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産気づく
久々すぎる太陽にちょっと目がくらむ。
「俺、太陽の光でふらつくぐらい疲れてんのかよ・・・」
そう独り言をつぶやくレベルで疲れているらしい。
病院の最寄り駅へと歩いていると、人がうずくまっているのが見えた。
「・・・・・・・・・・」
おいおい、病院の外でも一番始めに出会うのは病人かよ。
そう思いながらも俺は声をかけた。
「・・・大丈夫ですか」
そう声をかけた途端に、その女性は呻きながら倒れた・・・。
「・・・・破水してる・・!?」
なんと女性は妊婦だった!
「・・・・う、産まれる・・・」
本人が言ったとおり、もうほんとに産まれるぞこれ。
俺が救急車を呼ぼうとスマホに手をかけると、女性は俺の手を掴んだ。
「・・・お金がないの・・・。病院、行ってない・・・」
・・・・おいおい。でも今はそんなこと関係ない。俺は手を振り切って救急車を呼んだ。