3 旅人ですが能力を検証します
#3
あっ、なにこれ! ベッドが浮いてる!
とんでるー! とんでるー! とんでれら!
キャラ作成が終わったと思ったら、いきなり絵の中に吸い込まれてしまったのです。ころころすっとんベッドごと。
キャラ絵のタブレットが大きくなって――いや、ベッドが小さくなって?――そのまま強行突入。
ゲームの表現がいちいち大げさというか、このパターンは珍しいかも。
絵の中は深い森の中。空飛ぶベッドは、薄暗い木々の間を抜けて高度を上げる。鬱蒼と茂る林冠をバサッと突き抜け、まばゆい青空へ向けてぐんぐん昇っていく。
私はベッドで空を飛びながら、自分のことを調べてみる。
ステータスオープンなのです!
【マイ・キャラクター】
◆アバター:名前を入れてください
レベル:1
種族:ハネ族 職業:旅人 年齢:8 性別:♀
HP:470/470
MP:275/275
身体:《筋力F》《耐久F》《感覚D》《反応A》《知力F》《精神AAA》
技能:《祝福D》《飛行F》《風纏F》
権能:《樹界語A》
生活:《念話》《収納術》《社交術》《擬宝術》《行商術》
称号:〔星の祈り〕
◆アイテム:4% 所持金:50J
装備:〈素手〉〈ハネ族の服〉
収納:〈宝石の袋〉
◆メインアーム:〈素手〉
アトリビュート1:《祝福=勝負必勝》
コモンスロット2:
コモンスロット3:
コモンスロット4:
コモンスロット5:
コモンスロット6:
……なんかF多くない? 身体能力、Fばっかりなのです。
《祝福》をえらんだだけなのに。
やりなおしを要求するのです。
あっ、キャラの名前もきめないとなのです。
ああー。あたまきゅんきゅんするー。
……んん?
そういえばえらんでない技能がふえてるし。なんで勝手にふえてるんだろう。飛行? 風? なんかミスった?
樹界語スキルっていうのもふえてる。いや権能ってあるし権能か。いやいや権能とはいったい……
念話とか収納術はゲームの基本セットかな? あとは擬宝術は……なに?
ゲーム・システムはあまりみてなかったので、微妙にキャラクリしっぱいしたかも。キャラのルックスはかんぺきなのに。
増えた技能は説明文によると、空を飛ぶスキルと、風を操るスキルの二つ。どちらもハネ族種族スキルと書いてある。
――飛行スキル
飛行スキルって技能一覧にあったかな? あったら最初に選んだと思う。初めて見た気がするんだけど……?
ちなみにどうでもいい情報だけど、「好きな超能力が貰えるなら何が欲しい?」という話で「飛行能力」と即答するのが私のお母様なのです。テレポーテーションでいきなり行くより、空を飛ぶのがいいのだとか。ふわふわした話題が昔から好きなのです。なお、お父様とそういう話をしたことはない。
――風纏スキル
風纏スキルは、いわゆる風の魔法らしい。
風を操る天使ってイメージ合わない気がするのは私だけだろうか。天使って光属性じゃないの?
そういえば、アニメの影響で風使いに憧れていた時期が私にもあった。独自の方法でテストした結果、自分が水属性っぽい気がして落ち込んだのは黒歴史である。そしてどうみても風属性な感じのお母様に嫉妬したものだ。お父様は無属性なのにむちゃくちゃ強い系。
まあ今になって考えると、光属性が最高なのは明らかなのです。風属性か水属性かなんて小さいことなのです。
明示盤ばかり見ていても仕方がない。
私は【マイ・キャラクター】と書かれた立体映像を閉じた。
すると空飛ぶベッドが傾いて、着陸態勢に入った。
天空にそびえる大きな木の上に、私は降り立った。
風は高原のように肌寒く、空はどこまでも蒼い。見下ろせば随分下の方を白い雲が流れ、はるか下に緑の大地が広がる。
光の粒がキラキラと風に舞う、ファンタジーらしい景色がそこにあった。
「風……風属性? キャラクリ失敗してしまったのです……。寒い……」
ぶるぶる。
北欧神話の世界樹を思わせる天まで届きそうな巨大な樹木。幹も枝も冗談のようなサイズで、巨大化した苔類が覆っていて緑の絨毯のようにふかふかだ。苔の花畑に囲まれた可愛らしい東屋もある。
私は空中庭園を眺め、これからの人生について暫く悩んでみて、「まあキャラの外見ミスってないなら良いかな?」と楽観的になることにした。同じキャラを作り直せる気がしないしね。
子供キャラの華奢な足で、苔むした樹皮の上を歩いてみる。サクッサクッと苔を踏んで歩く。足の動きにつられて、羽が勝手にパタパタする。翼が生えているのは腰骨のあたりなので、お尻の筋肉と繋がっているのかもしれない。
……これは歩行訓練が必要そうなのです。
とりあえず現状把握なのです。
【マイ・キャラクター】
◆メインアーム:〈素手〉
アトリビュート1:《祝福=勝負必勝》
コモンスロット2:
コモンスロット3:
コモンスロット4:
コモンスロット5:
コモンスロット6:
《祝福=勝負必勝》 [常][聖][繁栄][復]
勝運が上がる。気力体力が徐々に回復する。アトリビュート・アイコン。
《飛行=急降下》 [起][襲][打撃][貫][逐]
急降下攻撃するアシスト効果。防御を貫通する。アトリビュート・アイコン。
《風纏=月雲花風》 [常][空][如意][公]
風と雲を自在に操る。アトリビュート・アイコン。
このゲームは、特殊な能力を秘めたアイコンを厳選して、デッキを作って遊ぶシステムだ。
マイ・キャラクターの明示盤には六つの穴があって、そのうち一つに白銀の炎のようなオーラを振りまく球体が嵌っている。球体には図案化された太陽のマークがある。
【アトリビュート・アイコン】という特別な見た目のアイコンは、アトリビュート・スロットにセットして使う。
同時に一つしか使えない。
まずは実践あるのみ。一個ずつ検証なのです。
《祝福=勝負必勝》の持続的な回復効果は分かりやすい。踏みしめた苔が元気に復活する。
[常]のアイコンは全自動で効果を撒き散らすようだ。MPも消費しない。その辺に生えてる草まで元気になってるし、無差別かな?
私がイメージしていた「みんなを癒す一生懸命な天使さん」って感じとちょっと違う気がする。
ちなみにどうでもいい情報だけども。苔は一本一本が雑草みたいに大振りで、先っぽに咲いた黄色い花がセイタカアワダチソウに似ている。
――次は、《飛行=急降下》を検証しよう。
私がそう思った途端、手のひらにすっぽり収まる丸い物体が現れた。
同時に、謎の疲労感に襲われた。
【擬宝術=飛行=急降下】
翼の絵柄の黄色いアイコン。金色のエフェクトが炎のように揺らめいている。
このアイコンを穴に押し込め、ということらしい。
アトリビュート・スロットに新しいアイコンをセット!
【マイ・キャラクター】
◆メインアーム:〈素手〉
アトリビュート1:《飛行=急降下》
コモンスロット2:
コモンスロット3:
コモンスロット4:
コモンスロット5:
コモンスロット6:
……すると急に羽の動かし方が分かるようになった。
[起]アイコンは必要になる度に発動させる瞬発タイプの能力だけど、セットした段階で副次効果もあるっぽい。
ふわっと身体が軽くなって、歩くより飛ぶほうが楽になる。蒼穹の冷たい風も心地いい。というか、飛んだら寒くない。飛んでいる間はとても快適。空の環境に適応してるって感じがする。
生まれたてのキャラは薄着の初期装備しか持っていなかったので、正直寒かった。
さっそく使ってみよう。
「えーい! 《飛行=急降下》!」
淡い光に包まれ、アシスト効果が発動する。私の身体はゲーム・システムの見えざる手に引かれて、はやぶさのように急降下する。
そして地面で直角に跳ね返り、苔まみれで上空に打ち上がった。
「場所が悪かったのです……」
ボワッと派手に舞い上がる黄色い煙――花粉?胞子?――から慌てて逃げる。
なんだか急に疲れた。羽の力が抜けてパタパタよろめく。
能力を使うとスタミナ的なエネルギーを消費するらしい。あーこれよくあるゲームのお約束なのだわ。
でも、あれ? スタミナゲージ無かったよね? HPゲージとMPゲージはあるけど。隠しパラメータかな?
ちなみにVRゲームは、闘気やチャクラ・プラーナのような脳筋エネルギーを暖かい感覚、マナやオドなど魔力的なものを冷たい感覚として扱うタイトルが多い。「はあああ!」とかやって熱気を集めて必殺技を決める感じだ。熱気と冷気は同時にイメージしにくいので、静電気みたいなピリピリ感で代用するゲームもある。
しかし、身体を動かして実際に疲れるゲームはちょっと珍しいかも。下手をするとゲームにならないしね。
【システム通知:羽翼の操作が上達し飛行スキルⅡを習得しました!】
《飛行=上方旋回》 [起][旋][技巧]
斜め上に急旋回するアシスト効果。
やったあ! 飛行スキル上がったのです。
またしてもアシスト効果なのです。もうその手には乗らないのです。
――最後に、《風纏=月雲花風》を検証しよう。
私がそう思った途端、また丸い玉が出た。そして風船の空気が抜けるようにMPが減った。スロットを弄ろうとするとリソースを消費する仕組みらしい。
【擬宝術=風纏=月雲花風】
渦巻く雲の絵柄の黄色いアイコンだ。さっきと同じく、金色の炎のような特別なオーラに包まれている。
アトリビュート・スロットにセット!
【マイ・キャラクター】
◆メインアーム:〈素手〉
アトリビュート1:《風纏=月雲花風》
コモンスロット2:
コモンスロット3:
コモンスロット4:
コモンスロット5:
コモンスロット6:
「風と雲を自在に操る」という説明文からして、イメージによる気流制御のようだ。
イメージ。
言うは易しだけど、実はその手の才能がないと意外に難しいらしい。まあ、雲をじっくり見る機会なんてあまりないし、家に篭っていると風なんて吹かないしね。
ちなみにイメージ訓練法で有名なのは、鎖の視覚化訓練だ。鎖をあらゆる方向から見て、ジャラジャラ動かして鎖の声を聞き、鎖の臭いを嗅ぎ、舐めて味わい、鎖を抱いて眠る。鎖を取り上げても鎖のことしか考えられなくなったら成功。鎖の傷やへこみまで鮮明にイメージできるようになる。古代の神秘主義に通ずる歴史に裏打ちされた修行法である。
五感の記憶――イマジネーション――
苔の空中庭園から空を見下ろすと、ちょうどアイスクリームみたいな白い塊がぽっかり浮いていた。
あの雲を動かすには、どうする?
アイスクリーム取るやつ――名前なんだっけ?――あの丸いので取ればいいのです。
私は感じたまま、直感を頼りに姿勢を正し、翼を大きく広げる。風切羽でおいでおいでする。空想の腕を伸ばす。アイスクリームを掬い上げる。
目を開いたまま精神集中、という微妙に高度なスタイルを続けていると、いつの間にか雲塊の一部が立ち上がってきた。胴体の長い白猫みたいに。
「もう猫にしか見えないのです。ネコバス! カモン!」
うわっ、思ったより大きい。高層ビルが横向きに飛んでくる感じの雲塊にちょっと焦る。
ぷしゅーっと抜けるように大きくMPが減り出した。途中まで減らなかったのに。[常]だから消費しないと思ったのに。雲が大きすぎたのか。遠すぎたのか。何か条件があるのか。雲がちょっと伸びたと思ったらMPが尽きた。
【システム通知:気流の操作が上達し風纏スキルⅡを習得しました!】
《風纏=行雲》 [起][空][魔法][賛]
消費MP222 追い風を受けて加速する。順風加速の魔法をかける。
わあーい! 風纏スキル上がったのです。
さっそくセットなのです。
【擬宝術=風纏=行雲】
【システム通知:MPが足りません!】
……玉が出てこないのです。MP空っぽなのです。仕方ないのです。
せっかくだから飛行スキルの新しいアイコンも試してみるのです。ドロー! セット! みみみみみーっ!
【擬宝術=飛行=上方旋回】
【マイ・キャラクター】
◆アバター:エリン
レベル:3
種族:ハネミミヒト族 職業:旅人 年齢:8 性別:♀
HP:495/495
MP: 0/391
身体:《筋力F》《耐久F》《感覚D》《反応A》《知力F》《精神AAA》
技能:《祝福D》《飛行E》《風纏E》
権能:《樹界語A》
生活:《念話》《収納術》《社交術》《擬宝術》《行商術》
称号:〔星の祈り〕
◆アイテム:2% 所持金:50J
装備:〈素手〉〈ハネ族の服〉
収納:〈宝石の袋〉×50
◆メインアーム:〈素手〉
アトリビュート1:《風纏=月雲花風》
コモンスロット2:《飛行=上方旋回》
コモンスロット3:
コモンスロット4:
コモンスロット5:
コモンスロット6:
いつの間にかレベル3。モンスターを倒さなくてもレベルは上がるらしい。
HPは微増。MPは一気に増えた。
……あれ? アイテムのパーセント表示がなんか減ってる? 服とお金しか持ってないし、特に何もないのだけど。
ちなみに〈ハネ族の服〉は超薄い一着で魅惑のペラペラ。減らすほどの重さはない。〈宝石の袋〉は小さい宝石のつぶが50粒。お財布に穴はない。
この状態で、地面ではアイテム:2%、飛んでいるときは12%だった。
飛んだら、ふえる?
ええと、つまり……?
あたまがうまく回らなひぃぃぃ。
その辺に落ちてる小枝を拾って調べてみたら、地面ではアイテム:6%、飛ぶと40%になった。うーむ。重心が傾いて飛びにくい。
アイテムが増えたら、パーセントが……?
うん。まあいいか。
収納術で木の棒を仕舞うと、装備欄が〈ヤドリギの小枝〉から〈素手〉に戻る。
アイテム欄の重さは2%、空中12%。あれ? 重さ消えた?
追加でもう少し小枝を拾って、両手で持ったり翼の脇に抱えたりして装備欄に六本並べると、アイテム:27%だった。飛ぼうとすると176%で飛べなかった。
《反応A》のすばやさでも、荷物があると飛びにくい。収納欄に入れるとかなり楽。すっごく軽くなって飛行中でも20%だった。でも、荷物の重さに振り回される感じは残ってる。ジャイロ効果のような妙な慣性モーメント。
筋力とかあるといいのかな?
《筋力F》《耐久F》《知力F》のF級トリオは微動だにしない。知力が低いと微妙に苦労するっぽい。
《精神AAA》は割と凄い気がするけれど、何の役に立つのかな? MPが増える系?
……というか、MPがぜんぜん回復しないのです。
三分でMP1回復。この遅さは直感的にヤバイ。
三十分でMP10でしょう? 三百分でMP100……は五時間でしょう? 全快するのに二十時間かかる。
ゲーム開始早々MP空っぽとかちょっと……。風纏スキルは恐ろしい罠だった。
そして祝福スキルに戻そうとしたら、玉を出すMPが足りなくて詰んだ。入れ替えにMP使うのか……
MP回復薬とかあるのかな?
結局、祝福スキル上げが出来るようになったのは、ゲーム内時間で二時間ほど経ったころだった。
MPが足りない間は、MP消費のないスキル上げをメインに効率よく回していった。
世界樹には動物がそれなり棲息していて、巨鳥や巨大昆虫などがわさわさ飛んでいる。頭蓋骨のヘルメットを被った原始人もうろついている。
私はこそこそ隠れながら飛行訓練に勤しんだ。
飛ぶと疲れる。でも、走るよりは疲れない。
全力で飛んだりしないで加減すれば、長距離飛行できる。
呼吸も意外と大事で、長く飛ぶには柔らかな呼吸を維持する必要がある。
翼を広げて風に乗り、グライダーのように滑空すれば疲れない。ファンタジー系のゲームでよく見る、キラキラのエフェクトが空中を漂っているので、風の流れは読みやすい。
飛んでみて分かったことなのだけど、私の翼はバランスが悪い。オーソドックスな天使と違って腰に翼があるので、例えて言うなら、鉄棒にぶら下がった状態ではなくおへその下あたりでゆらゆらバランスを取っている感じだ。
つまり機動性が高い。
すごいよーっ! クイッと腰で曲がって逃げたり隠れたり便利だよ!
あれ? キャラクリの時にそう思ったんだっけ? えらいのです私!
飛行能力に自信がついてからは、世界樹を離れて冒険飛行に出ることにした。
密林が広がるフィールドを北北西へ。
知り合いと合流するために【ソレラの街】を目指して飛ぶ。ソレラなんとかかんとか王国とかいう名前の長い国の王都らしい。
天空の冷気も、ジャングルの熱気も、飛んでいる間は影響しない。無敵の羽根パワーである。
地上には誰も見たことのないモンスターがどっさりいて、さすがに影響しまくりなので、高高度をビビリながら飛ぶことになったのだけど。
途中でっかいワイバーンに追いかけ回されたり、色々駆けずり回った結果、物質界の時間で丸一日ほど費やして大陸を縦断した。
この世界は果てしない大陸だった。
ソレラの街になんとか辿り着いた私は翼を大きく広げ、背の高い城壁を飛び越えた。
西の方からいい風の吹く街だった。
城塞都市【ソレラの街】の市壁は、畑と荒地と複数の街並みを円形にぐるっと囲み、反対側の壁が地平線に隠れるくらいの規模がある。
私は高度を上げ、中世ヨーロッパ風の街並みを見下ろす。道にはぽつぽつと馬車が走っていて、ずっと先のほうまで道が伸びている。そして地平線のあたりには、また別の街並みが見える。
全体としてかなり大きな街らしく、物質界の山手線の内側くらいあるかもしれない。
私が地上を眺めていると、同じ風に乗った同乗者が隣に並んでチュン、と挨拶をしてきた。
「こんにちは! 小鳥さん」
かわいい隣人に挨拶を済ませた私は、馬車をどんどん追い抜き街の中心へ向かって飛んだ。そこには白い石畳の噴水広場があって、プレイヤーらしき人達が大勢地べたに座っているのが見えた。
広場から伸びる放射状の道が印象的で、西側に城、東側に大神殿があり街並みと合わせて荘厳な雰囲気を醸し出していた。
私はその風景を少しの間楽しんで、ゆっくりと広場へ舞い降りた。そして、噴水の近くで空を眺めていたヒト族の男性に手を振る。
両手で親指を立てるジェスチャーが返ってきた。
ネルソン君を発見した。
「やほーう! お待たせなのです!!」
「Κψυτ Ταφυ?」
街の喧騒の中、バリトンのイケメンボイスが耳に届いた。
……言葉が通じなかった。
気を取り直してネルソン君とフレンド登録――拳と拳を合わせてフレンド申請ジェスチャー――をしていると、後ろから殴られて気絶した。
気が付いたら水晶に封じられて美術品のように陳列されていた。
殴られて気絶とか生まれて初めてだよ!