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熟語の壁と世界観をつかむまで

キクジュクは基本動詞の熟語から始まりました。

俗に言う「句動詞」です。


これは昔々ラクーも大事なポイントだと思ったので、句動詞に絞った問題集を買ったりしていました。

けれど覚えきれず、途中で投げ出していたのです。


今回はなんとか最後まで習得したいな。


動詞は「go」と「come」から始まりました。


そう、会話などで必要な熟語は、ほとんどが英語を最初に習い始めた頃の基本動詞といっても過言ではありません。

行き詰ったら中学校の英語に返れとよく言われるのは、こういう事情もあるのです。


haveやmakeを自在に使いこなせるようになったら、あなたはもうネイティブの世界に足を踏み入れています。

裏を返せば、それほど難しいということですが。



「go」「come」「take」ときて「bring」をやり始めた時に「おやぁ?」と思いました。

bring about A ・・・Aを引き起こす


「ん? どっかで聞いたな」


後戻りして確認してみると、「come about ・・・起こる」と書いてあります。


でも「起こす」と「起る」で、微妙にニュアンスが違うんだなと思ったのです。

この時は例文を書いて覚えました。


ところがその後、「give」「set」を見て、呆れかえりました。


give rise to A ・・・Aを引き起こす

set off A ・・・Aを引き起こす


いったい外人は何を考えているんでしょう?!

Aをいくつ引き起こしたら満足するんでしょうか?!


まさかすべての動詞に「Aを引き起こす」力があるんじゃないだろうな??


皆さんに言っておきますが、こういう風にどーでもいいことにこだわって、先へ進めないのはバカのやることです。細かいことにはこだわらず、丸暗記して先へ進めとよくハウツー本に書いてあります。


しかしラクーは魔女ですし、こういう細かいところが気になってしまうのです。



これ以外にも「see to A」「look after A」「look out A」がみいんな「Aの世話をする」でした。

中学校の時に「take care of ・・・の世話をする」と呪文のように覚えさせられたのはなんだったんでしょうか? 通信簿2のラクーでも覚えている熟語ですから、日本国中の人が「世話をする」と言ったらこの熟語を思い浮かべると思います。


こんな風に日本語訳が同じになるものが他にもたくさんあるんです。


ラクーの頭は絶賛混乱中になりました。



その上、コーパス君の投野先生の本を読んでみると、例えば「get down」という一つの熟語に3つの意味があるのです。

⒈ 仕事にとりかかる

⒉ ひざまずく

⒊ そこから降りて


2と3は、動詞や副詞の意味から、なんとなく理解できる意味です。でも1の仕事にとりかかるというのは、想像がつかない。

本では仕事机の椅子に座ろうとしている若者がイラストで描かれているので覚えやすくなっていますが、この絵を忘れたら困ります。

そして、他の本を見ている時に「get down ・・・書き留める」と書いてありました。(笑)


いったいいくつ意味をつくるんだぁーーーー!!


ラクーは英米人に文句を言いたくなりました。



こんな時でしたので、「一億人の英文法」をゲットした時には、即座に熟語の箇所を確認しました。


「基本動詞を使った熟語は、会話に頻出するので苦労しますが、見かけた時に覚えていくしかありません」


いくつかのわかりやすいフレーズの説明はありましたが、大西先生をもってしても、こう言わざるを得ない。それが熟語というものなんだ……



ラクーは悟りの境地に達しました。

それで問題を棚上げすることにしたのです。


この問題の棚上げは、仕事をする上で必要なスキルです。

行き詰ったらちょっと置いておく。心の奥底は問題解決の糸口を求めているので、ぼ~とテレビを観ている時や、本を読んでいる時、買い物をしたりしている時などに、ふっと糸口が見えてくることがあるのです。


テレビで研究開発をしている人たちの苦労話を聞いていると、たいてい同じようなことを言われています。



まずは「英文法」の方からやるか。


ラクーは勉強に疲れた時や寝る前などに、ベッドに転んで大西・マクベイ流の視点の変わった文法世界を楽しむことにしました。


ところが読み進めるうちに、自分の中の何かが変革を起こしたのです。

大西先生が何度も繰り返します。


「英語は配置の言葉」

「選んだ単語や前置詞には、ネイティブの気持ちが乗っている」


( ,,`・ω・´)ンンン?

ベッドに起き上がり、本をひっしとつかんだラクーの目の前には、あの大西先生独特の「動詞の気持ち」を表す絵があったのです。


takeは、目の前のものをひょいと手に取る感じ。

putは、何かをどこかにポンと置く感じ。


これだっ!!



日本語訳が同じでも、使われている動詞や前置詞によって、ネイティブはニュアンスを替えているんです。



see to ・・・未来に向かって、見てあげている感じ?

look after ・・・相手の後を追いかけ続けて面倒を見る感じ?

look out ・・・注意して見てあげている感じ?


こうやってわかってみるとあたりまえのことなんですが、「話す側」の立場に立った「英文法」を読んで、ラクーはやっと得心したのでした。


ま、何んとなくの世界観がわかっただけで、熟語が覚えられたり使えたりするわけではないんですけどね。

(^_^;)

しかし五里霧中の状態から抜け出せたことだけは確かです。

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