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中学校の英文法

ラクーが大好きなハウツー本があります。


★ 「英語だいすき」

   著 川島幸希  出版 新潮社  1200円+消費税


帰国子女でもない、ハーフでもない、ポケモ〇好きの日本で暮らす日本の女の子が、小学校の5年生で高校卒業相当のレベルである「英検2級」に合格した話です。


この子は学歴の高い両親に育てられたので、幼稚園の時に百人一首を覚えさせられています。

親としたら、まずは日本語の持つ音や情感をインプットしたかったんでしょうね。

小学校の一年生になった時、この子は冬生まれなので、新年1月17日の誕生日から英語教師のお父さんの実験台になりました。(笑)


実験台とはいっても、このお父さんは心優しい子ども思いの人なので、我が子の面白いもの好きでシール好きの性格をよく見極めていました。

子どもの性格に合った教材を探し回って購入しているのです。


教師をやって大勢の子ども達を見ていると、好きこそものの上手なれということわざを痛感します。

子どもがその教科を好きだと思った途端に、みるみる学力が伸びていくのです。

ラクーの教え子にも「算数が一番嫌い!」と言っていた子が、算数好きになり、国立大学の数学科に行った子がいました。

そのため教師だったこのお父さんは、英語を始める時の「導入」の楽しさに心を配っていました。


余談ですが、ラクーもこのお父さんにならって、恐竜好きのハシルンに「恐竜漢字ドリル」や「恐竜のおはなしドリル」(読解力養成用)を買いました。。



今回ラクーは、中二の英文法の繰り返し書いて覚えるタイプの問題集を買いました。

中二の子は自学自習用には使えません。解説が少なくて、一人ではなぜ間違えたのか判断できないからです。英語で80点以上取れる中三の受験生以上の人か、そばに専門家がついて〇つけをしてくれる学習者向きの問題集です。


★ 「英文法パターンドリル 中学2年生」

   著 杉山一志  出版 文英堂  昔からあるシグマベストシリーズです。


ラクーはなぜ「中学校の二年生の英文法」から、今回の勉強を始めたのでしょう?


答えは、前出の本の主人公であるサエちゃんが、自学自習用の通信教育をお父さんに勧められた時に、中二のコースから始めていたからです。

この時、サエちゃんは難関大学の試験問題をスラスラと解く力がありました。

お父さんは高校二年生のコースを受けさせようと考えていたんですが、サエちゃんの意見は違ったのです。


「英語は復習が大事でしょ!」


至言です。



中二の英語には、日本人が(つまづ)くポイントがたっぷりと詰まっているのです!

中二の英語の成績で人生初の2を取ってしまったラクーにはそのことがよくわかります。そして、塾講師をしていた経験からも、サエちゃんの選択は慧眼(けいがん)と言わざるを得ません。


例えば、中一の「名詞」を学校で習う時、授業時間の関係上「ものや人名、地名なんかだよ~」とさらっと流されます。それに英文法が悪だと思っている教師からは、名詞という言葉自体も教えてもらえません。

しかし大人の日本人が冠詞(a,theなど)を苦手としているのは、ここからきているのです。

可算名詞(数えられる名詞、dog,penなど)と不可算名詞(数えられない名詞、water,coffeeなど)の区別が曖昧なまま、中二になるのです。


液体なんかは、a cup of ~ とかで、ひとまとまりに数えると習います。

思い出してきましたか?


けれど fish(魚)にしてもcake(ケーキ)にしても、不可算名詞のはずなのに、場合によっては冠詞のaが付いたり、複数形のsが付いたりするのです。

英語を習い始めたばかりの子どもは混乱しますよね。


二つ前の回で紹介した、大西先生の話すための英文法の本では、名詞の説明に100ページも使っています。

「この使い分けの感覚がすぐにわかるようになったら、君はネイティブに近づいてるよ」そう書かれています。ラクーも大人になってから、松本先生の「書く英語」でこの辺りを復習し直しました。そのネイティブの考え方は、目から鱗でしたね。


一つの例をとってもそんな具合です。

それに中二で習う英文は、どちらかというと中三で習うS(主語)V(動詞)O(目的語)C(補語)などの5文型をやってからの方が混乱しないのです。

ラクーは文型がごっちゃになっている比較級などで、違和感を感じてしまい、どうしても受け入れられませんでした。be動詞文や他動詞の文がまとめて出てくると、比較修飾語の位置がコロコロ変わるので、どうしていいのかわからなかったのです。

この世に存在する英文をすべて暗記しなければならないのだろうか?!と愕然としたことを覚えています。

ラクーの自堕落な性格では、とてもじゃないけれど、英語には付き合い切れないと思ってしまいました。


そして大西先生の本を読んでいなかった頃は、助動詞の気持ちもわかりませんでした。

willは本当は強い意志を秘めた単語なのに、「(いずれこれから)~だろう」なんていう日本語訳を習っていたため、遠い漠然とした未来を指すものだと思っていたのです。

でも映画でシュワちゃんが言った「I'll be back」が有名になりましたが、あのwillには必ず戻ってくるぜっ!という強い意志が秘められていたのです。



中二で習う英文法です。

過去進行形、助動詞、命令文、There構文、不定詞、動名詞、比較、疑問詞


ほら、そうそうたる面々でしょ?

中二は英語学習の鬼門なんですよ。


ここに至るまでに、単語のスペルは完璧にして、三単現のSなんか軽い軽い、主格・所有格・目的格や不規則動詞の変化もバッチリだよってな具合になっていないと、とても中二の波を乗りこなせません。

ラクーはすべてがあやふやなままでした。復習量が全く足りていなかったのです。


そんなガタガタの土台で「to不定詞と動詞のing形は、動詞によって使えるものと使えないものがあります。どちらも使える動詞もあります」なんてことを習った日には、頭がパンクすること請け合いです。


ラクーも大人になって、大西先生たちの本を読み、「toには『これから起こることへの方向性がある』動詞のing形には『躍動しているようなネイティブの感性が入っている』だから、主文に使われている動詞の意味によっては不定詞や動名詞の相性があるんだよ」と言われて、初めて納得したのです。


そして「世界一やさしい授業」の関先生が「ネイティブの死生観が現在完了形に反映している」と言われていて、これにも目を開かされたのです。

大西先生が「完了形は向こうから今現在のところまで向かってくる感覚」と言われたことと併せて、初めて完了形の真髄をつかんだのでした。


そう、現在完了形は中三の英文法です。

ネイティブが会話に多用する完了形。しかし日本語にはない表現なので、日本人はいまいちよく分かっていません。「have+過去分詞」なんかでは、完了形は理解できないのです。


(* ̄▽ ̄)フフフッ♪

中学校の英文法が、いかに大切なことなのかわかって頂けましたか?


これから始まる小学校の英語教育、ゲームや歌で楽しいのはいいのですが、本当は中学校で詰め込み過ぎている部分を、もっと負担した方が子どもにとっては楽なんですよね~

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