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親友ポジのタイムリーパーは、転生ヒロインのハーレムを阻止したい 〜台本を閉じる方法〜  作者: 月乃ふくや
悪役令嬢ローゼリアの改稿編

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23.赤と紅の衝突 紅の邂逅

赤の俺様と紅の婚約者

その衝突の瞬間に、アンが立ち会います。(短め)



 アレス・プロミネンス。


 炎色の髪を持つ侯爵家の嫡男として生まれた瞬間から、彼は、さも当然のように他の何者よりも勝っていることを望まれ──そして、その全ての期待に応えられるほどに優秀だった。


 十歳ですでに周囲の大人をも超える火力を持てあました彼に、同年代の貴族子女で勝てる者はいなかった。


 強い魔法が使えることは、そのまま貴族としての優秀さを示す。将来、彼が貴族社会のトップに立つことは見えていた。誰もがプロミネンス家に迎合するようになった。誰もが彼をもてはやした。


 そうして多少なりと傲慢な人間になった彼は、やがて何事も自分の思い通りになる生活に退屈を覚えるようになっていった。


 そんな頃だ。


 平民出のブルーノが高等部入学の筆記で首位を取り(正確には中等部からエスカレーターのアレスと直接は競っていないが)、「アレスを抜いた」という噂が立ったのは。


 さらに、最初の授業の日には、鏡の検査で“全属性適性”のソフィアまで現れた。


 ──苛立ち。驚き。退屈の破壊。


 彼が自ら彼女に構い始めるのは、物語としては筋が通っている。


(……個人的には「え?」だけどね。そういう“筋書き”って言うなら……まあ)


 恋愛小説だって、登場する男性は自然と向こうからヒロインに近づくようにできているものだ。


『お前は、今までいなかったタイプだな、面白い』とか言って。


(ただ、ねえ……)





 温室の植物園の茂みに隠れながら、赤い髪の二人の言い争いを聞いていた私は、ひとりごちる。


「アレス様、貴族でもない者たちに構いすぎですわ。思いあがって親しくできると勘違いをされたらどうなさるの」


「俺の行動に口出しする気か、ローゼリア」


「口出しでは……っ」


「俺が誰と関わり合いになろうと俺の自由だ。形だけの婚約者に、うるさく言われる筋合いはないな」


「そんな! アレス様!」


 アレスが勢いよく出て行く。扉が乱暴に開閉し、音と振動がガラス張りの壁を震わせた。

 

 残されたローゼリアが小さな声で呟く。


「どうしてですの……アレス様……」


 それを聞いて、ほんの少し同情してしまった。


 体勢を変えて覗けば、真紅の巻き髪の背。肩が震えて、細い指に握りしめられたハンカチには皺が入っている。


 今にも泣き出しそうに見えた。けれど、少しすると、彼女はまた顔を上げて歩き出そうとした。


 私は急ぎ、指を鳴らして立ち上がる。


 ざあっ、と、温室の出入り口から中に向かって風が走り、彼女の手のハンカチをさらう。


 ふわりと舞ったそれを追って振り返った彼女と、指でそれを受け止めた私の視線がぶつかった。


「──あ」


 それを、ローゼリア・スカーレットと私の邂逅にした。


次回【アン、ひびを入れる】


ブクマ・評価・リアクション等ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!


今回短くてすみません!(次も短め…とか言えないけど)

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