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第147話 AIちゃん「幸せそうで何より」

予約の日付を間違えて6/18分を6/17に投稿しちゃいました。

すみませんでした。


 イブルの町の門までやってくると、馬車が止まった。

 すると、リアーヌが馬車から降りていったので俺達も一緒に降りる。


「失礼。王家の馬車のようですが、いかがなされたのですか?」


 門番であろう兵士が俺達に声をかけてきた。


「私は王都のギルドマスターのリアーヌだ。知らせもなく訪ねて申し訳ない」

「リ、リアーヌ様!? 一体どうされたのです!?」

「王家の仕事でな。悪いが、フォール伯爵に聞きたいことがあるんだ。もうこんな時間だから明日の昼にでも訪ねると伝えてくれ。たいした話ではないし、過度の礼は不要だ」

「はっ! すぐに伝えます!」


 兵士が敬礼をする。


「それとな、ここに来る道中に橋があるだろう?」

「ええ。ありますね。どうかしましたか?」

「落ちておったぞ。私達は魔法で渡れたが、あれでは商人や旅人が困るだろう」

「え!? ほ、本当ですか!?」


 知らなかったらしい。


「ああ。それは見事に落ちておった。復旧を急いだほうが良い」

「わ、わかりました! 情報提供ありがとうございます!」

「うむ。それと馬車を頼む。私達は適当な宿に泊まる」

「はっ! お任せを!」


 馬車を兵士に任せると、町に入り、歩いていく。

 町は色んな人が歩いているが、セリアの町よりも全体に規模が小さい。


「あ、マスター、エルフですよ!」


 AIちゃんが歩いている人を指差す。

 そこには確かに耳の長いリリーっぽい女性がいた。

 もっとも、少女のリリーより大人であり、指を差されて苦笑いを浮かべている。


「人を指差すなっての」


 俺はAIちゃんを制し、エルフさんに頭を下げる。

 すると、エルフさんは苦笑いを浮かべたまま、去っていった。


「リリーさん以外のエルフを初めて見ましたね! 美人でしたね!」

「そうだな……増やそうとするなよ」


 子供みたいなことをして気を引こうとしただろ。


「えー……」

「えー、じゃねーよ。それにあれは既婚者だ」

「そうなんです?」

「あの落ち着き具合はそう」


 多分。


「マスター、その謎の能力は何ですか……」


 パッと見ればわかるだろ。


 俺達が町の風景を眺めながら歩いていると、リアーヌが立ち止まった。


「ユウマ様、宿はあそこで良いですか?」

「どこでもいいぞ。どうせ帰るわけだし」

「それもそうですね。では、あそこにしましょう」


 俺達は宿屋に入ると、部屋を借り、部屋の中で転移した。

 すると、部屋には昼と同じようにアニーとリリーがおり、ついでにパメラもコタツに入っていた。


「あ、帰ってきた」

「おかえり」

「お邪魔してます」


 3人がそう言うと、リリーがお茶の準備をしだす。

 俺達は靴を脱ぎ、部屋に上がると、コタツに入った。


「タマちゃーん」


 リアーヌがコタツをめくり、コタツの中にいるであろうタマちゃんに声をかける。

 すると、タマちゃんはアニーの足の間で挟まって寝ていたのだが、起き上がり、リアーヌの膝の上に乗った。


「お前は温かいのう……」


 リアーヌがホクホク顔になったので俺とアリスも暖かいアニーの足の上に足を乗せる。


「パメラも仕事が終わったのか?」


 リリーが淹れてくれたお茶を一口飲むと、パメラに声をかけた。


「いえ、今日は休み。暇だから遊びに来た」

「コタツに入りに来ただけでしょ。アリス、もうちょっと上……そう、そこ」


 お前が言うな。


「やっぱり仕事は減ってるか?」

「冒険者の皆さんは完全に冬休みモードに入ったわね」


 まあ、そうかもな。

 西の森に行っても何もいないし。


「休め、休め。休息は大事だぞ」

「そうする。そっちはどうだった?」

「イブルの町に着いたぞ」

「おー! 良かったわねー」


 何もなくて良かったわ。

 橋は落ちてたけど。


「あ、そうだ。AIちゃん」

「はいはーい」


 AIちゃんが空間魔法でしまってくれていたドラゴンの鱗を出してくれた。


「ほれパメラ。拾ったから買い取ってくれ」


 そう言って、パメラの前に置く。


「何これ?」

「ドラゴンの鱗だってさ。落ちてた」

「えー……」


 パメラが鱗を手に取ると、まじまじと見始めた。


「金貨100枚だろ」

「いや、そうなんだけど……これ売れます?」


 パメラがリアーヌに確認する。


「今はやめてほしいな。出所を何て言えばいいかわからんし、変な噂が立ちそうだ」

「ですよねー。ユウマさん、無理」


 無理なんかい……


「アニー、薬の材料にでもなるか?」

「なんない。血か心臓を取ってきて」


 それ、戦闘になってるじゃん。


「飾っとくか」


 パメラから鱗を返してもらい、立ち上がると、部屋の隅っこに飾ってある王様からもらった剣の横に置く。


「うん、映えるな」


 売れないものは飾るに限る。


 鱗を飾り終えると、コタツに戻った。


「ご飯、食べるー? 持ってこようか?」

「頼むわ」


 リリーが聞いてきたから頷くと、リリーが立ち上がって部屋を出ていく。


「お前は手伝わんのか?」

「あんたとアリスとリアーヌが重いから無理。動けない」


 あっ、そう……


「私が手伝ってくるわよ」


 パメラはそう言って立ち上がると、リリーを追っていった。

 そして、しばらくすると、夕食を持ってきたので皆で食べだす。


「そういえば、町でエルフを見たぞ」

「エルフ? 誰だろ?」


 リリーが思案顔になる。


「見かけただけだから名前はわからんな、お前の実家ってイブルの町から近いのか?」

「え? そこそこ近いかな……そこで交易をするからそれ関係かも……わ、私も行ったことあるし」

「近いなら実家に顔を出すか」

「うーん……この前、帰ったしなー。ドラゴンの件が終わったら考える」


 まあ、そっちが先か。


「明日はどうするの? 伯爵様のところ?」


 ナタリアが聞いてくる。


「そうなるな。とはいえ、俺とリアーヌで行ってくるからお前らは休み」


 いても仕方がないし、行きたくもないだろう。


「わかった。じゃあ、ここで待ってる」

「私も! 暇だし、暖かい!」


 たまり場になってるなー……

 ナタリアの本とかアニーの調合器具なんかがその辺に置いてあるし……


書籍を購入してくださった方、ありがとうございます。

また、地域によっては本日発売のところも多いと思いますので是非ともご購入頂けると幸いです。


これからも変わらずに投稿をしていきますので引き続き、よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言]  リアーヌの膝の上に乗るタマちゃん、猫と言えばおばあちゃんの膝の上!タマちゃんは実年齢を嗅ぎ取ってるのかな?
[一言] ユウマさんのお嫁さんレーダー若干気持ち悪いw
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