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重圧 3

金曜日の朝、ユキチと大介は大井町駅の改札口で8時に待ち合わせていた。待ち合わせの10分前にもかかわらずユキチはすでに到着していて、黒のTシャツにジーンズ地のホットパンツという出で立ちはかなり目立った。そこへ時間通り大介が着いた。

「よう、待った?」


「いいや、あたいも今来たところさ」

「どこで作業をしようか」

「そうだな、10時間ぐらい粘れるところがいいな」

「コーヒーショップぐらいしかないぜ」


「マックでいいよ」

「ユキチ、でもあそこのマック潰れるって噂だぜ」

「そりゃあ、困るな」

「マック全体ですげえ〜赤字なんだってよ。だから売り上げの少ない店は閉鎖するらしい」


「あたいたちのテリトリーが徐々になくなっちまう」

「ああ、でもポテトのセットはもう時代遅れかもしれない。カロリーだってハンバーガーと飲み物を加えたらすぐに1000キロカロリーを超えちまうからな」

「あたいはカロリーなんて気にしたことがねえぞ」


「それに使っている油も問題なんだ。トランス脂肪酸といってマーガリンやショートニングにも含まれている物質で、肥満や心臓病の原因になるから、アメリカじゃあ2018年までに全面禁止になる。でも日本じゃ規制が緩いから害があっても平気で使っているんだ。でも、ケンタッキーは企業努力で0を目指している。


「大介、お前日経新聞でも読んでいるのか?やけに詳しいな」

「母親がうるさいんだ。日本も食の欧米化が進みガンで死亡する人の数が、アメリカを超えたそうじゃないか」


「本当か、あたいたちも他人事じゃねえな」

「ああ、だからマックが食の安全を謳うなら、他社がやっているように使っている油を変えるくらいの誠意を見せないと売り上げは戻らないだろう」

「大介、そろそろ店に入ろうぜ」


「そうだな、でも政府に頼らずに自分たちの躰は自分たちで守っていかないといけないんだ」

「確かにそうだな」


よし着いたぜ、ユキチ何を飲む」

「ファンタグレープのLサイズ」

「じゃあ、俺はコーラのLサイズ。もちろん地下に行くだろ」

「ああ」


と2人は階段を下ってから左側の通路に沿って4人掛けのテーブルの着いた。

そしてすぐにiPhoneに楽譜、そしてレポート用紙とシャープペンを取り出し、作業に掛かろうとした。


「ユキチ、ユカの方はどこまで進んでいるんだ」

「Aメロ、Bメロまでだ」

「1番しかできていないのか」

「一様はできてはいるんだが、気に入らねえんだ」


「でも今はそんなこといってる場合じゃないだろう」

「そうなんだが、納得がいかねえんだ」

「それはわかるけど」


「あたいの好きにさせてくれ」

「大介お前はどうなんだ」

「残りはサビと3番の歌詞だ。実が変なことをいうから、タイトルと詞の内容を合わせるのに、ものすごく苦労してる」


「そうか『デッド・エンド』だったよな。はじめはどうしようとしたんだ」

「夢を大切にしようぜって感じかな」

「あは、それじゃあ、大変だったな」

「ああ、急にいわれてもな」


「韻は意識したのか」

「いや、おもむくままだ」

「そうだな、そっちのほうがいいかもしれない」

「よし」


と大介はiPhoneのイヤホーン耳に当て楽譜を追った。

そしてユキチもメロディーを確認しながら、熱心に語呂を合わせながら、言葉を選ぶ作業に取り掛かった。

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