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龍が飛翔した世界  作者: 寺小柚琉
第一章:少年の名
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戦闘準備

「ラルクさん、こんにちはー」

少年とフロウはある部屋の前に着いていた。

フロウが軽くノックをすると、

「よぉフロウ! 元気そうじゃねぇか!」

中から元気そうなおじさんが出てきた。

八百屋の店主みたいな人だ。

「ん? なんだ? その小僧は」

ラルク、と呼ばれた男が少年をねめまわすように見つめた。

その目は、何かを見定めているようにも見えた。

「あぁ、彼は新人(ニュープレイー)だよ」

フロウが少年の肩に手を置き、紹介する。

今度は、少年の顔を見て、

「こちら、倉庫番のラルクラム・ベレストさんだよ」

「よろしくです」

少年は頭を下げる。

すると、ラルクはニカッと笑い、

「おうよ! ラルクって呼んでくれ! よろしくな!」

と、大きな声で言った。

「俺はこのギルドのメンバーの武器や防具を預かってんのさ! おめぇさんも、使うといい!」

「ありがとうございます」

少年はにっこり笑って答えた。

「ラルクさん、僕の倉庫から古い鎧と剣を出してくれませんか?」

「なんだ、この小僧にか?」

「ええ、これから狩りに行くんで」

「よしわかった! サイズはだいたいわかってるぜ! 待ってな!」

と言って、ラルクは部屋の奥へと入っていった。

「見た目はちょっとアレだけど、いい人なんだよ」

フロウが少年に言った。

確かに、馴染みやすそうな人だった。

「あの、狩りって、何ですか?」

少年は、先ほどの会話の中で聞こえた言葉を尋ねる。

「言葉の通り、モンスターを倒しに行くのさ」

「モンスター……」

さきほど、フロウが戦っていた、キメラのような奴らだろうか。

「そ、そんな! 無理ですよ! 戦い方も知らないのに!」

「だいじょーぶ。僕が教えてあげるからさ」

「でも……」

「おーい、これがいいんじゃねぇかー?」

ラルクの声が奥からした。

「詳しいことは後で話すね」

と言ってフロウは行ってしまった。

「あとで、って……」

なんとなく不安が残る、少年だった。

「おう! 似合ってんじゃねぇか!」

少年は、ラルクが持ってきた赤い鎧に身を包んでた。

「すごい……超かっこいい」

しかし、その鎧はフロウのお古なだけあって、所々色がくすんでいたり、傷が付いたりしていたので、

「ラルクさん……もっといいのありませんか?」

フロウは少し、不服そうだった。

「いーじゃねぇか! ちょっとばかりきたねぇが、いい鎧だぜ!」

「僕これ、好きです。すごく……かっこいい」

「んー……ならいいんだけど……」

「おお! そうだ、小僧」

ラルクが、何かを思い出したかのように壁へ向かっていった。

壁には、剣や槍、鞭など、色々な武器が掛かっている。その中から、ラルクは二本の剣を取った。

「こいつは、おまえさんにピッタリだろ」

と言って、少年に投げて寄越した。

「それ、僕の剣じゃな……あ!」

と、フロウが言葉を止めた。

「これ、ドラゴンテールとブルームーンじゃないですか!」

フロウが驚いてラルクに言った。

「珍しいんですか?」

「超珍しいよ!どっちもドラゴン系モンスターしか落とさないんだ!」

フロウが興奮して語る。

(剣オタク……?)

少年はそう思ったが、口には出さなかった。

「やる。小僧、装備しろ」

「・・・え?」

これにはさすがに少年も驚いた。

フロウがさっきまですごいすごいと言っていた、この剣をか?と。

「よかったね! ありがたく貰いなよ!」

少年は、使いこなせるかどうかはわからないが、ラルクの好意をありがたく受け取り、腰に吊るした。

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