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心想 1


あれから2ヶ月が過ぎた。


爽やかな陽光と肌触りのいい風に包まれた街並みは今、ジッとしていても躰中の汗腺が膨らみ、粘りつくような汗がまとわりつく夏本番を迎えようとしていた。


大介は詰襟の制服をさっさと部屋の片隅に置き去りにし、半袖のワイシャツに黒色のスラックスという出で立ちに変わった。


女生徒たちは紺色から白いセーラー服に変わり、闊歩すれば街並みにいっそう可憐な彩りを添えていた。


あれから大介たちは中間試験を乗り越えたのも束の間、学期末試験を直前に控えて、バンドメンバーたちは時間があれば学校の図書室に集まり勉学に励んでいた。


えっ、そんなことより大介とユキチ、そして洋子の関係はどうなったかって?


それはおいおい話すとして。それじゃ何がなんだかさっぱりわからない?


仕方がない、それでは振り返ってみましょう。


あれから大介とユキチは、互いの意思を確かめ合ったカラオケ店を出て、近所のファーストフード店へ向かった。そして今後のことをよく話し合い、2人が付き合うことをみんなには黙っていようと決めたのだ。なぜ、そんなことを決めたのかって?


それは大介がユキチの恋人となることによって、どれだけ影響があるかよく考えた末の結果である。


つまり、学校中の男子生徒を敵に回すことになりかねないからである。男と女なんて些細なことがきっかけでくっついたり別れたりするアンバランスな特性がある。


今はいいかもしれないが、周りのひがみややっかみからひどい誹謗中傷を受けたり、恋路の邪魔をするものが現れる可能性も大いにあった。それほどユキチの人気は男子生徒から絶大だった。


だからこそ、みんなにわからないようにする期間が必要だったのである。ユキチは大介が考えている以上に一途なのだ。それを察して大介も彼女のことを真正面から考えるようになった。


しかし、洋子の大きく包み込むような愛も大介にとってかけがいのないものだった。だから冷静になって考えてみたが、とても今の状態では答えを出すことができなかったのである。


すべての判断は当人たちに委ねるしか方法がないのだから。


大介が洋子にユキチの告白を明言しなかったのにはこんな理由があった。


確かに今はユキチ惹かれているが、それは一時の感情であるかもしれない。


大介は即座に答えを出す自信がなかった。


ユキチはこのことを納得してくれたが、そろそろ洋子にも本当のことを伝えよう、と時期を伺っていたのである。


そしてここから「コンピテンス 3」の新しい人間模様が始まる。


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