大切な家族
昔むかしあるところに女の子が住んでいました…その女の子には双子のお兄さんが居ました…1人目のお兄さんはとても優しくて正義感の強い人でした…もう1人のお兄さんは厳しいけれど女の子の事を一番に考えてくれる人でした…女の子は双子のお兄さんの事を慕っていました…女の子は2人のお兄さんがとても大好きでした…長男のお兄さんは警察官でした…次男のお兄さんは消防士でした…女の子は2人のお兄さんが非番の日には、必ず遊びにつれていってもらいました…女の子はいつまでもこんな日が続けばいいと思っていました…けれど長男のお兄さんと次男のお兄さんがあるきっかけで仲違いをしてしまい、次男のお兄さんは家を出ていってしまいました…長男のお兄さんは警察官の仕事が忙しいという理由で家に帰って来なくなりました…女の子は、どうにかしようとしてお父さんとお母さんに相談することにしました…お父さんは警視庁捜査一課の刑事でお母さんは看護婦として働いていました…お父さんとお母さんは仕事が休みだったので、女の子の相談にのってあげました…お父さんは長男のお兄さんに関しては
「あいつが言っていることに嘘はない。あいつは、一度捜査一課に来た事件をあいつのいる捜査二課に回されてその捜査で忙しいから後一週間は帰ってこれない。」
と言いました…次男のお兄さんに関しては
「あの馬鹿が何処にいるかわかれば無理矢理にでも連れて来るのだが…」
と言いました……お母さんは長男のお兄さんに関しては
「あの子が何の捜査をしているのか知らないけどいつか帰ってくると信じて待ってよう」
とそう言い、次男のお兄さんに関しては
「きっとあの子も何処かで自分の取った行動に後悔しているのを分かっているから、そのうち帰ってくるよ」
とそう言い、女の子と待つことにしました…そんなある日の事女の子が外で遊んでいると家の門の門で声がしました…女の子は恐る恐る近付くと、そこには2人のお兄さんが口喧嘩をしていました…
「だいたいお前が悪いんだろう!警視庁捜査二課の刑事だからって調子にのってるんじゃねぇよ!」
と次男のお兄さんが長男のお兄さんにそう言っていました…長男のお兄さんも負けじと
「な、お前も同じだろう!消防士だからって火だけを消してるだけだろう!何にも分かっていないのはお前の方だ!」
と反論している。女の子は、困ってしまいました…すると門の前に一台の車がやって来ました…その車は門の前で止まると後部座席から、お父さんが出てきました…お父さんは顔に青筋を立てて2人の息子の頭を掴んで家の中に引っ張っていきました…女の子は後からついていきました…女の子が家の中に入るとリビングの方から怒鳴り声帰ってくるよ聞こえました…女の子はリビングをそっと覗くとお父さんが2人の息子に叱っていました…2人のお兄さんは、俯いて話しを聞いていました…
「お前たちが何処にいようと関係ないが自分たちの妹が泣いて相談して来たのをどう思う?」
お父さんは2人の息子にそう言っていました…2人のお兄さんは、考えて
「それは、俺たちが悪いと思っている…けど、こいつが!」
長男のお兄さんは隣にいる次男のお兄さんを指差してそう言いました…次男のお兄さんは
「な、お前だけが悪いんだろ!」
次男のお兄さんは隣にいる長男のお兄さんにそう言いました…その様子を見てお父さんが机を叩いて息子2人を殴り飛ばした…2人のお兄さんは床に突っ伏しました…その様子を見て女の子は、リビングに入って2人のお兄さんの前に立ちました…女の子はお父さんに向かって
「お兄ちゃんを殴らないで…」
女の子はそう言いました…お父さんは娘が息子を守るのを見て、お父さんはリビングから出ていってしまいました…女の子はよっぽど怖かったのかその場に座りこんで泣いてしまいました…それを見て2人のお兄さんは、自分たちの妹が泣いているのを慰めようとして、2人のお兄さんは女の子と約束をしました…それは、
「明日3人で何処かに行こう。」
そう言いました…次男のお兄さんも同じ事を考えていました…女の子は泣きながらも、頷いていました…それが3人で最後の遊びになることを知らずに………翌日2人のお兄さんと女の子は遊園地に行きました…遊園地では、ジェットコースターやお化け屋敷等で楽しみました…最後に観覧車に乗って夕陽を眺めながらふと長男のお兄さんが呟きました…
「楽しかったな」
そう言いました…次男のお兄さんも
「今日は良い休暇になったよ」
そう言いました…女の子ははしゃいで疲れたのか、長男のお兄さんに寄りかかって寝ていました…長男のお兄さんは女の子をおぶって家まで帰りました…次男のお兄さんは明日からまた仕事だよと不満を言いつつも顔は笑っていました…長男のお兄さんはそれを見て少し苦笑してしまいました…そんな長男のお兄さんを見て次男のお兄さんは
「な、何がおかしいんだよ!」
それに対して長男のお兄さんは
「いや、嬉しそうだなと思って」
それを聞いて次男のお兄さんは
「そうですか~」
そう言いました……翌日2人のお兄さんは仕事に行きました…今までと違うのは家から仕事に行くということでした…仕事に行く2人のお兄さんを女の子は見送りました…それが3人で最後の朝でした…夜になって長男のお兄さんが帰ってきました…しかし、次男のお兄さんは帰ってきませんでした…お父さんとお母さんはそのうち帰ってくると言っていましたが、中々帰ってきませんでした…流石にお父さんも心配になって次男のお兄さんが勤めている消防署に電話をかけました…消防署に電話をすると、向こうの署長さんが電話に出ました…お父さんは、自分の息子が帰ってこないのを告げると、署長さんは
「もう帰りましたよ」
と告げた…お父さんは嫌な予感がしました…お父さんは、同僚に電話をかけて次男のお兄さんを探してもらう事にしました……翌日次男のお兄さんは遺体となって発見されました…しかし、次男のお兄さんの身体は、ちょうど心臓の場所を抉られていました…
凶器は発見されずお兄さんの身体にも指紋は一切残っていませんでした…それに、抵抗した後もないので犯人は分かりませんでした…それから、数日後の事今度は長男のお兄さんが遺体で発見されました…次男のお兄さんと同じ死因で……それから、1年がたった頃お母さんが行方不明になりました…
それから、半月後の事お母さんが遺体で発見されました…2人のお兄さんと同じ死因で……その日の夜女の子は部屋にいると何処からか声が聴こえました…「シュー、後、2人、後、2人、もうすぐ、終わる、後、2人、シュー。」
女の子は怖くなってお父さんの部屋に行きました…お父さんは少し驚いていたが自分の布団に女の子を寝かせました…それから、3年が経ちました…女の子は中学3年生になりました…女の子が家に帰ると、お父さんがリビングにいました…女の子はお父さんに近づきましたが、お父さんは動こうとしませんでした…女の子は、不審に思いお父さんをそっと揺らしました…お父さんは、そのまま、倒れてしまいました…女の子は恐る恐る前からお父さんを見ると、2人のお兄さんとお母さんと同じように死んでいました…唯一つ違ったのは、お父さんの座っていたソファに血文字で…「次は君だ…次で最後だ、後1人で終わりだ。」と書かれていました…女の子は怖くなって自分の部屋のベッドに潜り込んでしまいました…翌日女の子は学校に早く行く事にしました…女の子は学校に着いて教室で震えていました…
女の子が学校に着いてから5分後に他の皆がやって来ました…女の子を見て、友人の女の子が近づいてきて
「おはよう。今日は速いね。」
と声をかけてきました…女の子は友人の女の子に震える身体を押さえながら
「た…す…け…て。」
そう言いました…友人の女の子は、女の子の様子がおかしいのに気づいて
「どうしたの?」
と聞いて来たので、女の子は今までにあった事全てを話しました…家族が全員死んだこと次の被害者が自分だということを話しました…友人の女の子は、女の子に
「良かったら今日から家に来る?」
と言ってくれました…女の子は友人の女の子に
「本当に良いの?」
と尋ねました…友人の女の子は、
「もちろんだよ。」
と言ってくれました…その日から女の子は友人の女の子の家で暮らす事になりました…それからは、今までに起きた事が嘘のように無くなりました…それから女の子は恋をしました…その男の子はとある財閥の御曹司でした…男の子は女の子の過去を知っても今までと変わらない態度で接してくれました…その後2人は付き合う事になりました…それから2年が経ちました…女の子……少女は付き合っている男の子……青年にプロポーズされました…高校卒業と同時に2人は結ばれました…それから、5年後年後少女は3人の子供の5人家族で幸せに暮らしました…その時、風にのって声が聴こえてきました…「良い家庭を持ったな…」「もう心配は要らないわね。」「そうだな…幸せにな。」「じゃあね、俺たちのangel」そう聞こえました…その声は大切な家族の声でした…
そして、5人家族で幸せに暮らしています………
この作品は完全フィクションです。
時系列で言うと本編の前のお話とその後の前のお話です。
登場人物
女の子=白岩涼子旧姓矢戸神涼子結婚後山森涼子
友人の女の子=白岩三穂
お父さん=矢戸神百夜
お母さん=矢戸神静枝
長男のお兄さん=矢戸神啓志
次男のお兄さん=矢戸神尚志
男の子=山森健一