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落とし穴 1

あれから大介は、1週間という短い期間で曲を仕上げなければならないため、自分の部屋にこもりっきりだった。とにかく1日でも早く仕上げてドンドン見直して、いい作品にしたいとの考えがあるからだ。しかし、いざアコースティックギターを弾いてメロディーを口ずさんでみても、思うようなメロディーが浮かばない。当たり前である。実際は何も考えていないのだから。


たとえば、文章を書くときはよく起承転結で書きましょう、と勧める。これは4コマ漫画に例えるとわかりやすい。起で物語がはじまり、承で様子を説明し、転で場面が変化して、結で締めくくる。こう書けばわりとラクに文章がまとめられるようになる。それと新聞記者がニュースを書くときに用いる5W1H(いつWHEN、どこでWHERE、誰がWHO、何をWHAT、なぜWHY、どのようにHOW)も便利である。文章を書くときに行き詰まったら思い出してほしい。だが、文章を書く練習でいい方法がないかと問われれば、私の場合言えることは、型とか文法など気にせずに、とにかく何でもいいから思いついたことを書いて書いて書きまくることだ。そうすればあなたが生まれた頃から育んできた知識や考え方、そして経験が自ずと詰まった(自己の世界観)文章が出来上がる。


最初はうまくいかないことが当たり前で、つじつまが合わなかったり、支離滅裂になっても動じないことだ。そのうち考え方がまとまってきて、言いたいことが的確に表現出来るようになる。(最初は誰でも書けないことを知っておこう)さらに本をできるだけ読んで人の考え方を吸収することも大切だ。そうすればあなたが今まで気づかなかった視点や表現方法にも巡り会うことができる。書く作業はどうしてもネガティブにになりがちだが、出来るだけポジティブでいこう。あなたの文章が読む人を元気にすることも忘れないでほしい。


少し話がそれたが、これと同じように音楽にも曲を作る法則があることをご存知だろうか。音階にはドレミファソラシド(英語でCDEFGABC)があるくらい誰でも知っているが、文章の起承転結ぐらい重要なのが、トニック(主音)、サブドミナント(4度)、ドミナント(5度)である。つまりキーがCメジャーならCがトニックコード、Fがサブドミナントコード、Gがドミナントコードである。わかりやすくこのC→F→G→Cというコード進行を想定してCメジャースケール(ドレミファソラシド)で作曲すれば、初心者でもある程度作曲ができるというものである。(1曲は普通8小節以上が一般的。例C→F→G→C→C→F→G→C)


なぜそう言えるのだろうか。それはコードの構成音を見ればよくわかる。Cメジャー(ドミソ)、Fメジャー(ファラド)、Gメジャー(ソシレ)にはCメジャースケールの構成音が全て含まれているから、♯や♭がない限り(例外はあるけど)ミストーンにならないのである。つまりC→F→G→Cのコード進行で伴奏してドレミファソラシドでうたえば音痴でない限り誰でも作曲出来るはずである。しかし、そうは問屋がおろさない 。なぜ、C→F→G→Cなのかはまだ説明していない。音楽の基本はトニックからサブドミナント、それからドミナントに進みそしてトニックで終結すると文章の起承転結みたいに物語が終わったときと同じような雰囲気になるのだ。とにかくCが起点になり、Fがちょっと不安定になって、Gがその不安定さに拍車がかかり、Cにどうしても進みたい進みたいと要求して、Cになると安定し、終わりだよ、という雰囲気になる。


さて、今度は音楽と言葉の違いを考えてみよう。たとえば好きな女性に「愛してる」と口で言えば、この人は私のことを愛しているんだ、と伝わる。だが、あなたは音楽で「愛してる」と人に伝えるために、どのようなメロディーで表現すればいいか、わかるだろうか。作曲をするときにはこの発想がポイントになる。つまり、日常では誰もこんな設定をしないから思い浮かばないだけである。大介もこれまでそんな経験がなかったために曲作りの障壁となってしまったのである。

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