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最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜  作者: 出雲大吉
第6章

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240/250

第240話 レイピアの価値


 翌日、朝からリアーヌとパメラが来ており、全員集合なのだが、ナタリアとリリーはいない。

 まあ、例によってメレルの料理修行だ。


 俺達は午前中、カードゲームをしながら過ごし、昼食の芋料理を食べる。

 そして、約束の時間の15分前には準備をし、AIちゃん、リアーヌ、狛ちゃんを連れて、宿屋に転移した。


「ユウマ様、揉め事とかそういうことではないんですよね?」


 リアーヌが聞いてくる。


「それはないな。ただ、ちょっと心に来ることがあるかもしれんが、他人事と流せばいい」

「わかりました」


 リアーヌが頷いたので宿屋を出て、ギルドに向かう。

 すると、一昨日と同じく、俺達以外は誰もいなかった。


「寂しいですねー」

「ウチのギルドもこんなんだったらケネスに全部任せられるんだけどな」


 ケネスには頑張ってほしいねと思いながらジーナのもとに向かう。


「言っておくけど、昼だからだよ。朝は数パーティーいた」


 ジーナが開口一番で言い訳してきた。


「聞こえてたか?」

「チビ共の表情を見ればわかる」


 まあ、呆れてたしな。


「さすがに二日連続、誰もいないのはな……」

「昨日はいたよ。あ、昨日で思い出した。あんた、まーた違う女を連れてたね?」


 ん?


「見てたのか?」

「ああ。仕事終わりに帰る途中、あんたが金髪の女と歩いているのを見た」


 まあ、パメラだな。


「そうか……ちょっと食事に行っただけだな」

「はいはい。あんたはすごいわ。浮気野郎なんて大っ嫌いだけど、そこまでいくと尊敬するよ」


 前世では嫁が12人いたって言ってたらどうなるんだろう?


「家族は何人いたって良いものだ」

「はいはい。すごい、すごい」

「そんなことより、レイピアの件だ」


 雑談もそこそこに本題に入る。


「そうだね。じゃあ、上に行こうか」


 ジーナはそう言って立ち上がると、カウンターを回り、こちらにやってきた。


「上?」

「2階に会議室があるんだよ。聞かれたくないことを相談することもあるし、貸し出しているんだ」


 ふーん……


「そこに客がいるのか?」

「そうだね。こっちだよ。ついておいで」


 ジーナが歩き出したのでついていく。

 そして、階段を昇ると、一番手前の部屋の前に立ち、ジーナがノックした。


「私だ。入るよ」


 ジーナがそう言って扉を開け、中に入っていたので俺達も続く。

 すると、見知った3人の女性がソファーに腰かけていた。

 イルヴァ、シーラ、フェリシアである。

 ロザリアはいない。


「こいつらか……」


 3人の表情は以前のような笑顔ではなく、固い。


「お互い知っているだろうから紹介はしないよ。まあ、座りな」


 ジーナに勧められたので3人の対面にAIちゃんとリアーヌと共に座る。

 そして、ジーナが間に入るように俺達とイルヴァ達の斜め横に座った。


「一昨日ぶりだな」


 イルヴァに声をかける。


「そうだね。君達は順調かい?」


 君達は、ね。

 イルヴァの人間性的に嫌味ではないんだろうが、シーラとフェリシアが伏し目がちになったぞ。


「まあ、順調だな。明日からは5-2迷宮に行こうと思っている」

「そうか……すごいね」


 イルヴァがちらっとジーナを見た。


「さて、挨拶もそこそこに本題に入ろうか。まずだけど、これをユウマに返す」


 ジーナがレイピアを取り出し、俺の前に置く。


「本物です」


 AIちゃんがレイピアを見た後に頷いた。


「確かに」

「入れ替えなんてしないよ」


 ジーナがむっとする。


「わかってるよ。話を続けてくれ」

「このレイピアの額は金貨150枚だ。ただ、それはあくまでもウチが買い取る場合だし、もっと高く売れるところがあるかもしれない。もっと言えば、オークションに出せばさらに高くなるだろう」


 オークションなんてあるんだな。


「わざわざ教えてくれてどうも。教えてくれるとは思わなかったわ」

「ギルドはあくまでも公平だ」

「そうか?」

「個人的なことを言えば、付き合いの長いイルヴァの方に肩入れしたいさ。ましてや、もう一方が女をコレクションする男だし」


 まーた、コレクションって言われた。


「失礼なことを言うな。たまたまこうなっただけで皆、愛する妻だ」

「へへっ……」


 リアーヌが照れる。


「あっそう……とにかく、ウチはあんたのところのギルドと違って公平なんだよ」


 パメラもリアーヌも全然、公平じゃないからな。


「まあ、わかった。このレイピアはオークションとやらに出せばいくらくらいになると思う?」

「その時の状況による。でも、金貨200枚は見込めると思う。ただ、オークションは月に一回だし、先週行われたばかりだから先になるね」


 ふーん……

 まあ、急いでいるわけではないし、どっちでもいいな。


「わかった」

「ここまではいいね? そういうことでこのレイピアは高く売れる。もちろん、あんたのものだし、どうしようと自由だ」

「確認だが、俺のものという認識でいいのか? 遺品だろう?」


 実は結構、気になっていた。


「ああ。迷宮で得たものは迷宮で拾った者のものだ。これは法律で決まっているし、遺族や持ち主だった者のパーティーに相続権は一切、ない」


 それはそれで悲しいな。

 まあ、揉める原因にしかならんし、迷宮で人を集めようと思ったらそうするのが一番なんだろう。


「危険な迷宮に入る者が悪いわけだ」

「そういうこと。だからこのレイピアはあんたのもので間違いない。だけど、今回はこの場を設けさせてもらった」


 そういうこともあるだろうな。


「イルヴァ達がこのレイピアが欲っしているわけだな?」

「そうなる。私は事情を知っていたからあんたにちょっと待ってもらったわけだ」

「ふーん……まあ、俺は構わんよ。しかし、なんでこのレイピアが欲しいんだ?」


 そう聞くと、ジーナがイルヴァを見た。


「それは友人の形見なんだよ」


 イルヴァが口を開く。


「友人ね……仲間か?」

「ああ。昨年、私達は5-1迷宮に挑み、仲間を一人失った。そのレイピアの持ち主だ」


 やっぱりね……


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― 新着の感想 ―
嫁って言い切ったけど、結局そういう事になってたの? 結婚式とか同衾したとか、そんな描写は記憶ないんだけどなぁ……
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