077.姫
実践訓練を終了した僕たちには、魔法騎士団という新たな役職と騎士団宿舎が貸し与えられた。僕たちの当面の役割は魔法によるダンジョン内の魔物の掃討だ。
そしていよいよ、全員でこの部屋を出て行く日を迎えた。
「やっとこの日が来たな。」
タクミが嬉しそうに呟いた。
「油断しちゃ駄目。まだこれからよ。」
アユミが戒めの言葉を紡ぐ。
「みんな分かっているし、今日くらい固いこと言わなくていいし。」
レイナが気だるげに言う。
「早く外の空気が吸いたいよな。外で思いっきり走り回りたい!」
マッサンが元気に話す。
「勇者としての責務もあるんだ。妙な行動だけはしないでくれ。」
モーちゃんが苦言を呈する。
「僕たちはやっと最初の部屋を出られるところまできたけど、これは終わりではなく始まりだ。これから更に大変なことが待っていると思うけど、ここでの生活で僕たちの結束は高まった。みんなでならきっと乗り越えられるさ。」
大扉が開き、迎えが現れた。
とても美しい、女神もかくやという可憐なお姫様が僕たちに向かって挨拶をする。
『勇者様方、お待たせいたしました。それではこれより皆様を案内させていただきます。』
僕たちの異世界生活はやっとこれから始まろうとしている。
とりあえず女神も姫も出てきたのでこれで完結にします。