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最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜  作者: 出雲大吉
第7章

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266/269

第266話 それぞれの午後 ★


 部屋に戻ると、皆で昼食を食べる。

 そして、昼食後のお茶を飲んでいると、リアーヌが立ち上がった。


「ユウマ様、私は仕事の方に行って参ります」

「ああ、頑張れよ。ケネスには優しくしてやれ」

「もちろんですよ」


 自分はいつも優しくしていると言いたげだ。


「そうか。夜は戻ってくるのか?」

「はい。夕食をご一緒させてください」

「もちろんだ」

「ありがとうございます。パメラ、お前はどうする?」


 リアーヌがパメラに聞く。


「私もギルドに行ってこようと思いますので寮まで送ってくれませんか?」

「わかった……ユウマ様、それではまた後で」

「ユウマさん、連れていってくれてありがとうね」


 2人は手を振ると、そのまま転移で消えてしまった。


「パメラも仕事か。大変だな」

「暇でしょうけどね」


 まあな。


「お前らはどうする?」


 残っているナタリア、アリス、リリー、アニーに聞く。


「私はここにいる」

「…………私も」


 ナタリアとアリスはここで過ごすらしい。

 まあ、アリスは生首だから見てわかるが。


「私はちょっと薬草の採取に行ってくるわ。リリー、付き合って」

「わかったー」


 アニーとリリーは森に行くようだ。


「大丈夫か? 一緒に行くぞ?」


 2人なら大丈夫だとは思うが……


「リリーと狛ちゃんを連れていくから大丈夫。それに奥には行かないし、夕方前には戻ってくるわ」

「何かいたら狩ってくるねー」


 まあ、慣れたものか。


「頼むわ」


 頷くと、2人は部屋から出ていった。


「私は寝よーっと」


 AIちゃんがコタツの中に潜る。


『にゃ』

『いたんですか……』


 どうやら先客がいたらしい。


「ナタリア、王都散策はいつからにする?」


 副リーダーに相談する。


「今日はちょっと歩いただけで別に仕事もしてないし、明日でも良いんじゃないかな? まあ、どうしても転移がいるからリアーヌ様の都合によるんだけど」


 朝と夕に送り迎えをするくらいならできるだろうな。

 とはいえ、確認はいる。


「皆で回るか?」

「うーん……大人数だし、予定を合わせるのも大変でしょ。あそこなら別に皆で行動しなくても良いと思うよ。ギルドで仕事をするならまたパーティー編成を考えないといけないけど、王都観光なら各自で良いと思う。もちろん、リアーヌ様次第だけど」


 治安もかなり良いし、式神をつければ大丈夫か。


「夜に相談するか」

「そうだね。夕方までどうする? カードゲームでもする?」


 ナタリア、強いからなー……


「アリス、起きろ。カードゲームをやるぞ」

「…………ユウマ、弱いのに好きだね」


 眠そうな顔でアリスが起き上がった。

 まあ、いつも眠そうなんだが。


「リリーと練習したから大丈夫だ」

「…………リリーも大変だ」

「あいつも好きだって言ってたぞ」


 にこにこしながらやってたし。


「…………リリーが好きなのはカードゲームの方じゃないよ」

「そうか……」


 やっぱり悪いことしちゃったかな?


「…………気にすることじゃないよ。皆、そうだから。何をするかよりも誰とするかだよ」

「それもそうだな」


 俺だってそうだ。


「…………まあ、カードゲームも面白いよ。せっかくだし、負けたら罰ゲームでもする?」

「罰ゲーム? ひどいのはダメだぞ」

「…………そんなことしないでしょ」


 まあ、そういう人間はいないか。


「罰ゲームって具体的に何?」


 罰ゲームをしなさそうなナタリアが聞く。


「…………ただのおまけだから何でもいいけど……じゃあ、一抜けの人が負けた2人に命令するってことにしよう。負けた人は何でもいうことを聞く」


 肩を揉めとかかな?


「…………まあ、それなら」


 なんかナタリアがアリスみたいなしゃべり方になった。


「…………じゃあ、それでやろう」


 俺達はカードゲームをしながらゆっくりと過ごしていった。

 なお、何故かナタリアが急激に弱くなり、次第にアリスまで弱くなった。




 ◆◇◆




 仕事をしていると、ノックの音が聞こえてきた。


「誰だー?」

『私です、私です。ギルマスー、開けてー』


 この耳障りな甘い声はソニアだ。


「開いてるから勝手に入れ」

「はーい。お疲れ様でーす」


 可愛い顔とあざといしゃべり方で冒険者共に人気な女だ。

 ちょっと鼻につくが、それでもウチのエースであり、仕事を完璧にこなす貴重な職員でもある。


「どうした? 何かあったか?」

「冒険者の人達がいなくなったので休憩でーす」


 ソニアはソファーに座り、お茶菓子を食べだす。

 堂々とさぼっているが、まあ、目くじらを立てることでもないし、いつものことなのでスルーだ。


「問題は起きてないか?」

「冒険者の数自体が減っているくらいですかねー? 残っている冒険者は所帯持ちですから真面目です」


 フットワークの軽い連中は北のトレッタの町に行ってるからな。

 残っているのは家族がいる地に足をつけた冒険者ばかりだ。


「仕事は回せているか?」

「ええ。何とかなってます。でも、春には戻ってきてほしいですね」


 王都もセリアほどではないが、冬になると仕事は減る。

 だから仕事が多いトレッタの町に行っているのだが、春になると当然仕事が増えるので戻ってきてもらいたい。

 しかし、春までに復興するのは厳しいだろう。


「人員が足りないか……」


 叔父上に言って、予算を増やしてもらうか……それとも他所からの人員を募集するか……うーん……難しいところだな。


「ユウマさん達に来てもらいましょうよー。すっごい優秀なんでしょ?」

「ダメ。とても忙しいんだ」


 アクサ共和国に行ってるし。


「私、一回も会ったことないんですけど……会わせてくださいよー」

「ダメ。お前に辞められたら困る」


 ケネスが倒れると思う。

 あと、冒険者連中からクレームがすごそうだ。


「いや、辞めませんけど……」

「ユウマ様はダメ。絶対に辞めることになる」


 あの人はそういう人。


「えー……ギルマスは嫉妬深いなー。すでに何人もいるんだから別にいいじゃないですか。むしろ、王都に移住してもらうように頼みますよ?」


 こいつはそうやって男に自分のわがままを通して生きてきたんだろうな。

 そして、こいつはそれができる女だ。

 でも……


「無理だ。お前でも無理。ユウマ様は一言で言えば人じゃないんだ。生まれ持ったものが違う」


 転生者だけど。


「そんなにですかー……そこまで聞くと会ってみたいんですけどねー」

「ダメったらダメ。それよりも例の2人はどうだ?」


 話題を変えよう。


「イルヴァさんとロザリアさんですか?」

「ああ。縁がある2人でな。ユウマ様に気にかけるように言われている」

「それは聞いてますけど……その人間じゃない人は何人集まれば満足なんですかね?」


 多分、上限がないと思う……


「知らん。それでどうだ?」

「優秀な御二人ですよ。イルヴァさんはAランク、ロザリアさんはBランクですよ?」


 どちらもAランクくらいの実力はありそうだったが、ロザリアは冒険者歴が浅いんだろうな。


「アクサ共和国の迷宮冒険者だからな。2人でいけそうか?」

「そりゃそうでしょ。高ランカーですよ? 言い寄る男冒険者も多いようですけどね」


 まあ、誘われても乗らないだろうし、パーティーも組まないだろうな。

 特にロザリアは完全にユウマ様をそういう目で見てたし。

 ユウマ様と比べたらそれはもう……


「止めさせろ。迷惑だろう」

「任せておいてください。ちょっと嫉妬の演技をすればイチコロですよ」


 ソニアがウィンクをする。

 まあ、こいつに任せておけば大丈夫だろう。


「お前、彼氏とかいないのか?」

「私は自分を高く売るんですよー。だからユウマさんを紹介してくださいってば」

「ダメだって……ん?」


 ノックの音が聞こえてきた。


『ギルマス、ちょっとよろしいでしょうか?』


 この声はウチのもう1人のエースであるケネスだ。


「入れ」


 そう答えると、ケネスが部屋に入ってきた。


「失礼します。今、お時間はよろしいでしょうか?」

「休憩中だし、構わん」


 休憩しているのはソニアだけど。


「ちょっと相談がありまして……例のギルマスから気にかけろと言われているイルヴァさんとロザリアさんです」

「何かあったのか?」


 実力的には大丈夫だと思う2人だが、ロザリアの方は魔族であるという爆弾がある。


「2人から相談を受けたのですが、ギルマスが話した方が良いと思い、受付で待ってもらっています。会って頂けますか?」


 魔族のことがバレたって感じではなさそうだが……


「会おう。通してくれ。ソニアは仕事に戻れ」

「はーい」


 ソニアがいくつかのお菓子を取り、立ち上がった。


「では、お呼びします」


 ケネスが頭を下げると、ソニアと共に部屋から出ていく。


「ハァ……」


 ちょっと嫌な予感がするが、聞くのも仕事だ。


お読み頂き、ありがとうございます。

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