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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

中学の時

 これは私が中学生の時の実話である。


 当時私は中学二年生。勉強に苦悩しながらも部活をしたりして日々を過ごしていた。

 そんな日々の中で私はいじめられていた。

 当時の私は身長170㎝、肩幅も広く、運動部に所属していた。その為か運動神経は普通に良い。

 こんな奴を誰がイジメるんだよ! と思うだろうが、イジメる奴らがターゲットにする条件は基本的に一つだと思う。


 それは『やり返してこない、反撃してこない奴』である。


 連中にとってそれが大事なのだ。その最低下劣な条件さえクリアしてしまえば基本的に誰だろうがイジメる。


 で、だ。私をイジメていたのは何人かはいるが、基本的に直接蹴り飛ばしてくるなど、暴力に訴えてくるのは一人だけだった。自称サッカーのエースとやらである。何か気に入らないことがあれば蹴ってくる癇癪持ちだった。

 で、流石に何度も蹴られるのは鬱陶しかったので、担任にこの事を相談したのだ、が…


「自分で何とかしなさい」


 これで終わりである。いや教師よ、それでいいのか。いいんだろうな…あの教師にとっては。

 とはいえである。自分で何とかしろと言われてもやり返すのも違う気がしたのだ。そもそも下手にやり返すと最悪問題沙汰になって部活の先輩後輩同期に迷惑かけかねない。どうしたものか…。


 無い頭を使って考えた結果、とりあえず思いついたのが証拠を取る、だった。

 ボイスレコーダー? カメラ? そんなものはない。小遣い無しの家の中学生男子の懐事情をなめないでもらいたい。

 私がやったのは勉強嫌いが功を奏して余っているノートに何をされたのかを書く、というものだ。

 それだけ? と思うかもしれないが、何分当時の私の頭ではこれくらいしか思いつかなかったのだ。

 書く内容は相手の名前、やられた日にち、時間、何されたかを事細かく…といったもの。これは意外だったのだが、書いているうちにどんどん充実していく内容にちょっとしたコレクション感覚になっていた。


 そして夏休みのでの部活帰りに、なんとなく同期にこのことをしゃべったら思いのほか心配された。良い奴だったからまぁ納得ではある。


 そして二学期になって間も無く、二人の女子が私のところにやって来た。


 二人は必死に私に頼んできた。


「お願いだから先生に私たちのこと言わないで」


 どこからか、もしくは部活の同期からか私がイジメてくる連中を内容含めてリストアップしていることを知ったらしい女子の二人。まぁ、焦るよな。こいつ等の部活の顧問、学年主任だし。しかもめっちゃ厳しい上に怖い(ちなみに吹奏楽部)。

 そんな顧問にもし自分たちのことが知られてら…って考えたら気が気じゃないんだろう。今思い出しても滅茶苦茶焦っていたし…。


「え、ヤダ」


 まぁそれはそれ。これはこれである。イジメは悪い事なのは分かり切っていることなのに、それをしたのは彼ら彼女らである。慈悲は無い。


 そしてこの件が広まったのだろう。私へのイジメは殆どなくなった。

 そう殆ど、である。まだ完全になくなったわけではない。そしてその無くならないイジメ続けていたのが件のサッカー部である。いや、元サッカー部か。どうやら二年の夏の大会が終わった時、試合にも出してもらえず当然キャプテンにもなれず完全に腐ったらしい。

 なんというか、哀れに思えたのはここだけの話だ。

 哀れな元サッカー部は度々私を蹴って来た。それしかないのだろう。

 このころになるとノートに書く内容も減ってきていたし、そろそろウザったいと思っていたのでノートを手に再び教師の下に行った。で、イジメの事実と証拠のノートを差し出した。


「わかった…これ、預からせてね」


 そう教師は言った。因みにノートは最後まで返ってこなかった。証拠隠滅でもしたのかね?

 とはいえ、一応動きはしたのかもしれない。その日の翌日から、哀れな元サッカー部は教室に来なくなったからだ。保健室登校になったとのことは聞いた。


 それからは快適な中学生活を送れた。イジメも無くなったし、鬱陶しい奴は教室に来ないしで万々歳である。


 私をイジメた連中が今、どんな人生を送っているのかは知らない。ハッキリ言って興味もない。今回のコレも、偶々上記の部活の良い奴に再開してフッと酒が入り、話が出たので思い出したからだ。

 よくあるざまぁ系みたいなオチは無いし、現実なんてものはこんなものである。





 最後に、今現在進行形でイジメられているであろう人たちへ。

 イジメはどんな理由があろうとイジメをするヤツが悪いのである。決してされる側も悪い、なんて理論は当てはまらない。

 やられたらやり返すのも良しだ。素手が怖いなら武器を使ったっていい。きちんと見回すと意外と武器はそこらへんに転がっているものだ。数が多いならまずはリーダー格を潰せ。もしくは少ない、一人の時に急襲。これがベスト。

 若干怖いことを書いたが、彼らはやり返してこない人型のサンドバックと思って油断している。要はやり返されたら怖い、と思っているのだ。

 無論、信頼できる大人に相談するのが一番いいかもしれない。というかそれが先だ。無論、私みたいに自分で何とかしろ、と言われたらまずこう言おう。『言質取りましたからね?』と。『何かあってもあなたがそう言ったからそうしたって言いますからね?』と。適当な対応をした時点で、彼らも敵と見ていい。

 無論、こんな過激なことをしないで済むのが一番いいということも念頭に置いておいてほしいが。

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