第一話 転生であってほしい
俺は転生したかもしれない。なぜなら事故に遭ったから。ただその事故は、運がいいのか悪いのかわからないものであって、遮断機が降りてきたから前で待っていたら後ろから車にどつかれたのだ。ゴキゴキ‼バキバキ‼という爽快な音とともに体が宙を舞い、今度は電車にどつかれたのだ。
ここからが運のいいところかも知れない。目を開けたら体がふわふわ浮いていたのだ!だから、おっこれ来たんじゃね?もしかしたら転○ラみたいにスライムになって無双したり魔力∞みたいになって魔法打ち放題!とかできるんじゃね?とか思いながらしゃいでいたらはしゃいでいたら、辺りがもの凄い光に包まれて、目を覚ました。
でも、絶望した。天井は、真っ白。誰が見ても分かる、ザ!病院という白さ。夢だっっったーーー!恥ずかしさで悶え死にそうになったそのとき、
「あ、起きた」
そんな声が聞こえた。
この声は!一見不愛想にみえるが感情もちゃんとあって可愛い。しかも時折見せる笑顔が一段と可愛いそして黒髪セミロングの俺の幼馴染で、俺のハートを射止めた女の子、内八重美琴〈うちやえ みこと〉じゃないか!
そっか、すっかり忘れていた。転生したらこの声は聴けなくなるじゃないか!そう思いながら目を声のした方へ向けると、そこにいたのは…あいつじゃ…なかった。
「お、お前誰だ?」