03S.ゴーレム使いの弟 後編
魔人ゴーレムは、土塊だろうとシリコス製だろうと、凄まじい怪力を、発揮しました。どんなに強い、人間の格闘家と戦っても、それを瞬殺すことが、出来ました。小型ゴーレムのジェイミーでさえも、強い力を秘めました。それはゴーレムが、人ではなく、怪物の部類に入る、魔物で有ったからでした。
いま宗平君は、久し振りに新しいゴーレムの使役を、始めました。4体目のゴーレムの名前は、その素体名から「モナ」と名付けました。モナも、シャロンと同じく素体がシリコス製のリアルドールでした。シャロンと同じで、モナも大変な美人でしたが、シャロンとは別系統の美人でした。
モナの容姿は、前髪を横一文字に切り揃えた、おかっぱ頭の長髪で、癖の無いストレートヘアでした。髪色は茶系統で、顔立ちは今、流行りのアヒル顔でした。その為、とても愛らしい印象を、与えました。身体は細身でも、胸は大きくて、魅惑的でした。
シャロンは、家事全般が得意な、万能ゴーレムに成ったので、モナも同じタイプに、するつもりでした。宗平君は、シャロンとモナを交代させながら、使役するつもりでした。
ゴーレムは、使い始めが一番、術者の能力を消費しました。使役すればする程に、扱いが楽に成り、自我が生まれて、年数を経たゴーレムは、殆ど術者の能力を使わずに、使役することが出来ました。手慣れたゴーレム使いの宗平君でも、モナに自我が芽生えるまでは、数年の年月が必要でした。
ジェイミー・フローラル・シャロンも、彼が子供の頃から、使役したゴーレムでしたので、彼女らの性格は、彼に取っては、友達のようなペットのような、3体とも彼には友好的で、とても懐いた存在でした。
不思議なことに、どのゴーレム達も、自分を作ってくれたマスターに対しては、極めて忠実に、仕えようとしました。マスターに危機が迫ると、率先してマスターを守ろうとする習性を、誕生したときから持ちました。ゴーレムには、そのような本能が、有ることから「使い魔」達は、何体も自分専用のゴーレムを、持ちました。複数体、所有することが、そのまま「使い魔の強さ」に、成りました。
シャロンには、少し問題が有りました。それは元々、性欲処理が目的で作られた素体でしたので、時々マスターを誘惑することが有りました。それは、彼女の本能のようなもので、決して削除したりすることが、出来ない機能でした。今は、素体を交換したので、かなり魅力的な女性に、成りました。
しかし交換前は、とても積極的にしようとは、思えない容姿でした。しかし宗平君の父親は、そうゆう彼女で有っても積極的に、彼女の相手をしました。その為シャロンの問題点は、父親が全て解決しました。
今は、その父親が居ないので、シャロンの好意を、自分が素直に受けるしか、選択肢が、有りませんでした。その為シャロンの新しい素体選びのときは結構、真剣に成りました。元々シリコス製の素体は、値段が高いので、選択を慎重にならざるを、得ないのです。
しかし購入すると、素体が高級品でしたので、シャロンのアニマスを、入れ替えた途端に、急激な超美人へと、変化しました。元々ゴーレム化すると、より良く変貌するものでしたが今回は、それ以上の収穫でした。シャロンにしてみれば、それは大好きなマスターを、思うが為の行為でした。素体本来の使用目的が有る場合は、その素体をゴーレム化すると、その素体の性格に、影響が表れました。
元着せ替え人形のジェイミーやフローラルは、小型ゴーレムでしたので、シャロンのように、マスターを誘惑すると言う行為は、見られませんでした。この2体は、元々ファッションドールでしたので、自我が芽生えると大変、お洒落ゴーレムに、成りました。
彼女達は、いつも着飾って相手を見比べてみては、お互いに競争しながら、楽しんで居ました。身に着ける欲しい物が無い場合は、2人で協力しながら、洋服や靴を作りました。この2体の小型ゴーレムは、いつも自分達を着飾っては、楽しんで居ました。
宗平君親子の、借りて居る部屋の大家には、中々美人で胸の大きな、年頃のお嬢さんが、居ました。大家が言うには「人見知りで、引っ込み思案な、少し根暗な娘だ。」と、言いました。しかし淫魔に取っては、そうゆう娘は狙い目で有り、宗平君の父親の指示も有り、彼は練習を兼ねて、その娘さんに毎回「エンタリング(夢入り)」しました。
そして頃合いを見計らい毎晩、彼女の「バイタリティ」を、快楽と引き換えて、奪い続けました。その為、彼女は、今では立派な「彼のファミル(下僕)」に、成りました。今の所、彼女には利用価値が、無かったので、彼の丁度良い、性欲処理用にしました。その大家の娘の名前は「芹沢美穂」と、言いました。彼女は、彼に取っては、初めての「生きた人間のファミル」に、成りました。
シャロンは、どこから見ても人の娘にしか、見えない姿でした。彼女は、人に見えますが、人ではなく「魔人ゴーレム」でした。彼女は、生物ではなく物体に、近い存在でした。彼女は、生物では無いので、呼吸をすることも無く、食事をすることも、水を飲むことも、有りませんでした。そして当然ながら、排泄も有りません。それでは、どのようにして、活動するのでしょうか。それはマスターの魔力を、取り込み、活動しました。
今のシャロンタイプでは1日、4時間位。ジェイミータイプでは1日、8時間位。活動が可能でした。この活動時間は、宗平君の所有する全ゴーレム達を、一度に動かせる時間でした。これが限界時間では、有りませんが、大体それ位の目安で、ゴーレム達を、動かしました。また、それ以上動かすと、彼の肉体的・精神的な疲労が、溜まりました。
彼女達の活動停止状態は、本来の人形状態に、戻りました。全く動かない、只の人形でした。活動の再開も停止も、全てがマスターの意思で、決まりました。ゴーレムは、使い込む程、術者の負担が軽く成りました。例えば数十年間、使い込んだゴーレムで有れば24時間、1日中、使役しても術者の負担が、殆ど掛からなく成りました。
最近シャロンが、また「そのこと」で、宗平君に訴え掛けて来ました。「マスターは、いつも、あの人間の娘として居る。私もマスターとは、ネトリ(疑似行為)が、可能なのに、私とはしてくれない。いつも、あの人間の娘とだけ、マスターはしている。マスターは、私が嫌いなのか、最近あの人間の娘を見ると、憎らしく成り、壊したく成る。我慢が出来なく成るときが、有る。」と、訴えました。
自我を持つゴーレムは、大変正直で有り、思ったことを、何でも口にしました。自我を持ったまま、年月が経てば経つ程に、人のような性格に、成りました。宗平君は、少し「問題が、起きたようだ」と、思いました。美穂とは暫くの間、ネトリを断ち、これからは「シャロンを、使うことにしよう」と、思いました。
シャロンは、まだネトリで使ったことが、有りませんでした。この素体で、生まれ変わったシャロンの容姿は、大変魅力的なものでした。シャロンは元々、ダッチワイフから生まれたゴーレムでした。最近、彼女の素体を、新しいものに変えました。そしてその素体も、最新式のシリコス製のダッチワイフでした。
宗平君には半分、淫魔の血が流れて居ました。「淫魔系使い魔」が、ダッチ系ゴーレムを使役すると、相性が良すぎるので、天性の優秀な「淫魔系ゴーレム」が、生まれることが、有りました。
その日の夜が訪れました。ジェイミーとフローラルは、既に活動停止しました。モナも、起動停止しました。今、活動して居る、宗平君のゴーレムは、シャロンだけでした。今晩の彼女は、マスターが初めて、自分を指名してくれたので、嬉しくて、期待に胸を、膨らませて居ました。彼女は全裸に成り、シーツを肩から被って、彼が表れるのを、待ちました。
彼女は、思いました。自分は本来、空気注入式の雑多な、ダッチワイフでした。マスターの父君が、私を初めて購入して下さり、息子の練習用にと私を、与えました。マスターは初めて、自分を使役してくれました。マスターは、まだ幼く使役が上手く、出来ませんでした。しかし何回も練習をして下さり、私を上手く、動かせるように、成りました。
自分を飽きて、捨てることもなく、何年も使役して頂きました。その内に、その素体の中に、自分の小さな自我が芽生えると、マスターと精神感応が、出来るように成りました。私はマスターの自我を、学べるように成ったのです。
初めの頃のシャロンは、マスターが何を求め、何を望んで居るかを、マスターの精神状態から、探りました。するとマスターは「遊び相手が、欲しい」と、思いました。その為、自分はマスターの「良き遊び相手に、成れるように」自我を、形成しました。
マスターが、使役するゴーレムとは、早い内から自分との、精神感応が、出来るように、成りました。自分のゴーレムで有れば、言葉を使って命令しなくても、マスターが思うだけで、使役ゴーレムを、動かすことが出来ました。
シャロンは、宗平君と人間美穂とのネトリを、マスターとの精神感応から、良く見て学びました。特に、人間美穂とも、精神感応をして、彼女の反応を、全てコピーしました。だから宗平君との行為も、美穂並みの対応が可能だと、彼女は思いました。