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64.おまけ

 なんだか、だらだら書きつらねてしまいましたが、これでこの『あとがき(?)』もオシマイです。

 最後はおまけ。

 没原稿を(せっかく書いたからもったいないので(笑)アップする事にします。

 該当の話数を記してますので、比較してみてもオモシロイ、かも?

 いろいろ説明してますが、『短編』でそこまで話を膨らませるのもなぁ、と思って書き直しました。

 自慢じゃありませんが、ひとつのおはなしを書き上げるのに、『没』にした字数は完成品の三、四倍あるというのが自分です(ホントに自慢にもならない……)

 書くのがただでさえ遅いのに、注意力が散漫でアレもコレもと具材を詰め込み、整理整頓が苦手だから内容がゴチャゴチャになるという……。

 まぁ、よろしければご笑覧ください。



42.焔と水と―7


「この戦争が開戦してすぐの事です。イスタリア帝国陸軍で新軍種が発足しました。名を戦略砲兵軍団。従来の火砲に比して超長距離の砲を装備する軍種であるとの触れ込みでした」

 ヴィンテージ中尉は言った。

「装備する砲の射程は三〇〇キロ」

「は……?」

 ヴォトル少尉の目がまるくなる。

 先の大戦で列強が競って建造した大口径砲――運用に何千人もの人手を必要とした(ガラ)(クタ)でさえ、最大射程はせいぜい(?)四、五〇キロというところだった。

 それがいきなり六、七倍に延伸するなどと言われても、はいそうですかとたやすく信じられるものではない。

 プロパガンダをまず疑うのが普通であった。

「そうです。その通りです。ですが、少尉――少尉は〈宇宙旅行協会〉という民間団体がイスタリアにある……、あったことを御存知ですか?」

「いや、知らないな」

 唐突に訊かれてヴォトル少尉は首をかしげる。

「人間を宇宙へ送るということを目標として、二十年ほど前に設立された団体です。液体燃料をもちいた〈集合体(アグリガット)〉と名付けられたロケットを作りあげ、改良2型の打ち上げに成功したというところまではわかっていますが、その後、消息をパタリと聞かなくなりました。資金繰りに苦しんでいたようですから、解散したものとばかり思っていたのですが……」

「実際は、軍の援助をうけて()()にもぐっていただけだった?」

「そうですね。それで人間を宇宙へ送るかわりに、敵地へ爆弾を送る兵器の開発に方針を転換したのでしょう」

 ヴォトル少尉の応じにヴィンテージ中尉はそう答えて結論とした。

「周知の通り、イスタリア帝国というのは北の国――『海』をもたない国です。東は(ぼう)(ばく)たる曠野(こうや)。西にはサン=セヴェリナ、ハイランドをはじめとした国々がひしめき、南はアーカンフェイルの嶺々が壁の如くに立ちはだかっている。

「国家の規定方針として、その版図拡大の手を東――タス連邦へと伸ばしがちなのは、その地にねむる資源を欲してのことなのでしょうが、厳密に言うなら目指す方向は東南の向き。その先にある不凍港こそが欲してやまないものなのでしょう」

 自国北辺の港は、冬には氷に閉ざされ使えなくなってしまいますからね、と言ってかすかに笑った。

 そして、続ける。

「つまり、閉塞感です。

「その時々の行政府組織が如何なるものであっても、イスタリアの地に住まう者たちの心の奥底には常に変わらず、『自分たちは閉じ込められている』といった閉塞感がある」

「だから、『外』に出たい?」

「だと考えます。()()()、〈宇宙旅行協会〉なる団体を()()()()立ち上げる、その下地があるという事なのでしょう」

 そこまでを言って、また聞いて、ヴィンテージ中尉とヴォトル少尉のふたりは重く吐息した。

「中尉殿の推測については、おおよそ理解できた、と思う。元々のスタートラインが宇宙ロケットなる代物だとしたら、射程三〇〇キロというのもあながち(ブラフ)じゃあなさそうだ。

「それで?――では、俺たちの取るべき対応は?」



 それでは、閲覧ありがとうございました。

 また別のおはなしでお会いできれば嬉しいです。

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