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空を飛ぶ

ワンシーン小説700字

空を飛びたいんだ。

ただただ、そう思う。


きっと出来るはずだ。何でもそうさ。

想像すれば出来るはずだから。


出来るはず、


出来るはず、出来るはず、出来るはず、出来るはず、


出来…………ほら。


ほら軽くなってきた。力を抜いても立ってられる。

思いきって全部抜くよ。怖いけどやってみるよ。


おっと。


お尻が落っこちてひやっとした。

けど、途中で止まったでしょ。痛くもないし。


もう足は地面から離れてる。空気に座ってるようさ。

浮いてるって不思議な感覚だね。

何も支えが無いんだ。全身が何かに包まれてるみたい。


ん、でも、立った姿に戻るのが分からない。

まあいいや、尻もちついたような格好だけど、

とりあえずそのまま浮き上がっていこうか。



建物が下へ下へと流れていく。

ぼくがその高さを追い越していく。

空が広がっていく。世界が広がっていく。

広がった世界を遠くまで見渡せる。


今度はあの大きなビルと競争だ。いや、

それよりも、この空があまりにも大きい。

遮るものが何もない。それが気持ちいい。


地上はどうだろ。

とんでもなく離れてるじゃないか。

さすがにひるんじゃった。足もすくんで、

でもそれはそれだけのこと。

落ちることはないって確信ある。


ぼくは今、ぼくの意思で飛んるんだ。

出来るって知ってる。証明しようか。

ほら止まれる。


もう体勢も自在。

立つ、と言っても足で立つわけじゃないから、

足はほら、あそんでる。

うつ伏せはまだ怖いから立ったままで、


行こう。


加速。

はばむものが何もない空を行こう。

みんなが知らない、遠くへ行こう。

流れる地上の景色を、観ながら行こう。


飛んでる。自由に飛べる。急に曲がったっていい。

宙返りも、やっぱり出来た。


行こう。

ぼくだけの空を行こう。

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