きれいなものさがし
わたしが、小学生のときのお話です。
なかよしのゆめちゃんと、いつもいっしょに遊んでいました。
ゆめちゃんは、きれいなものが大好きなおとなしい子でした。
わたしも、引っ込み思案で恥ずかしがり屋だったので、ゆめちゃんといっしょにいると落ち着くのでした。
秋のある日、ゆめちゃんが言いました。
「じゅんちゃん、きれいなものさがし しようよ」
「きれいなものさがし?」
「うん、明日までに、きれいなものをみつけて、学校にもってきて」
「わかった」
わたしは、家に帰るとランドセルをほうりなげて、きれいなものをさがしはじめました。
「きれいなもの きれいなもの」
いろいろさがして、お気に入りのおもちゃのネックレスをみつけました。
「これにしよう!」
次の日、学校に行きました。
ゆめちゃんが、
「きれいなもの みつけられた?」
と聞いてきました。
「うん」
わたしは、ポケットからおもちゃのネックレスをとりだしました。
「わぁ、きれいね」
ゆめちゃんが言ってくれました。
「ゆめちゃんのは?」
わたしが聞くと、ゆめちゃんは、筆箱をだしました。
「この中にあるの」
ぱかっとふたをあけると、その中には、きんもくせいの花びらが、いっぱい入っていました。
ふわーっと、いい香りもします。
黄色の花びらが、星のかけらみたいに、きらきら光っているようでした。
「すごくきれい」
大人になった今も、ゆめちゃんが教えてくれたきれいなものが忘れられません。