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第1話



ここは侍の国――エド。


現代科学に腰に刀を携えた侍たちがゆき交う。

文明と侍文化が当たり前のように共存する、不思議な国だった。


その日、とある道場の門前には黒山の人だかりができていた。


「また道場破りだ!」

「今月で何軒目だ?」

「十軒は超えてるらしいぞ!」


ざわめきの中心。

漆黒の羽織を肩から羽織った一人の少女が静かに立っていた。

透き通るような白い肌に肩口で切り揃えた金色の髪。青く鋭い瞳は獲物を逃さぬ鷹のようだった。


腰に差す刀は一本だけ。

しかし、その立ち姿だけで誰もが強さを理解した。


齢十七歳ほどの少女で端正な顔立ちと裏腹に全国を巡り、強者を求めて道場破りを続ける侍だった。

その前に立つのは、この町の道場で最強と名高い男がいた。

両腰には二本の刀。

この道場の師範代である。


「女が道場破りとは笑わせる!」


師範代の男が二本の刀を抜く。


「俺様は双龍剣の狂次郎! この黒龍と白龍で何人もの剣豪を倒してきた!」


侍の少女は静かにため息をついた。


「私は鳳凰寺斬華。名乗りだけで充分ですわ。その長話……必要ですの?」

「ああ?」

「構えないなら帰りますわ。」

「ほう!中々落ち着いているお嬢ちゃんじゃねえか。」

「私は誇りに胸張って戦ってますの」

「ほう、だが張るほどの胸は……」


斬華はその言葉を聞き逃さなかった。


「今、なんとおっしゃいました?」


斬華は笑顔だが眉間に皺を寄せて呟いた。


「誰が貧乳だコラァ!」


斬華からは高貴な言葉使いも消えて刀を振るった。



キィン――。


乾いた金属音。

狂次郎は何が起きたのか理解できなかった。


「……え?」


握っていた二本の刀が、根元から真っ二つに折れていた。


次の瞬間。

遅れて道着が裂ける。

胸元へ一本の細い斬り傷が走った。


「ば……馬鹿な……。」


狂次郎は膝をつく。

斬華はいつの間にか刀を鞘へ納めていた。

冷静さを取り戻して語る。



「コホン、勝負ありましたわね。」


静かな声だった。


「……龍と名乗るなら、せめて雲くらいは越えていただきたいものですわね。」


沈黙。そして次の瞬間。


「おおおーーっ!!」

「すげぇ!」

「師範代が一瞬で負けた!」

「見えなかったぞ!」 


見物の人々は口々に叫ぶ。


「金髪の侍なんて初めて見た!」

「しかもかわいいお嬢ちゃんだなぁ。」

「……小さいな。子供か?」


斬華の眉がぴくりと動く。


「いやいや、小さいけど強いんだな!」


慌てて誤魔化す見物人に斬華はゆっくり振り返る。


「聞こえてましてよ。」


周囲が一斉に静まり返る。


「私は立派な十七歳ですわ!

貧乳ではありませんわーーーっ!!」


怒号が町中に響き渡る。見物人たちはこれ以上体型に触れてはいけないと察した。

斬華は落ち着きを取り戻したあと周囲を見渡し、高らかに宣言する。


「私は鳳凰寺斬華。」


腰の刀へ軽く触れる。 


「最強を目指しておりますの。この町に私より強い者がいるなら、どなたでも歓迎いたしますわ。」


しかし返ってくるのは拍手ばかり。

誰も名乗り出ようとはしなかった。





道場を後にした斬華は、満足そうに風を浴びながら大通りを歩いていた。


「……ふぅ。」


斬華は心で呟く。


(パパ様……私は今日も勝ちましたわ。『最強』まで、あと少しですわ。)


腰の刀を軽く叩く。


「この町にも大した剣士はいませんわ。」


どこか拍子抜けしたように肩をすくめる。


「しかし相手が弱いと面白くないですわね。もっと骨のある方はいませんの?」

「いたーーっ!!」


突然、後ろから元気な声が飛んできた。


「……?」



桜色の髪を揺らした少女が駆け寄ってくる。


「待ってぇー!」


斬華は振り向く。


(……派手ですわ。)


桜色のツインテールに白色の衣装。

年頃は斬華と同じくらいの祭り娘のようだった。


「すごかったとよ!」

「何がですの?」

「さっきの剣たい!」


目を輝かせる少女。


「全然見えんかった!」


斬華は少し照れた。


「当然ですわ。」

「やっぱり強かねぇ!」


少女は嬉しそうに笑う。


「私、感動した!」


そんな素直な賞賛は初めてだった。

少しだけ口元が緩む。


「ありがとうございますわ。」


少女は胸を張る。


「私はアズ!みんなからおアズって呼ばれとる!」

「おアズさん……。」

「アイドルやっとるんよ!」

「あい……どる……とは?」


斬華には理解できない単語だった。



(この子、世間知らずなんかな?)



「アイドルはアイドルだけど……うーん、あっ!そうだ!」


おアズは懐から一枚の紙を取り出す。


「これ!」


色鮮やかな紙。

中央には満面の笑みのおアズ。

大きく書かれている。


『ライブ開催!』


「これは?」

「ライブのチケットたい!」

「……らいぶ?」


首を傾げる斬華。


「歌を歌うんよ!」

「歌?」

「うん!」

「歌で何をするのですの?」

「みんなを笑顔にする!」


斬華は真顔になった。


「歌で?」

「そう!」

「敵は?」

「おらんよ?」

「勝敗は?」

「ないよ?」


わずかに会話が止まる。


「……。」


斬華はますます分からない。


「修行でもありませんの?」

「違う違う!」


おアズは笑う。


「来たら分かるけん!」


チケットを差し出した。


「三日後!」


斬華は紙を受け取る。


「よく分かりませんが……。」


少し考えて応える。


「あなたがそこまで言うのでしたら、一度見学いたしますわ。」


おアズの顔がぱっと明るくなる。


「ほんと!?」

「ですが。」


斬華は真剣な顔。


「もし勝負なら、私は容赦しませんわ。」

「勝負じゃなかよ!」

「では何ですの?」

「来れば分かるけん!」


おアズは笑顔で手を振った。


「待っとるよ!キリちゃん!」

「キリちゃん?私は鳳凰寺斬華ですわ!」

「長いけん!」


元気よく走り去るおアズ。

斬華は一人残され、手の中のチケットを見つめる。


「歌を歌うだけで人が集まる……。」


首をかしげる。


「まったく理解できませんわ。」

そう呟きながらも、どこか少しだけ楽しみにしている自分に気づき、斬華は不思議そうにチケットを懐へしまった。



三日後。

斬華は、おアズから受け取った色鮮やかな紙を何度も見比べながら町を歩いていた。


「この辺りのはずですわ……。」


紙には大きく『おアズライブ』と書かれている。


「歌を披露する場所……。」


首を傾げる。


「歌で人を集めるとは……祭りでしょうか。それとも武芸大会の前座ですの?」


修行以外知らずに育った斬華には想像もつかなかった。

角を曲がる。

その瞬間だった。


「…………。」


足が止まる。

巨大な特設舞台。

無数の旗。

色とりどりの照明。

そして何千人もの人々。


「おアズちゃーーん!!」

「最高ーー!!」

「ウオォォォ!!」


地鳴りのような歓声が響き渡る。

斬華の表情が引き締まる。


「……!」


腰の刀に手を掛ける。


「この大勢の叫び声は……勝ち鬨ですわね……!」


周囲を鋭く見回す。


「戦が始まるのですわね……。」


スッ――。

刀を半ばまで抜く。


「敵はどこですの!」


近くの観客が驚いて振り返る。


「えっ?」

「刀抜いてる!」

「何あの子!」


斬華は真剣そのものだった。


「安心なさいませ!」


刀を構える。


「私、鳳凰寺斬華が参りましたわ!敵が現れても私が討ち取ります!」


周囲はぽかんとする。


「何言ってるの?」

「コスプレ?」

「新しいファンサ?」


その時。

場内の照明が落ちた。


ドンッ!!


大音量の音楽。


「来ますわ!」


斬華は完全に戦闘態勢へ入る。


「敵襲ですわね!」


しかし。

舞台中央へ飛び出してきたのは――


「みんなーーっ!!」


桜色の髪を揺らす、おアズだった。


「今日はありがとーーっ!!」

「うおおおおおーーーっ!!」


歓声。

拍手。

黄色い声。

斬華は瞬きを繰り返す。


「…………。」


数秒固まる。


「敵……ではありませんの?」


誰一人刀を抜いていない。

皆、笑顔だった。


「……。」


近くの男性が笑う。


「初めてライブ来たの?」

「え?」

「これ歓声だよ。」

「歓……声……とは?」

「応援してるだけ。」

「…………。」


斬華はゆっくり刀を鞘へ戻した。


「……。」


耳まで赤くなる。


(勝ち鬨では……ありませんでしたの……。)

ものすごく恥ずかしい。


「歌で……これほど人が熱狂するなど誰が想像できますの……。」



斬華はステージのおアズを確認する。

今日は町で見た時とはまるで違う。

白と桃色を基調にした華やかな衣装。

帯には桜の飾り。

腕輪は宝石のように輝き、短い袴から健康的な脚がのぞいている。

斬華は少し照れながら目を丸くする。


「何ですの、あの格好は!」


思わず叫ぶ。


「太もも丸見えですわ!破廉恥ですわ!寒くありませんの!?」 


当然、おアズには聞こえない。


「今日は来てくれてありがとーーっ!!」

「うおおおおおーーーっ!!」


地面が震えるほどの歓声が上がる。斬華の隣にいた男性ファンが、興奮冷めやらぬ様子で言った。


「おアズちゃんの歌を聴くと、嫌なこと全部忘れられるんだ。

 悪いことなんてどうでもよくなってくる。だからみんな来てるのさ。」


少し離れた場所では、中年の男たちが小さく笑っていた。


「最近、この町も随分平和になったよな。おアズちゃんが来てからだ。」


若い女性が頷く。


「ほんと、町の宝だよ。」


その言葉を聞き、斬華はわずかに眉を寄せた。


(歌……だけで?)


おアズはマイクを握り、にこりと笑った。


「今日は落ち込んどる人も、疲れとる人も、みーんな笑顔で帰ってもらうけんね!」


ステージでは音楽が流れ始め、おアズが元気いっぱい踊っていた。


「今日はみんな笑顔で帰ってねーー!」


音楽に合わせて舞う。

観客も一緒に歌う。

斬華は呆然と眺める。


(剣も使わず……。戦いもしない……。なのに……。)


観客は皆笑っている。

泣いている者までいた。


「ありがとう!」

「元気もらった!」

「明日も頑張れる!」


その光景に斬華は言葉を失う。


(歌だけで……。これほど人を変えられますの……?)


ライブは一時間ほど続いた。

最後の曲が終わる。


「今日はありがとーー!!」


深々と頭を下げるおアズ。

会場は割れんばかりの拍手に包まれた。


「アンコール!」

「アンコール!」


そんな中。

おアズが客席の斬華を見つけた。


「あっ!」


満面の笑み。


「キリちゃーーん!」


斬華は慌てる。


「なっ!私をその名で呼ばないでくださいまし!」


もちろん歓声で届かない。

スタッフが走ってきた。


「鳳凰寺斬華さんですね?」

「ええ。」

「おアズさんがお待ちです。」

「私を?」



事情が分からないまま案内される。

その様子を見た観客席がざわついた。


「えっ!?」

「あの金髪の子、楽屋に行くの!?」

「うらやましーー!」

「いいなぁ!」

「親友なんだ!」

「おアズちゃんの親友とか最強じゃん!」


斬華は歩きながら困惑する。


「親友……?」


ぼそりと呟く。


「私は先日会ったばかりですわ。」


しかしファンたちには聞こえない。


「サインもらえるのかな!」

「一緒に写真とか!?」

「俺も親友になりたい!」


周囲の羨望の眼差しを背にスタッフに案内される斬華は困惑そうな顔をしていた。

廊下を進み、一枚の扉の前で止まる。


コンコン。


「おアズさん、お連れしました。」

「ありがとー!」


中から元気な声が返ってきた。

扉を開ける。


「キリちゃん!」


おアズは椅子から飛び上がり、嬉しそうに駆け寄ってきた。


「来てくれて嬉しかぁ!」

「きゃっ!?」


勢いそのまま両手を握られる。

斬華は目を白黒させた。


「ちょ、近いですわ!」

「えへへ。」


おアズはようやく手を離した。

斬華は部屋の中を見回す。

さっきまで何千人もの歓声が響いていた場所とは思えないほど静かだった。

壁にはおアズの写真やポスター。

スタッフたちが忙しそうに動き回っている。


「ここが……あいどるの裏側……。」


斬華は珍しそうに眺める。

修行場と道場しか知らなかった彼女にとって、何もかもが未知の世界だった。


「すごいですわね……。」


思わず呟く。

おアズは嬉しそうに笑った。


「キリちゃん、興味あると?」

「べ、別にありませんわ!」


即座に否定する。


「ただ……大勢の人間があなた一人を見るために集まるというのが理解できないだけですわ。」

「そっかぁ。」


おアズは少し考える。


「でも、ウチは嬉しいんよ。」

「嬉しい?」

「うん。みんなが笑ってくれるけん。」


おアズは机の上に置かれたマイクを見つめた。


「昔は、この町も今みたいに明るくなかったんよ。」

「……。」

「喧嘩する人もおったし、元気がない人もおった。でも、歌を聞いて笑ってくれる人がおるなら、ウチはそれでよかと思ったん。」


斬華は黙って聞いていた。


「歌で……守る?」

「そう。」


おアズは頷く。


「ウチはアイドルやけん。」

「……『あいどる』。」


斬華はその言葉を口にする。


「あなたは、本当にそれだけで人を守っているつもりですの?」


責めるような声ではなかった。

純粋な疑問だった。

おアズは少しだけ寂しそうに笑う。


「うん。そう思っとる。」

「……信じられませんわ。」


斬華は腕を組む。


「守るというのは、刀を握り、敵を倒すことです。」


腰の刀へ手を添える。


「力がなければ、大切なものなど守れませんわ。」


おアズは斬華の刀を見る。

そして、静かに口を開いた。


「キリちゃん。」

「な、何ですの?」

「その刀……強いね。」


予想外の言葉に、斬華は少し驚く。


「当然ですわ。私はこの刀で……」

「でも。」


おアズは続けた。


「キリちゃんが悪い人じゃなくて安心した。でもあんなに道場破りばっかりしたら、いつかもっと危ない人と戦うよ。キリちゃん自身は、まだ知らないことがあるんよ。」

「……?」


斬華は眉をひそめた。

おアズは少しだけ表情を曇らせる。


「最近、この町で妙な事件が増えとるんよ。」

「事件……ですの?」

「急に人が暴れたり、大切な人を襲ったり……。理由もなく町を壊したり。」


斬華は腕を組んだ。


「ならば町の侍が止めれば済む話ではありませんの?」


おアズは静かに首を横へ振る。


「普通の侍じゃ止められん。」

「どういう意味ですの?」


おアズは少し迷う。


「その人たちは……『妖刀』に操られとる。」

「『妖刀』……?」


聞き慣れない言葉だった。


「人の心の弱さにつけ込む刀。」

「そんなものが存在すると?」

「本当たい。」


おアズは真剣な瞳で答えた。


「だからキリちゃん。」


その表情には、先ほどまでの笑顔はない。


「一人で無茶だけはせんで。」


斬華は苦笑する。


「心配には及びませんわ。」


腰の刀へ手を添える。


「私が負ける相手など存在しませんわ。」


おアズは何か言い返そうとしたが、やがて小さく笑った。


「……やっぱり侍やね。」

「当然ですわ。」

「でも覚えとって。」


おアズはゆっくり言った。


「強さだけじゃ守れんものもある。」


斬華はその言葉を聞き流すように部屋を後にした。

ライブ会場を出る頃には夕日が町を赤く染めていた。


「あっ、おアズちゃん!」


通りを歩いていた子どもが駆け寄る。


「今日も最高だったよ!」

「ありがとー!」


おアズはしゃがんで頭を撫でる。


「宿題も頑張るんよ?」

「うん!」


さらに八百屋の店主が笑顔で声を掛けた。


「今日は客がいっぱい来たよ!ライブの日は町が賑わうなぁ!」

「それは良かったばい!」


魚屋の主人も手を振る。


「明日からまた頑張れるよ!」

「ありがとう!」


花屋の女性は一輪の桜を差し出した。


「お疲れさま。」

「わぁ!きれかね!」 


町を歩くたび、誰かがおアズへ声を掛ける。

誰もが笑顔だった。

斬華は少し離れた場所から、その様子を眺めていた。


(……不思議ですわ。)


刀を抜かず敵も倒していない。

なのに。

町の者たちは心から感謝している。


(これが……あい……どる……。)


日が沈み始める。

斬華は近くの食堂へ入った。


「いらっしゃい!」


威勢のいい店主が迎える。


「おすすめを一つお願いしますわ。」

「へい!」


窓際へ腰掛ける。

湯気の立つ定食が運ばれてくる。

箸を持ちながらも、頭の中には先ほどのおアズの言葉が残っていた。


『強さだけじゃ守れんものもある。』


「……。」



味噌汁を一口飲む。


(歌で町を守る

(まさか……妖刀というもの?)


「今度こそ……お前を叩き斬る。」


狂次郎が黒い刀を肩へ担ぐ。

その刀身から、黒い靄がゆらゆらと立ち上っていた。

食堂の客たちは青ざめる。


「きゃあっ!」

「逃げろ!」


悲鳴が響く。

斬華は一歩前へ出た。


「皆さんは下がってください。」

静かな声だった。

その時、店の外から駆け込んできたおアズが叫ぶ。


「。


(した宝石が輝く。


「なっ……!?」


斬華が目を見開く。

マイクの持ち手の先端から光が放たれて一直線に伸び――

キィィィン……


光が凝縮され、一振りの刀身となって姿を現した。

両端がマイクと刃という異形の物体。

だが桃色に淡く輝く美しい刀だった。


「ま、マイクが……刀に!?」


思わず叫ぶ斬華。


「そんなバカな……!」


コテツが豪快に笑う。


「驚いたか、お嬢ちゃん!これは武器ではなく歌を増幅するための刀さ!」


おアズが刀となったコテツを構える。


「狂次郎さん!」


その瞳に迷いはない。


「もう終わりにするけん!」


狂次郎は鼻で笑う。


「そんなもので俺を止めるだと?笑わせるなァ!!」


ドゴォン!!


狂次郎が突進し地面が砕ける。


「速かっ……!」


おアズは横へ飛ぶ。

黒い刀が石畳を真っ二つに裂いた。


「はぁっ!」


その勢いを利用して一回転。

刀を振るう。

すると――


「♪」


先ほどのライブで歌った曲を歌うおアズ。

斬華は息を呑んだ。


(歌いながら……戦っていますの!?)


剣技ではない。

舞うような足運び。

踊るような身のこなし。

しかし一切の無駄がない。


「すごい……。」


思わず呟く斬華。

おアズは深呼吸をしたあと歌いだす。


「みんなの笑顔、守るために——」


それは先ほどのライブで歌っていた曲の、静かなアカペラバージョンだった。

すると——おアズの声が、マイクを通じて刀身が桜色に輝いた。

狂次郎が嘲笑う。


「はっ! 歌なんぞで俺を止められると思ってんのか!?」


黒い妖気が爆発的に膨れ上がり、狂次郎が突進してくる。

おアズは後退しながらも歌い続ける。

その瞬間、コテツの刀身が桜色の光を帯びた。

マイク部分から溢れ出した光の粒子が、歌声に合わせて刀全体に吸い込まれていく。


「よし……最低限のチャージはできた! いけ、アズ!」

「うん……!」


おアズが地を蹴った。桜色の髪をなびかせながら、狂次郎の懐へと飛び込む。


「はあああっ!」


キラキラと輝くマイク刀が弧を描く。

刀身に宿った桜色のエネルギーが、妖刀の黒い霧に触れた瞬間——

ズガァァァンッ!


爆発的な光が弾けた。


「ぐおおおっ!?」


狂次郎の巨体が大きくのけぞる。肉体に傷はない。だが黒い霧がまるで火にかけられた油のように激しく蒸発して肉体から放たれる。

妖刀の刀身にヒビが入り、甲高い悲鳴のような音が響く。斬華は目を見開いた。


「……え?」


一瞬だった。

歌ったあと、斬る。

ただそれだけの動作で、圧倒的な力を持っていた狂次郎に、明確なダメージを与えた。


「どういうことですの?歌い……そして……斬った?」


刀からは今も淡い光がこぼれている。


「歌の力が刀に宿っていますの?」


コテツが笑う。


「そういうこった。」


斬華はコテツを見る。


「説明してくださいまし。」

「ライブで歌うのは、人の心を明るくするためだ。」


コテツは静かに語る。


「人の心が元気になれば、妖刀につけ込まれる隙が減る。だからライブは町全体を守るためにやってる。」


斬華はライブ会場の光景を思い出す。


『元気もらった!』

『明日も頑張れる!』


「あれは……。」

「そうだ。」


コテツは頷く。


「歌そのものに人の心を浄化する力があるわけじゃねぇ。笑顔や勇気を与えて、心の弱りを吹き飛ばしてるんだ。」

「だから町の人たちは、おアズさんを慕っていましたのね。」

「だがな……」

コテツの声色が変わる。

「もう妖刀に取り憑かれちまった人間には、それだけじゃ足りねぇ。」


おアズはコテツを構える。


「だから戦うんよ。」


コテツが続ける。


「歌で生まれたエネルギーを、この刀に込める。」


刀身が淡く輝く。


「その力で妖刀の力だけを斬る。」


斬華は目を見開く。


「妖刀だけを……?」

「取り憑かれた人間を殺すんじゃねぇ。」


コテツは狂次郎を見据えた。


「人間から妖刀を引き剥がして浄化するための剣だ。」


斬華は狂次郎を見る。


(だから傷は浅かった……。)


先ほどの斬撃は狂次郎本人ではなく、黒い靄だけを大きく削っていた。


「つまり……。」


斬華は呟く。


「人は助け、妖刀だけを倒すための刀……。」

「そういうことだ。」


コテツは得意げに笑う。


「アズは、人を斬るためじゃなく、人を救うために戦ってる。」


斬華は初めて、おアズの戦いを「守るための戦い」と理解した。


「素晴らしい……。」


思わず口にする。


「なら、このまま押し切れますわ!」


しかし。

コテツは苦笑した。


「……いや、それがそう簡単じゃねぇ。」

「え?」

「ライブ直後だからな。」


コテツの刀身から放たれる光が少し弱まる。


「歌のエネルギーは、さっきのライブでほとんど町のみんなに使っちまった。」


おアズも息を切らしている。


「もう少ししか残っとらん……。」

「なんですって!?」

「ライブは町を守るのが最優先だ。」


コテツは真剣な声になる。


「戦闘用に回せる力は、残りわずか。」


狂次郎が不気味に笑う。


「なら……終わりだ。」


黒い靄がさらに膨れ上がる。

コテツは舌打ちした。


「ちっ……。」


そして斬華へ向く。


「満タン……フルチャージの状態だったら、おアズの一撃であいつの妖刀を浄化できたかもしれねぇ。」

「では今は……。」

「決定打が足りねぇ。」


その言葉を聞いた斬華は静かに立ち上がる。

腹を押さえながら刀を握る。


「つまり。」


静かに狂次郎を見据える。


「時間さえ稼げばよろしいのですね。」


コテツがニヤリと笑う。


「話が早ぇな、お嬢ちゃん。」


斬華は刀を抜き放つ。


「私が足止めいたしますわ。」


青い瞳に再び闘志が宿る。


「その間に、おアズさん。」


おアズも力強く頷く。


「必ず歌の力を取り戻してみせるけん!」


斬華は狂次郎へ歩み出る。


「最強を目指す侍として――」


刀を正眼に構える。


「今度こそ、あなたを止めますわ。」


刀を正眼に構える。斬華は足の震えを抑えながら叫んだ。


「さあ!私がお相手しますわ!先ほどのようにはいきませんわ!」


狂次郎の巨体が迫る。

斬華は刀を構え直すが、すでに体は限界を迎えていた。


「またやられにきたかァァ!!」


黒い妖気をまとった拳が、容赦なく斬華の腹にめり込んだ。


「がはっ……!」


血を吐き、吹き飛ぶ斬華。

地面に叩きつけられた瞬間、さらに蹴りが飛んできた。

肋骨が軋む音がした。


「まだ……!」


斬華は刀を杖代わりに立ち上がろうとするが、

次の瞬間、狂次郎の足が彼女の背中を踏みつけた。


「ぐあっ……!」


顔が地面に押しつけられ、土と血の味が口に広がる。


「はははははっ!どうした最強様よ!?」


妖刀の黒い霧が狂次郎の全身を包み、

その笑い声はもはや人間のものではなかった。


「俺を辱めた罰だ……!お前のような小生意気な女が、この俺に勝てると思ったのか!?」


狂次郎は斬華の髪を掴んで無理やり顔を上げさせ、

もう片方の拳を何度も腹に叩き込んだ。

斬華の小さな体が、まるで人形のように揺れる。


「……っ……ぐ……!」


視界が揺れる。

息ができない。

刀を握る手から、力が抜けていく。



(……私は……最強では……なかった……)


初めて味わう、完全なる無力感。

強さを追い求めてきた自分が、

ただの「小さい女の子」として蹂躙されている現実に、

斬華の心が折れかけた。


「キリちゃん……!」


後方でおアズの叫び声が聞こえる。

しかし斬華はもう、声も出せなかった。狂次郎は高笑いしながら、

斬華の体を地面に叩きつけ、

刀の柄で肩を殴りつけた。

骨が軋む痛みに、斬華は小さく呻く。

斬華の脳裏に遠い記憶が蘇った。


──鳳凰寺の道場。まだ幼かった頃。今は亡き父との過去。


「パパ様、最強になったら何がしたいですの?」


父は木刀を下ろし、静かに微笑んだ。


「ただ強くなるだけでは意味がない。斬華。力とは、守るためにあるものだ。

大切なものを、笑顔を守るために使う者が、本当の強者だ。」


当時の斬華は、首を傾げた。


「でも、パパ様はいつも『最強』って言ってるじゃない……」

「そうだ。最強を目指せ。だが、最強になるのは、守るためだ。忘れるな。」


……ああ、そうだった。斬華は血まみれの唇を震わせながら、おアズを見上げた。


「……おアズさん。あなたは……最初から知っていたのですね。歌なんてくだらない、力こそ全てだと……嘲笑っていた私が、馬鹿でしたわ……。

あなたは……ずっと、みんなの笑顔を守っていた。私はただ、自分の強さだけを追いかけていた……」

「もう立てねえだろ?最強を目指してた侍様が、このザマかよ!」


その時——


「フルチャージ……完了!」


おアズの声が響いた。

桜色の光がをおアズを包む。

黒い妖気を押し返すほどの輝き。狂次郎の顔から笑みが消える。


「な……なんだ、この力は……!」


おアズはゆっくりコテツを掲げた。


「コテツ。」

「ああ。」

「行くよ。」


光を放ちながらコテツとおアズは姿を変えていく。

ただ歌を届けるための刀ではない。

人の心を守るための、本当の姿へ。

斬華は呆然と見つめる。

長い髪がふわりと浮き上がり、衣装は純白と黄金を基調とした神楽装束へと変わっていく。

幼さの残る顔立ちは凛とした美貌へ。

華奢だった身体は、神々しい気品を纏う大人の女性へと姿を変えた。

黄金の瞳が静かに開く。

コテツは刀身を震わせる。


「真の姿──」


コテツは白銀の神剣へと変化する。


「神剣・クサナギ。」


斬華はその姿を見上げ、息を呑んだ。


「……綺麗……。」


狂次郎ですら、一歩後ずさる。

目の前に立っていたのは、先ほどまでの素朴な田舎娘ではない。

神話から舞い降りたかのような、美しき戦乙女だった。

黄金の光が静かに収まっていく。

その中心に立っていた少女を見て、斬華は言葉を失った。


「う……嘘……。」


先ほどまでの幼さの残る田舎娘の面影はない。

夜風になびく艶やかな長髪に神楽装束。

神々しいまでの美貌。

思わず見惚れてしまうほどだった。


「あなた……誰ですの……?」


少女は優しく微笑んだ。


「キリちゃん。」


聞き慣れた呼び方。


「立てる?」


その声に、斬華は目を見開いた。


「ま……まさか……。」


少女は照れくさそうに笑う。


「無茶しすぎやったね。」


斬華は思わず叫んだ。


「おアズさんですの!?」

「えへへ。」

「そんな軽い返事で済ませないでくださいまし! 別人ではありませんの!」


少女は首をかしげる。


「ウチはウチやけん。」


その横で、神剣となったコテツ改めクサナギが静かに口を開いた。


「正確には違う。」


斬華は刀を見る。


「どういうことですの?」

「この姿は、人々の願いと歌が限界まで満ちた時だけ現れる真の姿。」


黄金の刀身が眩く輝く。


「今、この娘は『アズ』ではない。」


少女は静かに目を閉じる。


「芸能と舞を司る神の力を宿した姿。」


クサナギは厳かに告げた。


「──アメノウズメ。」


その名が夜空へ響いた。

斬華は息を呑む。


「アメノウズメ……。」


少女は静かに頷いた。


「それが……本当の私。」


先ほどまでの訛りは消え、落ち着いた美しい口調になっていた。

斬華は呆然と見つめる。


「だから……あれほど神々しい姿に……。」

「そして。俺も真の姿を取り戻した。神剣・クサナギってな。」


狂次郎はその様子を見ていたが、やがて鼻で笑った。


「神だぁ?」


黒い瘴気を全身へまとわせる。


「笑わせるな。」


地面を踏み砕いた。


「姿が変わった程度で俺が負けるかァァァ!!」


轟音。

狂次郎が一直線に突進する。

黒い拳が空気を裂いた。


「死ねェェェ!!」


しかし。

アメノウズメは微動だにしない。

静かにクサナギを構える。


「その憎しみ。ここで終わらせます。」


狂次郎の拳が目前まで迫る。

その瞬間。

クサナギが黄金の光を放った。


「最終浄化。」


アメノウズメは静かに剣を振り上げる。


「神技・天照」


一閃。それだけだった。

夜空を太陽のような黄金の光が駆け抜ける。

狂次郎は目を見開いた。


「な……。」


斬られた感覚すらない。


数秒遅れて。

胸元から黒い瘴気が噴き上がった。


「がぁぁぁっ!!」


体内から絶叫が響く。

漆黒の妖刀が狂次郎の身体を突き破るように姿を現した。


「我ガ消エルダト……!?」


アメノウズメは静かに妖刀を見据えた。


「あなたの苦しみも、ここで終わりです。」


黄金の光が妖刀を包み込み、夜空へと浄化の光が広がっていった。

黒い瘴気が夜空に溶けるように消えていく。

アメノウズメが刀を優しく掲げると、妖刀は光の粒子となって吸い込まれ、静かにその場で消滅した。


「これで……終わりたい。」


神々しい光がゆっくりと収まりアメノウズメとクサナギは元の桜色の髪の少女にとマイク刀に戻った。

その場にぺたんと座り込む。


「ふぅ〜……疲れたぁ。」


斬華は地面に倒れたまま、ぼんやりとその姿を見つめていた。


「あなたは……。」


先ほどまで神々しい威厳を放っていた存在が、今は照れ笑いを浮かべる田舎娘。同じ人物とは思えなかった。


「本当に……同じ人ですの?」

「同じやけん!」


おアズは笑って両手を広げた。


「ほら、変わっとらんやろ?」

「十分変わっていますわ!」


おアズが笑顔で手を差し伸べる。


「終わったね、キリちゃん!」


斬華はその手を見つめる。


「……。」


ゆっくり立ち上がる。


「今日はあなたに命を救われましたわ。」


深々と頭を下げる。


「鳳凰寺家の侍は、受けた恩は必ず返します。」


おアズは慌てる。

「そんな気にせんでよかよ!」

「いいえ。」


斬華は真剣な表情で答える。


「この借りは必ず返します。」


するとおアズが目を輝かせる。


「じゃあ!」


斬華は嫌な予感がした。


「私とアイドルやろ!」

「…………は?」

「ユニット組もう!」

「なぜそうなりますの!?」

「恩返しやけん!」

「それは理屈がおかしいですわ!護衛や雑用ならしますわ。」

「いや、一緒に歌って!」

「歌は恩返しになりませんわ!」

「私は一人じゃ守れん人もおる。キリちゃんの剣が必要なんよ。」


斬華はおアズの真剣な眼差しを見つめて心折れる。


「……分かりましたわ。借りを返すまでですわよ。」


一か月後――。


町の中央広場。

以前にも増して大きな特設ステージが組まれ、開演前にもかかわらず会場は人で埋め尽くされていた。


「おアズちゃーん!」

「今日も来たぞー!」


色とりどりのうちわや旗が揺れる。

開演を告げる鐘が鳴った。

ドンッ!!


音楽が響き、照明が一斉に灯る。


「みんなーーーっ!!」


桜色のツインテールを揺らし、おアズが元気よく飛び出した。


「今日はありがとーーっ!」

「うおおおおおーーっ!!」


割れんばかりの歓声。

おアズは満面の笑みで手を振る。


「今日はみんなに紹介したい人がおるけん!新しい仲間たい!」


おアズはステージ袖へ向かって大きく手を振る。


「キリちゃーーん!」

「その呼び方はやめてくださいましーーっ!!」


聞き慣れた声とともに、一人の少女が姿を現した。

先月まで道場破りとして名を馳せた侍少女――鳳凰寺斬華だった。

しかし今日は、黒を基調とした侍装束に桜色の飾り紐が結ばれ、おアズとお揃いの小さな桜の髪飾りも付けている。

侍らしさを残しながらも、どこか華やかな装いだった。

客席が一瞬静まり返る。

そして――


「かわいいーー!!」

「金髪侍だ!!」

「めちゃくちゃ美人じゃん!!」

「強そうーー!!」


歓声が一気に押し寄せた。

斬華は思わず肩を震わせる。


(な、なんですの、この反応は……。)


道場では浴びたことのない歓声だった。


「新メンバー!鳳凰寺斬華ちゃんたい!」

「よろしくお願いしますわ……。」


ぺこり。

侍らしく深く頭を下げる。

その仕草だけで客席はさらに盛り上がる。


「礼儀正しい!」

「推せる!」

「キリちゃんーー!!」


斬華は顔を真っ赤にした。


「き、キリちゃんではありませんわ!」


その反応に客席は爆笑する。


「面白い!」

「かわいい!」

「笑われていますわ!?」


慌てる斬華。

おアズはお腹を抱えて笑った。


「キリちゃん大人気たい!」

「だからその呼び方は……!」


照れ隠しに咳払いする。


「コホン。」


刀の柄へ手を添える。


「私は侍ですので、歌など未熟ですが……。」


客席を見渡す。そこにはあらゆる笑顔。

老若男女、皆が楽しそうに笑っていた。


(これが……。)


一か月前には理解できなかった景色。


(守るということ……。)


自然と口元が少しだけ緩む。


(悪くありませんわね。)


そんな自分に気付き、少し照れくさそうに視線を逸らした。

その時だった。

客席の最前列から、とてつもなく大きな声が響く。


「キリちゃあああああん!!」


斬華はびくっと肩を震わせた。


「……?」


見れば、大量の応援旗を振り回しながら涙を流している男がいる。

頭には鉢巻き。

胸には大きく書かれている。


『斬華命』


「世界一かわいいぞーー!!最強ーー!!一生ついていくぞーー!!」


斬華は目を丸くした。


「あ……あの人は……。」


おアズも笑う。


「元気になったみたいやね。」


そこにいたのは――

妖刀から解放された狂次郎だった。

以前の険しい表情は消え去り、今は目を輝かせながら必死にペンライトを振っている。


「俺は斬華ちゃんファン第一号だぁぁぁ!!一生応援するぞーー!!」


斬華は固まる。


「……。」


数秒後。


「な、何をやっていますのーーっ!!」


会場が大爆笑に包まれる。

狂次郎は涙を流しながら叫ぶ。


「俺を救ってくれた恩人だからなぁぁぁ!!今日もかわいいぞーー!!」


斬華は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして叫んだ。


「かわいいではなく!最強と呼びなさいませーーっ!!」


狂次郎は全力で頷く。


「最強でかわいいーーっ!!」

「両方言わなくてよろしいですわーーっ!!」


観客席は笑い声で埋め尽くされ、おアズもコテツも腹を抱えて笑っていた。


おアズは叫ぶ。


「二人合わせて!サムライ☆ドル!」


こうして――

最強だけを目指していた侍と、人々を笑顔で守るアイドル。

正反対の二人が歩み始めた、新たな物語が幕を開けるのだった。


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― 新着の感想 ―
Xの企画から来ました。 最強を求める侍と歌で町を守るアイドル、正反対の二人の出会いから決着までを一話に凝縮した勢いが楽しかったです。ライブを勝ち鬨と勘違いして刀を抜く斬華のズレっぷりが可笑しく、アメノ…
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