3 獣との遭遇!?
改めて自分の姿を振り替える。
僕は石の状態で少し変わった形をしていると思う。はじめは丸に近いのかと思っていたけど、チリトリから捨てられた時の転がり方が不自然で、明らかに丸くない。
花にチューリップってあるよね?
赤白黄の色が沢山あるチューリップ。あれの球根に似た石の形をしていて頂点が鋭く尖ったもの、多分そういう形の転がり方だった。
鏡がある訳じゃないから正確な姿は分からないけど、そんな感じだと思う。
あれからも、ずっと僕は、ぼーっと回りを観察している。出来ることが観察ぐらいしかないしね。
しばらくすると遠くが騒がしくなり、白銀の狼らしき額に角の生えた獣と、これまた角の生えた大きなウサギがかなり遠くで追いかけっこをしていた。
必死に逃げるウサギ!追う狼!
最初は遠くで動いていたので小さかった2匹が段々大きく見えてきた。
とっても嫌な予感がする。この2匹、更にここに近づいてきてない?
はい!嫌な予感的中!
僕がいる大きな木めがけてウサギが走ってくる。ああ、狼にもう追い付かれそう。
どごーーーーん!!!!!
狼がウサギをおもいっきり角で刺し吹き飛ばす。
グサッ。ズシャー!
吹っ飛ばされたウザギは、僕の側近くの大木に打ち付けられ下に落ちる。狼の息がはぁはぁと荒く滅茶苦茶こわい。牙がギラギラしてる。
ウサギは死んだのか?なんと!僕の上に落ちてきた。
何だか視界が真っ暗に閉ざされて、近くは生暖かい液体でびちょびちょ。ちょうど僕の石の頭上部にウサギがどっさりと落ち、そこに刺さり最終的に息の根を止めてしまったらしい。これって僕、悪くないよね。
血でヌルヌルして気持ち悪い。
ぐるるる……。
狼の鳴き声が暗闇の中で聞こえ、僕は必死にこの状態をどうにかするべく、あがいた。すると頭上のウサギをわずかに動かす事に成功。光が差し込み、なんとか視界を確保する。
少し離れた所にいた狼の姿が見えた。今度はそれが淡い光に包まれ、しだいに光は小さな人を型どりはじめる。気づくと狼の姿はなく銀髪の小さな男になっていた。正確には分からないけど140か145cmぐらいだろうか、小さいが顔つきから子供には見えない。
「たいしたポイントにもならないか…しかたがない。それでも人型になれた。いつでも無限回廊に入って、わし恩人を探せる。適当に狩りながら、あと少しポイントを貯めるか…」
小さな男はブツブツ言いながら歩き森の奥深くに進んで行く。
僕は今、目の前でおきたことを頭の中で整理し上に乗った大きなウサギの体をさらに、どかそうと力を入れる。すると、それとは関係なくウザギもこれまた鈍く光だし可愛い黄色い花に変化した。そうタンポポみたいな花になった。
あれ?ウザギが花に?
ええーーーっ!しかも、ツルのようなものがそのタンボボをゆっくりと押し上げる。そのツルは僕から生えていた。
どうして?
僕、手が動かせるの?イヤ、これは手じゃない。緑色のツルみたいな…これで頭上の花を地面の上に下ろせるかも。僕の石だった部分の上部から複数のツルが出てる。
どうやら僕は何かツルの生えた草に変化したみたいだった。




