第256話 これから
「イルヴァ、ロザリアから聞きにくいから俺が聞いてやるが、お前はこれからどうするんだ?」
「私……そこだな……仲間が半分減った。普通ならパーティー解散だろうな」
「2人でやる気はないのか? 魔族とは組めないか?」
ここがロザリアが聞けないところ。
「魔族はまあ……うーん、変装が上手いからなんとかなると思うんだが……」
イルヴァの言葉にロザリアがちょっと嬉しそうな顔になる。
「厳しいか?」
「2人っていうのがね……せめてもの救いは私が剣士でロザリアがメイジなところだ」
バランスは悪くない。
でも、女2人は厳しいか。
「仲間を入れる気は?」
「そこからスタートかな……ロザリア、それでいいか?」
イルヴァがロザリアに確認する。
「いいんですか? もし、私が魔族とバレたらイルヴァさんも疑われますよ?」
「私は貴族だからなんとかなる。最悪は知らなかったで通す。だからその場合は私を放っておいて、さっさと逃げろ。その後、他国で合流すればいいだろ」
「イルヴァさん……」
ロザリアが嬉しそうな顔でイルヴァを見る。
「問題はこれから仲間を増やすのにどうするかってことだ」
「この町にも冒険者は多くいますが、ここを発つ私達の仲間になってくれるとは思いませんね。王都に戻りますか?」
「うーん……今朝の感動的な別れの後だぞ」
いや、俺は話を聞いた時に一緒に帰れよって思ってた。
それで王都で解散し、再スタートすればいいのにって。
「ちょっと気まずいですね。どうでしょう? 北のライズ王国を目指しては?」
「当初の予定通りか……」
イルヴァはそう言ってたな。
「ユウマさん達に紹介してもらいましょうよ。もしくは、パーティーなり、クランに入れてもらいましょうよ…………イケメンですよ?」
「君、それをずっと言ってるね……まあ、ライズでも仕事はあると思うがな」
仕事か。
「イルヴァ、ロザリア、さっきメレルが言ったが、俺達には転移がある。だからライズのセリアの町、王都、トレッタの町近くまで連れていってやることはできる。とはいえ、セリアの町には仕事がないぞ。今は冬だからな。ライズで仕事をするなら復興中のトレッタだと思う」
リアーヌに頼んでそれくらいはしてやる。
「ふむ……そういえば、君達はそれでこの迷宮都市に来ていたんだったね」
「ああ。とはいえ、俺達も撤退だ。長居するところじゃない」
「それが良いと思うよ。ずっとやめておけばいいのにって思っていたから」
だろうな。
「それでどうする?」
「トレッタはない。あそこは魔族の軍部とやらがめちゃくちゃにした町だろう? そんなところにロザリアを連れていけるか」
さすがに厳しいか。
見つかったら恨みがあるから確実に嬲られて殺される。
「すみません……」
ロザリアがしょぼんとなった。
「こればっかりはな……となると、王都か。まあ、王都も危ないかもしれないが、ライズならそこだろう」
セリアの町は仕事がないからな。
「王都に行ってみますか? ユウマさん達が送ってくださると言っていますし、すぐに働けますよ?」
「そうだな……ユウマ、すまないが、頼んでいいだろうか?」
2人は王都に行くようだ。
「ああ。問題ない」
「ありがとう。君達には世話になってばかりだ」
「助け合いが大事だろう」
人は協力し合うべきなのだ。
『注、女性のみ』
子ギツネ、うるさい。
「ありがとうございます。ユウマさん達はここを撤退するって言ってましたけど、これからどうされるんですか?」
ロザリアが聞いてくる。
「この国の王都にでも行こうかと思っている。俺達もこっちの王都のことを聞きに来たんだよ」
「へー……私も調査をしていましたから知っていますが、やはりイルヴァさんの方が詳しいでしょうね」
王都生まれ王都育ちだからな。
「そうだな。何を聞きたいんだ?」
「まずだが、仕事はあるのか?」
「それはもちろんだよ。ここほどじゃないけど、十分に稼げるはずだ」
まあ、ここ以上だったらイルヴァ達が来ているわけないもんな。
「治安はどうだ?」
「すごく良いよ。それで有名なくらいだ」
それは良いな。
「悪くないか……」
「1つ、忠告をしておくと、アクサ共和国は少し、女性の力が強いよ? 女王制だし、他国よりもずっと女性の社会進出が進んでいるんだ」
へー……
「全然、問題ないですね。対女性なら世界で一番優れているのがマスターです」
「かっこいいですもんね。わかるー」
AIちゃんの言葉に何故かロザリアが同意した。
そして、それを見たメレルがため息をつく。
「まあ、ジーナも散々、悪口を言ってたが、いつも君の話をしていたしね」
やっぱり悪口を言っているか。
「ジーナさん、なんだかんだでユウマさんを気にしていましたよね」
まあ、良くしてもらったのは確かだな。
「王都のことはわかった。それでお前達はいつウチの王都に来る?」
「私達はいつでも。もうジーナにも出ることを伝えてあるし、この町に用はないんだ」
いつでもいいわけか……
「俺達もジーナに一声かけないとな……」
「マスター、転移で帰るとしても宿をチェックアウトし、ちゃんと町から出ないと怪しいですよ」
確かにな。
この町に来たメンツで町を出てから転移するか。
となると、今日はないな。
リアーヌが仕事だからだ。
「イルヴァ、ロザリア、お前達が良いならこれからでも王都に連れていってやるぞ」
「いいのかい? なら頼みたいが……」
「大丈夫だ。とはいえ、町を出て、ちょっと行ったらだ」
「AIちゃんが言うように怪しいからな。それでいい」
じゃあ、そうするか。
「アニー、メレル、宿屋に戻ろう。お前らは先に帰っててくれ」
「了解」
「コタツでゴロゴロしてますか」
俺達は部屋を出ると、1階に下りる。
そして、イルヴァとロザリアがチェックアウトをしたので宿屋を出て、俺達の宿屋に向かった。
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