episode1.神秘術
「…」
深くフードを被ったローブの怪しい小さな人間がある港町に立ち寄った、
その街の名前は《マーリス》。
「そこの怪しな君!止まりなさい!」
そんな怪しい人物に金髪を紫のリボンで括った少女が止める、
彼女の服は白を基調としきちっと整えられた騎士服、
恐らくは治安維持部隊だろう。
「…」
謎の怪しい人物は一瞥する様にそちらに顔を向けるがすぐに顔を逸らし彼女の横を通り過ぎる。
「…ッ!神秘術!銀の箱庭!!」
そんな怪しい人物に腹を立てたのか彼女は攻撃を仕掛けた、
少女が剣を抜きそう叫ぶと多くの銀の剣が生み出され謎の人物に飛ぶ。
「神秘術干渉」
少年のような高い声で謎の人物が呟くとたちまち銀の剣達は溶ける。
「まだ、何か必要?この街ごと溶かそうか?」
そう言いながら謎の人物はフードを取る、
青みがかった銀髪を持つ美形の少年。
「えっあ、はい。」
少女は驚きが勝った様だ、
この世界で銀の髪を持つのは神秘術の最先端、神秘の国の皇族のみ。
神に祝福されたその一族はその代の皇帝以外顔を見せる事は殆ど無い隠された一族。
その1人が目の前に居るのだ、
いつの間にか野次馬が集まって居た様でざわめきが大きくなる。
「深淵術Darkness, hide me」
彼の周りに闇が湧き出すと彼を包み彼は消える。
「あっちょっと!!」
少女の言葉だけがその場に残って。




