表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

再生する結界

 城からは、長方形の石盤が飛び立つのが見えた。石盤が徐々に近づいてくると、それは大理石のテーブルであることが分かった。付属の椅子には、4人の人物が座っている。


 全員日本人だ。


「天野峻岳さんに、リン・クラハースさんですね? お座りください。私はヴィアク・ルーセル。こちらであなた方の動きは捕捉していました。どうか、東京奪還に力を貸してください」


 リーダーらしき女性が頼み込んできた。見た目は日本人だが、ヴィアクというのか。日系魔術師なのだろう。もうこちらの身元は割れていたか。


「もちろん協力します。ですが、こんな海上に城を建てて、どうするんです? 早く攻め込んだ方がいいかと……」


 俺は空飛ぶ椅子に座りつつ、問いかける。


「バゼルの張った結界で、東京に上陸できないのです。仕方なく東京湾上に、私の城塞魔法で拠点を作りました。ここで砲台を作り、結界を破壊するつもりです」


「それなら無理ですね」


 俺はきっぱりと断言する。こういうのは先に言っといたほうが良いだろう。


「なぜそう言えるのです?」


「さっきから15回は結界を破っていますが、すぐに再生してしまします」


「な……あの結界を破るほどの魔法を15連射も? 詠唱がありませんでしたが」


 ヴィアクは驚いている。一方リンは、自分が褒められたわけでもないのに嬉しそうだ。


「詠唱、予備動作、儀式なしでの早撃ちが、私の得意分野ですので」


 ヴィアクは感心したようにため息をついた。


「さすが、【神速速射】の異名は伊達じゃありませんね」


「まぁ、自分で名乗っているわけではありませんが」


「ですが困りましたね。一度破ってもすぐに再生する結界を攻略できるだけの魔法など、思い当たりません」


 確かにそうだ。俺の早撃ちで対処できる範疇を超えている。


 だが、策はある。


「私の分身が結界内にいます。内と外で同時攻撃すれば、破れるかもしれません。少なくとも、精鋭を何人か侵入させるくらいの隙は作れるはずです」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ