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最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜  作者: 出雲大吉
第6章

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第237話 当たり?


 俺達はロザリアと別れると、ギルドにやってくる。

 夕方だというのに中には俺達以外の冒険者はおらず、閑散としていた。

 大丈夫かなと思いつつ、ジーナのもとに行く。


「なあ……儲かってるのか?」

「とんだ挨拶だね」

「いや、外はあんなに賑わっているのに全然、客がいないからさ。ウチのギルドみたいだぞ」


 今日もパメラは暇にしているだろう。

 何しろ、タマちゃんまでこっちにいるし。


「ウチは上級の迷宮しか扱っていないからね。客は少ないけど、皆、大口なんだ。おっと、自分の女に魔石を落とすあんた以外ね」


 やはり魔石を売らないのは良くないらしい。


「そりゃ悪かったな。でも、今日は当たりっぽいのを宝箱から手に入れたぞ。ひっどいのもあったけどな」

「そんなもんさ。まだ上級は良い方なんだよ? 初級、中級はゴミが出ることも多い」


 迷宮に潜る冒険者の質がそのまま迷宮の質になるからな。

 多分、魔石の方が当たりってことも多いんだろう。


「ハズレと当たりだとどっちが見たい?」

「じゃあ、ハズレからで」


 ジーナがそう言ったのでAIちゃんを見る。

 すると、AIちゃんがカウンターに銅貨を置いた。


「あー……銀貨や金貨ですらないんだね。確かにハズレだ」

「これが宝箱に入ってた。ウチの子がキレてたわ」

「悪意です! 許しません!」


 AIちゃんがぷんぷんと怒っている。


「宝箱から出たのはひどいね。宝箱は良いものが出る確率が高いんだが……これは私でもキレるね」


 命を懸けて潜っているわけだからな。


「これ、買い取ってくれるか?」

「いいけど、銅貨1枚だよ?」


 まあね。


「迷宮から出たからレアだぞ」

「銅貨は銅貨だろ。まあ、逆に縁起が悪いから換えてやるよ」


 ジーナは銅貨を取り、代わりに引き出しから違う銅貨を出した。


「どうも」


 AIちゃんが銅貨を取り、空間魔法でしまう。


「それで当たりは何だい?」


 ジーナが聞いてきたのでまたもやAIちゃんを見る。

 すると、AIちゃんがレイピアをカウンターに置いた。


「金貨100枚はすると思うんですよー」

「そうかい……」


 AIちゃんが嬉しそうに言うと、ジーナが笑みを消し、レイピアを手に取る。

 そして、じーっと見始めた。


「どうした?」

「ちょっと待ってくれ……」

「まあ、それはいいけど……」


 ジーナは鞘から剣を抜き、じーっと見続ける。


「本物か……まさかこれをあんたらが引き当てるとはね」


 ジーナは剣を鞘に納めると、カウンターに置き、ふっと笑った。


「何? 大当たりか?」

「ある意味ね。まずだが、このレイピアの額は金貨150枚になる」


 おー、すげ!


「やりましたよ、マスター! 大金です!」

「まあな。でも、ちょっと待て。ジーナ、何かあるのか?」


 金貨150枚はすごいが、ジーナのリアクションとは釣り合ってない。


「そうだねー……ちょっとこの件は預かってもいいかい? もちろん、あんたらがすぐに金が欲しいって言うなら金貨150枚で買い取るよ」

「複雑っぽいな。トラブルはごめんだぞ」

「そういうのじゃないし、悪いようにはしない。むしろ、あんたらは結果的に儲かると思うよ」


 まあ、ジーナの言葉を信じるか。


「急いで金が欲しいわけではないことは確かだ。だが、どれくらいかかる?」

「明後日以降になると思う。いつでもいいからここに来てくれ」


 明後日なら問題ない。


「どうせ明日は休むし、明後日に来るわ」

「悪いね。それとこのレイピアを預かってもいいかい?」


 あー……なんかわかったわ。


「取りませんよね?」


 AIちゃんが失礼なことを聞く。


「ここをどこだと思っているんだい? そんなことをするわけないだろ。そんなに言うなら保証金として金貨150枚を渡そうか?」


 ギルドが冒険者を騙したら終わりだわな。


「いらん。信用が如何なるものかは十分に理解している」


 信じることが大事。

 そして、裏切った者は絶対に許されない。


「そうかい。じゃあ、明後日にまた来てくれ。時間はいつでもいいよ」

「昼一にくる。待たせるのも悪いからな」

「わかった。頼むよ」

「ああ。じゃあ、今日は帰る」


 俺達はギルドをあとにし、宿屋に向かう。


「何だったのかな?」

「…………さあ?」


 ナタリアとアリスが首を傾げた。


「明後日にはわかることだ。多分、金貨150枚より高く売れる」


 迷宮の仕組みを考えればわかることだ。


「そうなの?」

「…………まあ、高く売れるならいいか。じゃあ、明日、明後日は迷宮に行かない感じ?」


 アリスが聞いてくる。


「ナタリア、それでいいか?」


 休みを決めるのはナタリアの仕事だ。


「うん。明日は絶対に無理だし、一応、明後日も休めれば十分かな?」

「じゃあ、そうしようか。明日、明後日はゆっくり休め」

「う、うん、わかった」


 俺達は宿屋に着くと、階段を上がり、部屋に入った。

 そして、AIちゃんに蜂さん経由でリアーヌを呼んでもらい、転移で寮に戻る。

 すると、料理がすでに用意してあった。


「おかえり! 見て、見て! 私が作ったんですけど、すごくないですか?」


 メレルがテンションマックスで迎えてくれる。


「すごいな。こんな短時間でよく作れるようになったわ」

「まあね!」


 料理はやはり芋料理が中心だが、非常に綺麗にできていた。

 だが、気になるのは料理が6人分しかないこと。


「足りなくないか?」

「私はいらない」

「私もいいかな……」


 メレルとリリーは食べないらしい。


「どうしたんだ?」


 こいつらと共に留守番をしていたアニーに聞いてみる。


「こいつら、一日中料理してたわ。そして、それをずっと食べ続けてたの。もうお腹いっぱいよ。だから私もいらない」


 そういうことね。

 だから3人分がないんだ。


「まあ、俺達は迷宮帰りで腹が減ったから食うわ」

「迷宮ってお腹空くよねー」

「…………迷宮ダイエットの成果だね」


 その分、食べたら意味ないけどな。


 俺達はコタツに入ると、メレルが作ってくれた料理を食べていった。

 美味しいんだけど、芋ばっかりだ……


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
(ノ∀`)アチャー お貴族様か有名どころの遺品ってところか 最後に大当たりにしてババ引いたなw
間女
よその男の恋人が、ハーレム男へ嬉しそうに料理を振る舞う…… スヴェンさんには絶対に知られてはいけないな
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