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のら猫
小説500字
スーパー猫の日、出遅れ作品
夜、誰もいない公園のベンチに腰を下ろし、熱い缶コーヒーをすする。
ビニール袋から肉まんを取りだして、その熱さに冷えた手を馴染ませる。
そこへ寄ってきたのは一匹の、のら猫だった。
のら猫はぼくの目の前で腰をおろし、大きな黒い瞳でぼくを見た。
ひどく痩せていて、毛並みが荒れていた。体に傷も見えた。
お前はいったいなんでこんな所にいるんだ。
一人でいったい何をしているんだ。
そんなに痩せっぽっちで、寒くないのか。
あったかい、帰る家がないのか。
まあそれも気楽でいいな。
でも寂しいだろきっと。
思い出したのは、前に誰かに言われた事。のら猫にエサをやってはいけない。エサをやるならちゃんと責任を持って飼う覚悟をしろって。
もっともなことだ。そんなの優しさでもなんでもない。世間からしたら迷惑なことだ。そうそう。分かってるよ。それはとても、
迷惑なことだ。
そうとも。分かってる。
ぼくは肉まんをベンチに置いて、立ち上がり、誰もいない公園を後にした。
缶コーヒーを飲み込むと、胸の奥が温かい。ぼくはゆっくりと、夜空に白い息を吐いた。




