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40話 何気ない日常

 何の変哲もない普通の世界。その世界に戻ったのは、摩耶を倒して一回目の春が訪れた時だった。約半年間、ヒカリとアゲハ達を含め多くの結社が先導し世界は元に戻った。その際、半数程の反社が抵抗し多少の争いが発生した。そのような反社も全て撲滅させて後、正式に結社も解散することとなった。


 元鬱摩耶と未来の処遇は終身刑となった。数千人もの犠牲を出した大事件のことを思えば極刑でいいはずだが、そうなることは無かった。大狗天狼も同様に終身刑。しかしプロキオンだけは無罪となった。それはこれからの世界の復興に一生を捧げるという条件の元にある。


 平和を取り戻した八人は、普通の女子高生として生きていた。友達と遊び、街を歩き、したいことをする。何の変哲もない当たり前の日常だが、毎日が充実していた。


 石竹(せきちく)ミミは、反社を撲滅させる夢を叶え、ただの女子高生として青春を楽しんでいた。


 夢ノ世(ゆめのよ)ミナは、とある病室にいた。大事件の日に意識を失った妹が、世界を元に戻したことに対しての報酬のように目を覚ましていたからだ。


 蒼薔薇(あおばら)クゼツは誰よりも抵抗した反社の鎮圧に尽力していた。大事件の日守れなかった親友達、あのようなことがもう二度と起こさないように。


 血紅夜(げっこうや)シアは、意外にも姉と暮らすことになった。相変わらずナイフの趣味はやめておらず、むしろ同じ趣味を持っている人間とさらなるナイフ技術を身につけようとしている。


 白雅(しろみやび)ハナは、妹と共に暮らしており、他の仲間曰く口数と笑顔が増えたという。同じくナイフ捌きを極めるため、妹と共に切磋琢磨している。


 宵花(よいばな)シロは、毎日をぼーっと過ごしていた。日常が戻った世界は退屈だと考えていたが、実際それは的中した。しかし姉が元disaster、母がそれを産んだ人だということはシロにとっては退屈を紛らわすおもちゃだった。


 虹色(にじいろ)ヒカリは、反社撲滅のために結成した『無名の結社』を解散させ、妹と共に暮らしている。離れ離れになっていた空白の三年間分の話はそこを尽きることがなかった。


 月詠(つきよみ)アゲハは、disasterになるため、そして姉に見つけてもらうために結成した『kill's vampire』を解散させ、姉と共に暮らしている。無名の結社の話はとても興味深く、キルズでの活動の話は永遠に話したかった。


 ────────反社や結社として活動していた時が懐かしいと記憶となってきた今でも、最後に八人で交わした約束だけは覚えていた。


『いつかまた、世界を変えようとする者が現れたら、今度は八人で守ろう』


 この約束を忘れることは、永遠にないだろう。

ご精読ありがとうございました。

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