散策とお店
翌日、街を散策し情報収集に伺うことにした。
朝起きて母に今日は街へ散歩に行きたい旨を伝えたが
「あの子(羊(仮))たちの餌やりと掃除とだけやっていって頂戴ー
あと夕飯前には戻ってくるのよ〜」
畜産は生き物を相手にするため休みなしと聞いたことがある。
ふと24時間、366日稼働の病院を思い出す。
みんなで勤務を繋ぎ休みなく働いていた。
命を担い休みがないという点で親近感を覚える。
家には祖父母と母と私しかいなかったため、子供だろうと手伝いをしなければいけなさそうだった。
昼前には作業が終わり街へ散策へ行く
郊外付近にある家から街を見下ろせる広場を通り港へ抜ける。
港付近にはレストラン、魚屋、八百屋、酒屋などさまざまな店が立ち並んでいる。
大いに賑わっておりここが街の中心であることがわかる。
積載船が停泊しており木箱で荷物を搬出している様子だった。
街と港に面している内海は山に囲まれており波がほとんどない様子だ。
港付近レンガ造の店の中に薄い木箱、紙箱が積み上がった店があった
看板がかかっていたが文字は読めない。未就学児っぽいしそこはしょうがないだろう。
なんとなく気にかかりドアをノックした。
「はーい、開いてるよー」
どこか聞き覚えのある声がした。
ドアを開けて先程の聞き覚えの理由がわかった。
「あ、アレク!今日はこっちに来たんだ!おはよう!」
パアッと花が咲くように出迎えてくれたのは昨日遊んでいたラノだった。