか誰が作るのだろう。
私も平凡女子。
ご飯作りは多少なりとも出来るし、嫌いじゃない。
あんなフランス料理っぽいのは作れないけれどお願いしてみようか。
そうときまれば即行動。
若しまた殺されそうになっても私は自己防衛とか出来ないけれどまあ6回殺されかけて生きてるんだから大丈夫。
「陛下」
今度はノックせずに入る。
先刻の事もあり、入室拒否されるかもしれなかったから。
「・・・なんだ」
言葉自体は先刻と変わらないが私から目をそらしている。
「あの、此処ってキッチンある?」
「キッチン?」
真逆キッチンを知らないのか。
「あの、食事作る処」
「・・・食事を作る?」
流石に知らない訳ないだろう料理は。
「先刻の食事ってどうやって作ったか判るでしょ?」
「・・・知らん」
ん!?
もう頭がこんがらがってきてパンクしそうだ。
「えっと、其れはどういう」
「矢張り、無理であった」
陛下は、意味深な事をぽつりと呟き椅子から腰を浮かせて此方に歩み寄る。
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