ⅩⅠ
* * *
少なくとも現段階で判っている情報を書きあげるとこうだった。
なお、此の情報には物理的な証拠はない。
*地球とは違う世界がある。
此れだけだった。
頑張って考えてみたのだけれど他はどれもピンとこない。
其処には王が居て、其処の国民は地球人と考えが異なるらしい。
此れは自分の想像も入っているから何とも言えないし、
陛下は愛に飢えていたらしい。
此れは目前で仕事をしている陛下に見られたら殺される。から消した。
あの井戸はどうやら世界をつなぐもの、にしては汚すぎるが其処はどうでもよい。
結局、なにもまとめられていない。
情報が少ない。
まあ此の世界、リィフューズに来て未だ2日。
焦る事など無い。
少しずつ情報を集めて、帰る方法を見つけ出せばいいんだ。
* * *
部屋に居た私がお腹すいたな、とか思った頃に丁度陛下自身が食事を持ってきた。
2人分。
「・・・陛下、此の国に人は居るの?」
朝も、わざわざ来てくれたのではなく陛下しか来れなかったんじゃないかと思えてくる。
あの量の仕事をやる陛下が暇な訳ない。
「人と呼ばれるものは存在しない」
「じゃあ、貴方は何?」
「リィフーズに住む者。其れだけだ」
では、其れ以外いないんだろうか。
詳しく尋ねようとするととっとと食えとベッドに座っていた私の隣に腰をおろしてトレイを渡す。
礼と一緒に受取り何だろう、と見ると地球とあまり変わらなそうな――あえていうなら高級フレンチに入りそうな料理。
おずおずとフォークを口に運ぶ。
「おいしい」
地球と変わらない味だ。
良かった。此の世界では暫くの間生きていける。
再度、ありがとうと言おうと思った私の視界がいきなり揺らぐ。
何がおきたか、判らぬまま自分の目の前にいる陛下を見る。
――押し倒されているのか。
此処まで理解して、文句を云おうと陛下を見上げると陛下の両手がいきなり首にかかる。
「くっ・・・へい、か・・・何、を」
息が、しづらい。
今回は怒らせるような事を云って居ない心算何だけど。
陛下の顔を見ると、目に焦点が合って居ない。
力が入らぬ手で、陛下の厚い胸板を叩くがびくともしない。
ヤバい、本当に、此のままじゃ―――。
死ぬかも、と思った時にふと先刻を思い出して祈りをこめて頭に触れる。
ぴく、と動作が一度止まったのを確認して其の頭を撫でる。
しばらく、続けていただろうか。
陛下がいきなり私から離れた。
「我は・・・」
「陛下?」
未だ息がしづらい中どうしたのだと尋ねても返事が返ってこない。
先刻のいきなりの動作でトレイの二人分の食事が床に落ちている。
「いや・・・なんでもない。」
どうみても何かあるのだが本人も困惑しているらしい。
「・・・すまぬ」
判りやすい首を絞めた痕を長く綺麗な指がなぞる。
「食事は、少ししたら入口においておく」
顔を合わせずに、陛下が部屋から出ていってしまって良く判らない中取り残される。
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