05S.淫魔系ゴーレムの誕生 後編
岩石ゴーレムの上位種は、特に「淫魔系ゴーレム」と、呼ばれました。そのゴーレムには、次のような利点が有りました。①他のマスターの代わりと成り、岩石ゴーレムへの指示が出来る。②他の岩石ゴーレムからの、自分に対する攻撃の無効化が出来る。③数日だけだが、単独行動が可能に成る。④行動範囲が、無効化する。でした。それだけが、全部では有りませんが、これが主な利点でした。
シャロンは、その日から淫魔化したので、大変妖艶なドールに、変わりました。宗平君は彼女に、余り人間界では、問題を起こして貰いたく無かったので「人前に出るときは、くれぐれも妖しい色気を出すな。」と言う、命令を与えました。同じファミルのジェイミーやフローラルは、彼女がレベルアップしたので大変、羨ましがりました。
彼は、新しくレベルアップした「淫魔系ゴーレム」の彼女に、大変興味を持ちました。そして自動化もするので、定期的に彼女との「ネトリ(疑似行為)」も、することにしました。すると彼女が大変喜び、彼女の長年の不満も、解消されました。
4体目の「モナ」も、近くにシャロンと言う、上位ゴーレムが誕生したことにより、早い時期から彼女にアニマスが、宿るように成りました。シャロンのことを、自分の姉のように慕いました。今では、マスターとの精神感応も、出来るように成りました。彼女は、精神感応が出来ると、マスターとシャロンの行為にも、興味を持ちました。そして2人の行為を、良く覗いて学習しました。
モナも、シャロンと同じ「ダッチ系ゴーレム」でした。マスターが同じダッチ系は、上位種が近くに居ると、その影響で進化が早まりました。彼女も数か月でシャロンと同じような、上位魔人に変貌することが、出来ました。
宗平君は、シャロンとモナが、上位魔人に変貌したことにより、短期間の内に2体もの「淫魔系ゴーレム」の所有者に、成りました。そのことは、彼の故郷で有る「ゴーレム使いの里」に、於いても「強力な使い魔」として彼は、周りから認識されるように、成りました。
シャロンとモナは、定期的に宗平君からの「体液の供給」を、受けることにより、半永久的に活動することが、可能に成りました。この「淫魔系ゴーレム」は、かなり強いので、人間界に於いては、無暗に力を披露しないように「気を付けて行動すること」と、シャロンとモナには、いつも言い聞かせました。
丁度その頃に、人間界で暮らして居た、宗平君の元に、彼の姉が、訪ねて来ました。姉の名前を、鹿島瑠璃と、言いました。通称「ルリねぇ」でした。しかし彼は、姉のことを、ただ普通に「ねぇさん」とだけ、呼びました。久し振りに、姉の姿を見た彼は「ねぇさん、随分見ない内に、背が伸びたんじゃないのかい。」と、言いました。
「それに僕は、ねぇさんの隠れ巨乳のファンの1人で有るので、その胸は、どうしたのですか。」と聞くと、姉は「活動を、遣り易くする為に、自分の身体を自分で、調整したのよ。」と、言いました。それを聞くと彼は「ねぇさんは、いつの間にか、そんなことが、出来るように成ったのかい。凄いな。」と、尊敬を込めて、言いました。
鹿島瑠璃は、宗平君に一言「指令が出たのよ。」と、言いました。「貴方も知って居るとは、思うけれども里が、魔神リーリス様の管轄と成ったのよ。リーリス様が言うには、貴方と私が中心と成り、里の統治をせよ。」とのことだったの。宗平は、純潔な使い魔では無いので、里の者が従わないかも知れないが、貴方の弟は、純潔の使い魔で有り、正式な族長なのよ。彼の協力を仰ぎなさい。」との命令を、受けたことを、告げました。
すると宗平君は「急な話しで困ったが、魔神様の御命令ならば、直ちに従わなければ、成りません。ガルンに話そう。」と言うと彼は、自分の4体のゴーレムを招集しました。モナは、初めて「鹿島瑠璃」のことを見ると、警戒しました。
ジェイミーとフローラルが、瑠璃のことを見つけると、嬉しそうに飛んで来て「瑠璃ちゃんが来たー。」と言って、大歓迎してくれました。ジェイミーもフローラルも、初めは、鹿島瑠璃の所有物でした。しかし宗平君の使役の練習の為にと、父親に取り上げられてしまい瑠璃は、泣く泣く彼女達を、手放したのでした。
ジェイミー達も初めの頃は、アニマスが無かったのですが、瑠璃が自分らを所有していた頃には、大変可愛がってくれました。そして大事にしてくれたことを、彼女達の素体が、記憶して居たので「彼女達は、瑠璃のこともマスターだ。」と、思いました。シャロンも、彼女のことは、良く覚えて居ました。
瑠璃は、久し振りにシャロンの姿を見ると、その変化に驚きました。彼に「シャロンは、いつ淫魔に、成ったのか。」と、聞きました。すると彼は「事情を話してシャロンは、上位種の〝淫魔系ゴーレム″に、進化したのだ。」と、言いました。
瑠璃は、その話しを聞くと、納得しました。そして彼に、言いました。「我々の戦力が、上がることは、大変良いことだ。」と言って、宗平君を褒めました。そして早速2人は「ゴーレム使いの里」に、帰還する準備に、入りました。帰還することにより、彼の人間眷属で有る「芹澤美穂」の扱いを、どうするのかと、姉と協議しました。
その結果、美穂の自分達の記憶を、消去して、このまま人間界に、置いて行くことにしました。宗平君と美穂は、精神感応が出来たので、一方的に彼のみが、彼女の心を覗けるようにして、彼女の周辺をいつでも、把握出来るようにしました。
大家の記憶も操作をして、自分達のことは、忘れるように調整しました。宗平君達は、人間界での痕跡を断ちました。そして姉と4体のゴーレムを伴って、彼等の故郷でも有る「ゴーレム使いの里」へと、帰還しました。美穂は、記憶を無くしましたが、彼らのことを、いつまでも見て居ました。