表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/68

眠れない夜なら

小説風の散文詩

せっかく眠れないのだからと、僕は外に出る。

この町に一つのコンビニへと向かって歩いて行くのだが、醤油が切れたとか小腹が空いたとかそういうわけではなく、何も考えてはいない。ただ夜が好きなのだ。暗くて静かな夜が。


冬の夜はとくに静かだ。吸いこむ息が冷たくて美味い。それを吐いた白い息を追いかけて、僕は空を見上げる。

この町の夜空は、広いのはいいが星が少なくて味気ない、じつに凡庸な空だ。

星座を探さなくていい分、何も考えずに眺めてられるから、今はかえってよいのだろう。


こうして空を見ながら静かな夜を歩いていると、この広い夜空を一人占めしているような気になる。なんだか気持ちが大きくなれる。夜は何かから僕を解放するかのようだ。


ぽつんと明るいコンビニの横をそのまま通りすぎて、訳もなく歩いて行く。

何も求めず、何も追いかけず。


このままずっと夜ならいいと思うころに、エンジン音がとばりを裂いて、白いライトが走り去る。新聞屋のバイクが動き出したのなら、この夜はもう仕舞いだ。

眩しく騒がしい日が、夜と僕を追いやるだろう。

次は小説です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ