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信号を待っていた。つまりは、起立の姿勢をした赤が、健康そうな大股の青に変わる瞬間を待っていたのだ。しかし先ほどこの信号は起立になったばっかりで、それはもう一番最悪なタイミングだったと言えるだろう。
学校へは毎日自転車で、遅刻ギリギリのタイムで到着する。先生に何度注意されたことだろうか。しかし僕は一度も遅刻したことがない。自分でも不思議だった。
青。
先ほど信号が赤になった瞬間、僕は自転車を止めたが前を走っていた同じ高校の制服を着た奴は猛スピードで渡っていった。つられて僕も渡ってしまおうかと考えたが、良心が僕を引き留めた。僕は僕をいい人間だと再確認していた。校門を通り、自転車を止め、下駄箱へ向おうとした際にチャイムが鳴った。
「あれ」
僕は記念すべき、初遅刻を成し遂げたのだった。




