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プロローグ

みなさん元気でしたか?沼里泰行です。


しばらく原稿を書いてなかったので、どう書いていいのかすっかり忘れてしまいました。


ですがこんなことにめげずに進めたいと思います。


これまで誰にも言ったことがなかったのですが、私が小説を書きたいと思った原因は、芥川龍之介や太宰治の小説を読んだことがきっかけです。


特に芥川の『杜子春』を読んだときの衝撃は凄まじく、全身に高圧電流が突き抜けたようなものでした。


杜子春の目の前に仙人が現れたのは偶然ではなく必然であり、この物語にはできの悪い息子に対する両親の想いが溢れています。


つまり彼らが地獄で受けた鉄の鞭は、自らが望んだ結果なのです。


それも両親が甘えて育ててしまった金銭感覚の麻痺した子供に、真っ当な人生を歩んでもらうための一芝居です。


このように直接の意味の他に別の意味を含ませることを寓意と言います。


芥川は代表作呼べない短編にも全力で向き合っていることに大変驚きました。


小説の存在理由が溢れていたのです。


私は彼の領域まで辿り着けないかもしれませんが、やれるだけやってみたい、と考えるようになりました。


もちろんやるのなら芥川賞を狙っていきます。


だけど、私と芥川では資質という面でかなりの差があります。


芥川は緻密で繊細で才能があり、文学を芸術の域まで高めた人物です。


私の方と言えばB型の典型でセンスだけで生き延びてきたようなものです。


しかしあの血液型分類でのB型はひどいっすよね。感性だけが取り柄でチームワークに向かず、頭の出来は最悪などとコテンパンです。


確かにこれまでB型で成功した著名な作家は聞いたことがありません。強いて言うなら高橋源一郎ぐらいでしょうか。だからかえって燃えました。どんなにけなされても私にしかかけない小説を書いてみせると。


他の作家がどのように書いているのかわかりませんが、私の場合、小説を書くときは文法とか、起承転結はあまり意識していません。


大事にしているのは読むリズムで、言葉の選び方も印象を一番に考えます。また、構成も決まり事をなくして自由にしています。


これは私が原稿用紙に向かうと自然にイメージが広がり、登場人物たちのセリフが次々と浮かび上がってくるからです。


こういう現象をよく天から降りる言いますが、私の場合もきっとそれに当たると思います。


だけど、この話には落とし穴があります。それは個人の知識と経験した範囲内なら誰でもこのレベルになれます。しかし、人間が人生で得られる知識や経験は限られています。


もし小説家になるならば大切なのは空想とか想像でしょう。


これを打開しなければ何作も小説を発表するのは無理です。


『コンピテンス 3』は、小説家へのステップとして比喩を研究したり、寓意なども鍛錬することを目標にしています。それでは4月からの新連載を楽しみにしてください。


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