表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友ポジのタイムリーパーは、転生ヒロインのハーレムを阻止したい 〜台本を閉じる方法〜  作者: 月乃ふくや
はじまり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/75

03.世界はゲーム、彼女はヒロイン

なるほど?

 


 魔法と精霊に守られた国アドリフィス。その国で最高の学園。物語は、そこへ一人の女子生徒が入学するところから始まる——


「乙女ゲームなのよ。で、私がヒロイン」


 ソフィア・テレーゼ——に“転生した”と話す彼女は言う。


 そして私、アンジェリク・マークスはヒロインの恋を応援し、好感度を教え、助言し、体を鍛えたり勉強をして一定のレベルになると便利な“アイテム”をくれたりするサポートキャラ——銘じて“親友ポジ”だ、と。


「じゃあ、私がこの学園生活を終えられないのは……あなたがゲームで何度も戻していたから?」


 話を聞き終え、私は頭を抱えてベンチに座り込んだ。


 自分を構成するものが足もとから崩れる感覚。

 幼い頃の記憶も確かにあるのに、この世界が虚構だなんて信じたくない。


 けれど彼女は、私の過去のリープの直前にソフィアに起きたことを言い当てていった。“攻略対象”という男子たちの話も、私が見守り、彼女から聞いた内容と一致している。


 沈黙。


(どうしたらいいの)


 終わりのない未来。震える体を抱きしめて俯いたとき——


「ああ、もう!!」


 突然の声に顔を上げる。ソフィアが何かを吹っ切った顔で立ち上がる。


「いつまでもうじうじ考えてても仕方ないわ」


 彼女は自信たっぷりに頷いた。


「あなたがタイムリープしていようといまいと、ここで私の目指すことは変わらない」


「……目指すこと?」


「ええ!」


 長い髪を払って、淡い色の瞳を輝かせる。


「このゲームの隠しルート——ハーレムルートをクリアするのよ!!」


 私は口をぽかんと開けた。


「そうよ、私、絶対に、卒業までにこの学園でハーレムを作ってやる!」


 また言った。

 近くの木から鴉が飛んでいく。


「……ばかなんですか?」


 思わずこぼれた一言で、崩壊しかけていた私のアイデンティティはどこかへ飛んだ。


 彼女は気にせず続ける。


「私は本気よ。というか、入学前からずっと狙ってたの。で、さらに、あなたの話を聞いて確信も持てた。ハーレムルートが開いてる可能性は俄然高いって」


「どういうことですか?」


「よく聞いて。隠しルートは“全員のハッピーエンドを回収”すると解放される仕様。

 私、どうしても見たくて。

 寝ても覚めてもやって——最後の一人を回収できた夜、ハーレムルートをロードして門前のプロローグまで見て、残りは明日にしようって眠って——」


「はあ」


「で、翌朝、事故で死んだの」


「……」


「すごく無念だったわ」


「……それは、きっとそうでしょうね」


「ええ。——で、あなたの巻き戻り順と、私の攻略順は一致してた」


 ここまで言えばわかるでしょ、と視線で問われ、私は小さく頷く。

 本当に世界とゲームがリンクしているのなら、今はそのハーレム解放後の世界。作るか、作らないか。それだけだ。


「……なら、普通に“作らない”でいいと思いますけど」


「いやよ。ずっとそれが見たくて頑張ってたんだから。せっかくヒロインに生まれ変わったんだもの、目指すべきでしょ」


「本気でわかって言ってますか?」


「さっきも言ったでしょ。私は本気。だからお願い」


 彼女はにっこり笑った。驚くほど、綺麗に。 


「あなたも手伝って。“親友ポジ”でしょ」



次回【縁か補正か?“親友ポジ”の距離】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ