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新サキュレス物語02B(新統治編)  作者: 淫魔の使い
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01S.瑠璃の旅立ち

☆鹿島瑠璃と宗平姉弟に依る、新たな所領統治の物語。

それは「ゼビスの人類世界」での出来事でした。この世界に潜伏した「はぐれ淫魔」の一家族の子供で有る「小川修一」君は、お父さんの知り合いから、黒い子犬を貰いました。まだ生まれて数か月の子犬でした。子犬が家に来ると修一君は、とても喜びました。そして、お父さんは、その犬に「ジョン」と言う名前を、付けました。この子犬は、オス犬のようでした。モフモフした、丸くて小さな犬でした。


その日からジョンは、修一君に取っては、良きペットに成りました。彼は、まだ子供でしたので、犬の散歩の時間に成ると、いつもお父さんと一緒に、出掛けました。こうして彼は、子犬との良き思い出が、出来ました。その後ジョンは、十数年生きました。その間に修一君には、妹が生まれました。ジョンは、この家族には、とても可愛がられて、暮らしました。


或るとき修一君は、一緒に遊んで居たジョンの「魂のようなもの」が、見えました。それは「光る玉」のようなものが、犬のジョンと重なって見えました。彼には、その光る玉の「色や形状、そして模様」までもが、はっきりと認識出来ました。それは、その犬特有のものでした。そのことを後で、お父さんに話したら、お父さんが驚いて、それは「ジョンの〝アニマス(根源)″が、見えたのだ。」と、教えてくれました。


お父さんは「我々は、魔人類で有るので、生き物のアニマスを、認識出来るのだ。」と、言いました。そしてそれは「生き物固有のものなので、個体に依る違いが有る。」とも、言いました。すると修一君は、ジョン固有のアニマスを、覚えました。お父さんが、言うには「我々が特定の生物のアニマスを、認識出来るように成ると、何時でも何処でも、そのアニマスで、見分けることが出来る。」と、言いました。


「そのアニマスを持つものが、仮に死んだとして何処かに、生まれ変わったとしても、そのアニマスを持つもので有れば、何処に生まれ変わろうが、アニマス自体が変わらない。」と、言いました。その為「そのアニマスを、知る者が生きて居る限り、その個体を、見分けられるのだ。」と、言いました。それは、我々が「アニマスを、捕食する魔人類で有るので、アニマスを見分けることが、出来るのだ。」と、言いました。


修一君とジョンは、共に育ちました。しかし残念ながら、犬の寿命は短い為、ジョンは寿命で、亡くなりました。すると修一君には、ジョンが何かの「デュデス(役割)」を、終えて次の世界に、旅立ったように、思えました。ジョンが亡くなると、修一君と妹の睦美は、深い悲しみを味わいました。それから暫くすると、お父さんが縁日の帰り道に、茶色いブチ模様が付いた、小さなハムスターを、買って来てくれました。


お父さんの家族は、新しいペットに「ハム吉」と言う名前を付けて、このネズミを、可愛がりました。しかしお母さんは、余りネズミが好きではないようで、暫くすると、お父さんが、新たなペットとして、2羽の小鳥を買ってくれました。それは、白と黒い文鳥でした。お母さんと睦美は、その小鳥を可愛いがりました。そして修一君も、一緒に可愛がりました。


修一君は、この小さなペット達の「アニマス」でさえも、はっきりと認識することが、出来ました。彼は何故か、このペット達のアニマスを、忘れることが、出来なく成りました。それから、小さなペット達が、居なく成った頃に、妹の睦美が「違う場所に、引っ越したい。」と、言うように成りました。すると程良くして、お父さんが買った、宝くじが当たり、一家は引っ越すことに成りました。



鹿浜公平しかはま・こうへい」と「鹿島瑠璃かしま・るり」は、この世界に君臨する「第3神・淫魔王」の最後のツガイでした。彼らは「原初の魔神リーリス」の指示により「淫魔王グン・ペイン」の統合前の「アニマス(根源)」を「デュプリ(複写)」したもので有る、男女6体のものと、それに付随した、3体の「ドペル(分体)」のものを、管理しました。


ここは、上級淫魔のみが、保有を許された「サキュレス・ホーム」と、呼ばれる淫魔専用の「亜空間エリア」でした。そこには「淫魔王のアニマス」の統合前のものが、保管されたので、特別に「ペイン・ホーム」と、呼ばれました。基本的な生者は、彼らのみでした。その為、公平と瑠璃は、このホームで幸せな一時を、過ごしました。


鹿浜公平と鹿島瑠璃は、極めて重要な任務に、就きました。この場所に、保管されたアニマスは、淫魔王本体のものでした。しかし本物のアニマスは、既に取り込まれたので「淫魔王の核」と、成りました。ここに有るものは、統合前のアニマスを、個別に「デュプリ」したものでした。創造神は何の為に、それを残そうとしたのか、その本意を知ることは、出来ませんでした。


ここに有る7体のアニマスは「ビジョン」と言う、フォログラムのような映像形態で、各自が統合前に、関連の有る場所を、模した部屋に、格納されました。それは、常時点滅して居るような映像で有り、このホームの管理者が、明確な意思を持ち、触れた場合にのみ、それが実体化されました。そしてそれが、実体化されたときのみ、生きたものと成り、管理者と触れ合い又は、語り合うことが、出来ました。


このペイン・ホームに、保管された「淫魔王グン・ペイン」のアニマスは、男女6体のものでした。第1アニマスを「グン・ペイン(群平)」と、言いました。そして第2アニマスを「ソフィアン」と、言いました。そして第3アニマスを「村田新平」と、言いました。続けて第4アニマスを「リオナ・サレム」と、言いました。そして第5アニマスを「木村恭平」と、言いました。そして第6アニマスを「小川睦美」と、言いました。


その他、第4アニマスで有る「リオナ・サレム」の統合前の「ドペル(分体)」でした「黒崎綾とソフィアそしてソフィーナ」も、重要なものでしたので、ランクが上がり、殿堂入りと、成りました。また淫魔王のアニマスは、本来4組の淫魔王のツガイから成り立っており、最後の1組は、まだ統合されませんでした。今は「デュデス(役割)」が有るので、それが終わり次第、取り込まれる予定でした。第7アニマスを「鹿浜公平」と言い、最後の第8アニマスを「鹿島瑠璃」と、言いました。


ここの管理者で有る「鹿浜公平と鹿島瑠璃」は、淫魔王のアニマスの、それぞれ男系・女系の最上位転生者でした。その為、鹿浜公平が、他の淫魔王の群平を除く、2体の男系アニマスに触れると、そのビジョンが、彼の体内に、吸収される現象が、起きました。すると彼は、自分を入れると1人3役の人物に、変わりました。


何時でも何処でも、好きな場所で、好きな時間に、自分の意志で他の2人に、変わることが出来たのです。そのことは、女系の最上位転生者で有る「鹿島瑠璃」も、同じことでした。しかし彼女には、それが出来ませんでした。実は彼女には、もう1つの重要な役割が、有ったのです。


瑠璃の父親は「右側神サタナス」に、長く使えて居た信任の厚い配下「はぐれ淫魔」でした。その為、彼女が生まれると、直ぐに、右側神の娘で有る「魔神リーリス」のドペルの役割を、与えられました。即ち彼女が居る処は、魔神リーリスの居る場所と、成ったのです。


今回、その「魔神リーリス」が、彼女を呼びました。魔神は、瑠璃の生まれ故郷でも有る「キュービン(六面体・内部世界)」に在る、広大な「淫魔界」を、統治しました。そして今回、新たに「3つの所領」を、得たのです。その為、その魔神が「新統治の依頼」を、彼女に任命したのです。


「ペイン・ホームの全管理は、鹿浜公平に任せて、彼に助手が必要な場合は、瑠璃の代わりに、リオナのドペルで有る〝黒崎綾″を、起用せよ。」とのことでした。早速、瑠璃は、彼女のツガイでした彼に、魔神の指示を伝えると、彼は渋々了承しました。


公平に取って瑠璃は、年上の姐御でしたので、面と向かうと中々逆らうことが、出来ませんでした。彼女は「ペイン・ホーム」で、準備を済ませると、ホームを出て行きました。ホームでは、出て行く彼女の姿を、実体化したばかりの黒崎綾と鹿浜公平の2人が、静かに見送りました。


鹿浜公平は、知って居ました。本来淫魔王のアニマスに、必要なツガイの数は、4組でした。今、仮に活動して居る淫魔王には、3組のツガイ分しか、アニマスが無く、まだ不完全でした。鹿島瑠璃のダルタニアでのデュデスが、終了したときに、自分達ツガイが、淫魔王の最後のものとして、統合される日で有ることを。


鹿島瑠璃は「原初の魔神リーリス」に呼ばれて、故郷のダルタニアに、戻りました。呼ばれた場所は、魔神の支配する「淫魔界」ではなく、隣接した「ゴーレム使いの里」でした。魔神は、ダルタニアに、新たな3つの所領を、得ました。それは「ゴーレム使いの里」「バフォメトンの森」「魔獣地帯」でした。


瑠璃は「魔神のドペル」でしたので、彼女が中心と成り、この「3界を、統治せよ。」とのことでした。その「ゴーレム使いの里」には、彼女の弟で有り「インキュマー」と、呼ばれる「淫魔と使い魔」の力を併せ持つ、とても強力な魔人で有る「鹿島宗平かしま・そうへい」が、居ました。

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