初投稿者の気持ち、小説家になろう……何これ、怖すぎなんですけど
これから初めて小説を投稿する人がいる、そんな人達と気持ちを共有しようかと思って書いてみます、傷の舐めあいなのである。
小説を書き始めるきっかけは人それぞれ、いろんなパターンがあると思います。
自分の場合ですが、昔インターネットの掲示板で、アスキーアートを多用したギャグ系のテキストを投稿していた事がありました。
それをある時、『漫画にしてみようか』などというおかしな考えを持ってしまい、パソコンの奥から久しぶりにそのテキストを引っ張り出して読んでみたのです。
その小説にもなっていない酷いテキストに、今ならもう少しマトモな文章を書けるのではないのだろうか、と思ってしまったのが運の尽き。
気が付いたらパソコンのメモ帳を開いて文章を打っていました。
あまりにも突然な行動だった為に、とりあえず異世界が舞台で主人公が少年。
これだけでいきなり書き始めたものだから、これが後に失敗になるのは当たり前の話だったのです。
アホな事に、気が付いたら十日間で十万文字を超えていました。
最初こそ『ちょっと書いてみようか』でしたが、途中から『投稿してみようか』に変化、誰でも書いたものは人目に晒したいものです。
〝小説家になろう〟は何作か読んでいて知っていたので、投稿先はここに決定。
さて、ここで問題の投稿となりました、本題なのです。
まずは投稿、といっても初めてなので、何をどうすればいいのかがさっぱりわからない。
投稿に関しての心構えみたいなものはあるのだろうか。
とりあえずなろうでの投稿に関しての事柄をネットであれこれ検索すると、恐ろしい内容が飛び込んできます。
読まれない――読まれない――圧倒的に読まれない――!
脅されまくりました、これは怖い。
そこは数多くの戦士達が散っていった、戦場なんじゃないだろうか!
評価だなんだ以前に〝読まれない〟というのは厳しすぎる、なんだこれは。
検索すればするほど恐ろしくなって一旦投稿はやめにしました。
まずネットにある、ブラウザバックされない為に、自分の作品を見直せというアドバイスに従って推敲してみます。
……だの、――だのを直す所から始めたのですが、そこからして初心者丸出しです。
見事に・・・を使っていたし、―(ダッシュ)に至っては─(罫線)。
罫線なら┬こんな技も使えますが、小説で何に使っていいのかサッパリなので罫線とはお別れになります。
更には『!』や『?』の後のスペース空け、これを直した後で『。』の後にも空白が必要なのかと勘違いして、盛大な修正祭りでワッショイもしました。
人称問題。
一人称で書くか、三人称で書くか、これは自分の表現に合っている書き方を選べばいいでしょう。
自分は、主人公が心の中でバンバンつっこみを入れる作風にしたかったので一人称を選びました。
プロローグの件。
プロローグはいらないという意見がありました。
確かに自分も人様の作品を読もうかと思った際に、プロローグをすっ飛ばす事がありますね。
プロローグ的に書き上げていた、主人公が異世界に飛ばされる時の、要らないどたばた部分をバッサリ削除して半分にしてみました。
ブラウザバックされやすい部分なので全部削除したいけど、これ以上の削除はできず。
散りばめられた内容を本編で小ネタにしたいから始末に負えない。
小脇に爆弾を抱えて突入(投稿)するハメになってしまったわけです。
次に、自作品の存在をアピールして、とにかく見てもらう為にはどうすればいいのでしょうか。
小説家になろうでは、人気のあるジャンルが圧倒的に偏っているという点について考えてみます。
ネットでいろいろ見ると、ざっくりと以下のような作品がなろうでは人気らしいとわかりました。
異世界もので、転生/転移主人公もしくは現地主人公。
最初から最強で敵を粉砕したり、強力なチート能力を持っていたり。
もしくは一見使えなさそうな能力だけど実はスゲー! という長年人気のある主人公キャラ。
他には仲間から追放されたら元の仲間落ちぶれてちゃって、俺のお陰だったのにざまぁ! みたいなやつ。
それと恋愛もの。
悪役令嬢ってなんだ?
自分もそういうのが好きでよく読んでいましたし、確かに面白い要素なので人気も出るわけですね。
しかし、これらに関しては自分の作品は当てはまる要素が無いので、どうしようもないわけです。
最初に物語の舞台を考えた時、自分もそれが好きなので異世界ものを書きたいと思いました。
その点は世間様(小説家になろうでの)とのズレはなさそうです。
主人公はやっぱりTS男の娘だよね! ここで世間様と大いにズレが生じました。予想外です。
しかも最強でもなければチート能力も無い、主人公含めヒロインその他のキャラ全てポンコツときてる。
文字数が少ない人は、まだ人気要素を入れる修正が可能かも知れませんが、自分は十万文字も書いてるので完全に後の祭りなのでした。
箱の蓋を開けて、何も見なかった事にしてそのまま閉めるので精一杯。
だが、まだ遅くは無いのです。
主軸とズレていたって、流行から外れていたって何とかできるかも知れない、それがタイトルとあらすじみたいなのです。
閉じた箱を、商品をわかりやすく綺麗にラッピングすればいいのです。
タイトルが全ての鍵だという事で、必死に考えてみます。
――タイトルには主人公が何者でどこで何を成すのかイッパツでわかるようにせよ――
――あらすじはタイトルの補完。興味を引かせるような売りの部分を初っ端から示せ――
物語の根幹を揺るがすような、伏せておく必要がある物語の進行に関わる重要な物以外の謎に関しては、タイトルやあらすじでバンバンネタバレしていこう、という事らしいですよ。
ただ、これに関しても自分ではお手上げなのでした。
タイトルもあらすじも興味を引けそうなものが全く浮かばないのです。
当初付けてたのが『○○ですけど……何ですかこれ?』みたいなタイトル。
読者にいきなり疑問符ぶつけてましたよ、読者からしたら俺に聞かれても知らんがな、ですよね。
本当に悩みに悩みまくった結果、タイトルもあらすじもお手上げ! となりました。
このタイトルとあらすじに三~四ヵ月も悩んでしまいましたよ、その結果のお手上げです。本当にお手上げです。
まあ、もうどうしようもないのです。
読んでもらえそうな要素があんまり無くても、書きたいものを書いたのでいいじゃないか、それが一番重要なのですよ。
『やっちまったものはしょうがない』というやつですね。開き直りだけど、このふてぶてしさは初投稿で一番重要なものかも知れないのです。
これから戦いに出て散っていくわけですが、同じ時期に初投稿する人達がいると思うと本当に心強いのです。
一人で戦場に行くのは心細いものなのです。
その人達の中にも、悩んだり不安を感じてる人がいるかも知れないので、皆同じ気持ちだから安心して欲しい、という意味合いもあってこれを書きました。
さあ一緒に散ろう! じゃなかった散り様を見ててくれ! なのです。
もしこれから先、初投稿しようと思う人がたまたま偶然この文を見つけたなら安心して欲しいのです。
あなたと同時期に初投稿で共に戦場に赴く仲間がいるのです。