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紋章戦士  作者:
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1話

この世界には、漢字の力を操る「紋章戦士」が存在していた。漢字の力は、その文字の意味に応じて異なるが、誰もが強力な文字を扱えるわけではない。若き戦士・天華てんかは、今はまだ大きな力を持たない者だった。


天華の紋章は「」という、決して強力とは言えない文字だった。彼の一族は代々「龍」や「虎」などの強力な紋章を受け継いできたが、なぜか天華には「葉」が宿った。


「俺は強くなれるのか…?」


天華は日々訓練を重ねながらも、自分の紋章に疑念を抱いていた。しかし、彼の師匠である老紋章戦士・玄道げんどうは、天華にこう言った。


「力は漢字そのものではない。使い方に意味があるのだ、天華よ。」



ある日、村を襲う「いわ」の紋章を持つ大男・厳鉄げんてつが現れた。彼はその名の通り、岩のように硬い体と巨大な腕を振るい、村を次々と破壊していく。


「この村は俺のものだ!抵抗する者は、全て潰してやる!」


天華は村の人々を守るため、厳鉄に立ち向かう決意をした。だが、自分の「葉」の紋章でこの強力な敵に勝てるのか、不安が募る。


「どうすればいい…?」


厳鉄が笑いながら岩を操る中、天華は空に「葉」と描き、その力を呼び出した。空中に現れたのは、ただの緑の葉であった。風に舞うように軽く、厳鉄の硬い岩の前では無力に見えた。


「こんなものが俺に通用すると思うのか!」


厳鉄は一笑に付し、巨大な岩を天華に向かって投げつけた。しかし、天華は素早く葉を操作し、それを岩の隙間に忍び込ませた。その瞬間、葉は急速に成長し、岩を裂くように力を発揮した。


「なんだと…!?」


厳鉄は驚愕し、さらに大きな岩を呼び出そうとしたが、天華は続けて葉を操った。葉は次々と彼の攻撃の隙間を縫い、まるで生きているかのように岩を砕いていった。


「葉は確かに小さく、弱いかもしれない。でも、それは生きているんだ!成長し、しなやかに、強くなっていく!」


天華の声に呼応するかのように、葉は勢いを増し、厳鉄の防御を次々と突破していった。やがて厳鉄は、自分の体に葉が絡みつくのを感じた。その葉は彼の動きを封じ、体を締め付けるように成長していった。


「これで終わりだ、厳鉄!」


天華は最後の力を込め、葉をさらに成長させた。その瞬間、厳鉄は地面に倒れ込み、動けなくなった。

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