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最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜  作者: 出雲大吉
第6章

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第246話 ヒントは5章


 俺達は階段を降り、しばらく進んだところでAIちゃんを待つ。

 なお、かなり暗い。


「魔物の気配はないし、洞窟だな」

「というか、何も見えませんね……」


 抱きかかえているリアーヌが辛うじて見えるくらいだ。


「ここが迷宮だったんですよね? でしたら間違いなく、死んでますね、これは」


 やはりメレルもそう思うか。


『マスター、もう大丈夫でーす。一回消して、出してくださーい』

『わかった』


 式神であるAIちゃんと狛ちゃんを消し、護符を投げる。


「式神転移ー」


 AIちゃんのお気楽な声が聞こえたと思ったら灯りが点き、周囲が明るくなった。

 AIちゃんがライトの魔法を使ったのだ。


「便利なキツネですねー……」

「マルチでハイスペックなのです。マスター、私のサーチには何も引っかかりませんが、そちらはどうです?」


 AIちゃんが聞いてくる。


「こっちの探知にも引っかかっていない。やはりここには誰もおらんな」


 なお、迷宮の外には4人いる。


「では、参りましょうか。例のセーフティーエリアまでの道のりは覚えていますので先行して案内します」

「頼む」


 俺達は前に来た時よりも暗い洞窟を歩いていく。


「ユウマさん、私は死んだ迷宮に行ったことありますが、残念ながら間違いなく、ここも死んでますね」

「やはりか?」

「ええ。特徴として、迷宮跡の洞窟は自然にできたものじゃないので不自然なんですよ。まあ、見てわかると思いますが……」


 道もでこぼこしてないし、洞窟の中が綺麗すぎるんだよな……


「お前も探知は使えるだろ? 何か反応はあるか?」

「いいえ。魔物も人もいませんね」


 俺も何も感じない。


「マスター、もうすぐでコアがあったセーフティーエリアに着きます」

「わかった」


 俺達はそのまま歩いていくと、広い部屋に出た。

 しかし、さすがにAIちゃんのライトだけでは暗すぎる。


「リアーヌ、太陽を出してくれ」

「かしこまりました……我の祈りに応じよ!」


 リアーヌは抱えられたまま、どこからともなく、短剣を取り出し、上に掲げた。

 すると、剣が光り出し、光球が現れる。

 その光球は剣から離れ、天井へと浮かび上がっていくと、まばゆいまでの光が周囲を照らし出し、以前、来た時のよりもさらに明るくなった。


「まーた、変わった魔法ですね……いや、魔法というよりも神術ですかね?」

「知らんが、リアーヌは巫女だったんだ」

「へー……まあ、転生者の能力を気にしても仕方がありませんね。それよりも……」


 メレルが前にコアがあった壁を見た。

 何故ならそこには大穴が開いているからだ。


「コアがあったのはあそこだ」

「ですか……」


 俺達はその穴に近づいていく。

 そして、メレルが腰を下ろし、穴をじーっと見る。


「どうだ?」

「間違いないでしょう。わずかながら魔力の残滓がありますし、ここにコアがあった。そして、ご覧のような有様です」


 まあ、誰がどう見てもコアは取られているな。


「そうか……」

「コアを追えるか?」

「無理です。コアはただの魔石ですからね。ただ質と大きさがかなりのものですのでギルドや店に張らせれば見つけることは可能です。おすすめはしませんけど」


 他の者に迷宮の仕組みを教えるつもりはないからな。

 それに変に怪しまれたくないし、余所者の俺達にとったらそこまでのことじゃない。


「昼に来ていた調査員がこの穴を見て、どう思うかだな」

「どうでしょう? 何かあるとは思うでしょうけど、例がこれしかありませんからね」


 今のところは、な……


「メレル、帰るのをもう少し遅らせてくれないか?」

「それは構いませんよ。わんちゃんと寝るのも気持ちいいですし、料理が美味しいですからね。それに恩には報いましょう」


 この前のフォルカーの件と種と料理か。


「頼む。リアーヌ、帰ろう」

「わかりました」


 俺達は確認を終えたのでリアーヌの転移で寮に戻った。

 そして、留守番をしていた5人に確認結果を伝える。


「ふーん……」

「やっぱりかー……」

「…………まあ、そうだろうなとは思ってたけど」

「迷宮がなくなるのは大変だろうね」

「ユウマさん、どうされるんですか?」


 パメラが聞いてくる。


「それを考え中。明日、イルヴァと話すことになってるし、向こうがどう思っているかも聞いてみようと思っている。それと5-1迷宮の地図は売ってしまおうと思っている」

「ユウマさんは5-1迷宮も危ないと思っているんですか?」

「いや、そこはまだ大丈夫だろう。とはいえ、絶対とは言い切れんし、無駄になるのは嫌だから売ってしまう」


 その地図の値段で今後のことを考えよう。


「ユウマさー……あんた、犯人が誰か知ってんの?」


 アニーがジト目で聞いてくる。


「確定ではないがな……」

「私の計算では95パーセントの確率であの人です」


 さすがは人工知能。

 わかっているらしい。


「え? 誰?」

「…………怪しい人、いたっけ?」

「さあ?」


 ナタリアとアリスとリリーが顔を見合わせながら首を傾げた。


「お前らはわからなくて当然だ。俺とAIちゃんが知っているだけだから」


 別に向こうがミスをしたわけでもない。

 偶然だ。


「ふーん……どうすんの?」


 アニーがまたもやジト目で聞いてくる。


「さあな。もうちょっとだけ様子を見る。というか、あまり俺達には関係ないことだしな」

「まあ、誰かが借金まみれにでもならない限り、迷宮都市なんてもう行かないしね」


 アニーがそう言うと、メレルを除く、全員がリリーを見た。


「しゃ、借金なんてしないよー……最近はお金の管理をユウマに任せているし」

「リリーさんの人生は決まったようですね…………囲う男は怖いわー」


 メレルが呆れた顔で俺を見てくる。

 でも、その金の管理はAIちゃんがやっているんだよな。

 俺も今、どれだけの金があるかを把握してないし。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

本日より、本作のコミカライズが連載開始となりました。

ぜひとも読んでいただければと思います(↓にリンク)


よろしくお願いします!

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