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能力統合

 グリムのいた街ーー迷宮街リビスから出発した俺たちは現在妖狐の集落に客として招かれている。どうしてこうなったのかは丁度2日前、街を出発したところまで遡って説明しよう。


 ____________________


 迷宮街リビスを出発した俺はまず始めにダンジョンの下層にある魔物の巣窟へと転移した。そこで本気でコアと戦った訳だが戦闘の影響で周囲は不毛になり、生き物の姿が消えた。気づいたら元通りになってるダンジョンだが、その荒れ果て様に少しだけ罪悪感を覚え土魔法と神聖魔法を組み合わせて、神気という名の魔力が充満してる魔物にとっての楽園を作っておいた。……もちろん戦闘では俺が勝った。近接戦闘だけのコアと近接、遠隔どちらも出来る俺が戦ったら結果は決まっているのと同義だ。まぁ、武器を使わなかったから多少苦戦はしたけど。


「むぅ、やっぱりニールは強いな。何で同じ技術で同じ力量なのに俺の方が近接戦でも圧倒されるのか不思議だ」


「……コアは近接に拘りすぎだ。だから視野も狭くなって俺の誘導に引っ掛かかるんだよ」


「でも、魔法とかよく分かんないぞ。そういうのはルルとかシルビアが得意だからな。今更使い始めても絶対使いこなせないぞ」


「……そうか」


 そんな会話をしながら元の場所へと戻った。そのままコアはシェリーの方に行き俺はシルビア達と新しい魔法について会話しながら王都への移動を再開した。そのまま半日が経過し夕暮れ時になり、富士山よりも大きな山が見えたところで事件が起きた。

 突然なんの前触れもなく目の前に二つの気配が出現した。敵意は無いがそのブラッドの倍はありそうな魔力量から警戒しながら、ブラッドの為に神聖魔法で周りを明かるくし、瞳孔を少し開くと気配の姿が明瞭に見えるようになった。気配の主は2人の少女でどちらも巫女服に似た袴を着ていた。2人の顔は双子なのかそっくりだが、その髪色は正反対で片方は白、もう片方は黒だった。よく見てみると頭に突起の様なものがあり、瞳孔を開いて見てみると突起の正体は耳だった。もしやと思い、背後も見てみるとそこには髪色と同じ白と黒の狐の尾がそれぞれ8本ずつユラユラと揺れていた。


「「我らが主、宇迦之御魂神がお呼びになっております。どうか、我らの里へ」」


 俺が2人を観察していると2人は丁寧にお辞儀をしながらそう言った。その姿はそっち方面に素人な俺が見ても洗練されていた。


 ……何だこいつら。急に名前も知らない人に呼ばれてます、と言われても困るんだが。いや、こいつらについて考えるよりも先に鑑定するか。


 __________________


 種族:妖狐


 名前:シロナ


 年齢:1803


 レベル:100


 HP:16000/16000

 MP:13000/13000

 SP:12000/12000


 スキル:『探知LvMAX』『神速再生LvMAX』『並列演算LvMAX』『思考加速LvMAX』『念話LvMAX』『千里眼LvMAX』『神通力LvMAX』『狐火LvMAX』『重力操作LvMAX』『魔力操作LvMAX』『身体強化魔法LvMAX』『森羅万象LvMAX』『闇魔法LvMAX』『神聖魔法LvMAX』『空間魔法LvMAX』『未来予測LvMAX』『忍耐LvMAX』『縮地LvMAX』


 称号:『双子』『神使』『天狐』『農耕神の眷属』『八尾』

 __________________


 種族:妖狐


 名前:クロナ


(以下同文)

 __________________


『神通力』

 魔力を消費して読心・超聴覚・過去視を使用することができる。レベルによって精度が異なる。


『狐火』

 全てを燃やし尽くす妖狐の火。レベルによって火力が異なる。


『重力操作』

 周囲の重力を操作する。無重力にする事も可能。レベルによって操作できる範囲が異なる。


『双子』

 同じ時を過ごす者。記憶、能力、魔力を共有することが出来る。


『天狐』

 1000年以上生きた妖狐。神通力の精度が増し、千里眼で全てを見通すことができる。


『農耕神の眷属』

 農耕神に仕える者。一部の植物の成長速度を操ることができる。


『八尾』

 8本の尾を持つ妖狐。八つの妖術を扱うことが出来る。


 ……うん、もうそういうのに耐性が付いたと思ってたけど全然だったな。何で俺の周りにはこんなステータスの奴らが集まるんだよ。ダンジョンの下層でも上位のステータスなんだが?……文句を言ってるけど勿論コピーさせてもらう。


《スキル『複製』の能力により、『神通力』『重力操作』を獲得しました》


「ははは、おかしいなぁ。俺10年近く神の使徒やっててある程度高いステータスの奴らと殺りあってきたけど、この強さは見たことないなぁ」


「確かにこのステータスになってくると世界で数えられるくらいしかいないだろうね。で、君は行くのかい?」


「……そうか。だけど、今回は俺のせいじゃない。ブラッドの時みたいに人を殺したりしてない。……別にいいんと思う。特に敵意も感じないし」


 うん、今回は何もしてないな。だから何も心配はする事はない。たとえ、少しだけ心当たりがあったとしてもだ。……いや、よく考えたら関係ないな、うん。


「「了承して下さった様なのでご案内させていただきます。こちらです」」


 俺が一人心の中で言い訳をしているとシロナとクロナが最初と同じようにお辞儀をしながらそう言い、山の方へと歩き出した。


「空間魔法で移動しないのか?お前らは使えるんじゃないのか?さっき見た時はあったぞ」


 2人に案内されている途中、コアがそんな事を聞いていた。俺も気になっていたが、大体答えが予想出来ておりその答えが人によっては失礼なので聞かなかった。


「私達では魔力が足りないのです」


「転移は出来ますが転移門(ゲート)の持続時間が数秒だけです」


 ほらな、人間の魔導師の中には自分の魔力量を聞かれると不快に思う奴がいるらしいからな。それも魔法を扱うのに魔力量が足りないと言われたら激怒するらしい。長生きしてるこの2人は大丈夫だと思うけど無理に聞く必要はないからな。


 その後も歩いていると辺りに少しずつ霧が出始めた。この霧全てに方向感覚を狂わせる闇魔法が付与されていたが、その中でも双子達は迷う素振りを一切見せずに歩いていき、一度立ち止まり何かの術式を発動させ霧を晴らした。


「「ようこそ、我らが里へ。主の準備が整うまでごゆっくりとお寛ぎ下さいませ」」


 2人はそう言うと、転移でどこかへ言ってしまった。それを確認した俺に一言入れると並列思考は何の遠慮もなく自由行動を始めた。どうやらリビスの時に出来なかったことをするつもりらしい。

 俺は探知の範囲を広げこの里の全域を把握し、一人で森の中へと入った。ブラッドはちょっと危なそうなので、この里の奴らじゃ手出し出来ないラプラスに護衛を頼んでおいた。別にラプラスには知られても良いけど、これはブラッドには知られたくないから置いてきた。


 ここら辺なら大丈夫かな?よし、それじゃあ始めるか。……まずは『創造』で新しいスキルを作らなくちゃな。えぇと、確かこんな能力だったよな。ここはこれで、これも追加しておくか。


《スキル『創造』の能力により、『魔導書(ネクロノミコン)』を獲得しました。スキル『魔導書(ネクロノミコン)』に『身体強化魔法』『森羅万象』『闇魔法』『神聖魔法』『即死魔法』『死霊魔法』『空間魔法』が統合されます》


《スキル『魔導書』の熟練度が一定に達しました。レベルが9上がります》


 いつも思うんだけど、『世界神の眷属』と『傲慢』の能力のせいで簡単にレベルMAXになるよな。いや別に迷惑というわけではないんだけど、どことなく虚しいのは何故だろうか?……そんな事は置いといて『魔導書』の能力を視てみるか。


『魔導書』

 全ての魔法が記された本を創り出し、そこに記された魔法を全て扱うことが出来る。レベルによって魔法を発動する際の魔力消費量が異なる。


 よし、想像通りの能力だな。魔法による魔力消費も抑えられるように出来たし、これで物量も増しただろ。火力ばかり上げてたけど物量も増やせば瞬間の威力は上がらないけど手数が増やせて良いな。……これだけをしに離れた訳ではないんだったな。他のスキルを整理したいんだよな。色々あって管理するのも大変になってきたからな。




 ふぅ……。スキルを創るのって意外と魔力を消費するな。創ったスキルのレベル上げで肉体的な疲れもあるんだろうけど、ここまで疲労感を感じたのなんていつぶりだ?少なくともここ数年は感じた事ないな。アマルテイアとかフルフルの弟子になってた時以来かな。今どうしてるんだろうな。………過去を懐かしむのはこの位にするか。今回新しく創ったスキルは『魔導書』『支配』『神権』『加速』『万里眼』の6つだ。名前は簡素になっているが能力は統合したスキルを全て合わせてそこにまた新しい能力を足しているためかなり強い。鑑定した結果は以下の通りとなっている。


『空間支配』

 己が支配している空間内の物体や現象の完全制御が可能。自らの影や身体、触れている物体は支配空間外でも制御出来る。レベルによって支配範囲が異なる。


『神権』

 神の力を扱う権限。神の火や神の腕力などが扱える。レベルによって権限が異なる。


『加速』

 全てのものを加速させることが出来る。レベルによって加速する速度が異なる。


 万里眼は千里眼の距離を延ばした感じだな。多分最大範囲は1万kmあると思う。見る対象がないから確証は無いけどレベル上げの感覚的にそのくらいだな。……ちょっとレベル上げに時間がかかったから早く戻るか。ブラッドの実力じゃちょっと心配だからな。


 俺が転移でラプラス達の所へと転移しようとすると新しく創り出した『加速』が勝手に発動し、思考が100万倍に引き伸ばされ世界神が話しかけてきた。


『やぁ、久しぶりだね』


『……そうだな。1年振りか?で、今日は何の用だよ。邪神でも出てきたのか?』


『ううん、まだ動いてないよ。今日はニールちゃんに少し注意をしに来たんだよ。後ははニールちゃんと話したくなったんだよ』


 注意……?俺何かしたっけ?あれか、ダンジョンの中をぐちゃぐちゃにしたことか?でも、ちゃんと直したから違うな。


『悩んでるみたいだけどそんな事じゃないよ。ニールちゃん、今回スキルを創った影響でこの世界への権限が高まったんだよね。実際僕の持ってる権限の半分持ってるよ』


『……そうか。で、それがどうしたんだよ』


『はぁ……。確かにニールちゃんが持ってても問題ないけどこの前会ったルティヤ君とかが煩いんだよね。昨日もニールちゃんを眷属にしたことを説教されたし……』


『……それはすまない』


『ホントだよ。僕は何もしてないのにルティヤ君とかラプラス君が君のことをーー』


 その後は体感1時間くらい世界神のここ数年で溜まった愚痴を聞くことになった。



____________________


 種族:ケツァルコアトル


 名前:ニール(成田 龍輝)


 年齢:5


 スキル:『鑑定LvMAX』『複製LvMAX』『探知LvMAX』『神速再生LvMAX』『並列思考Lv6』『加速LvMAX』『念話LvMAX』『万里眼LvMAX』『神権LvMAX』『吸血LvMAX』『魔導書LvMAX』『神剣LvMAX』『未来予測LvMAX』『人化LvMAX』『飛行LvMAX』『龍鱗鎧LvMAX』『空間支配LvMAX』『創造LvMAX』『崩壊LvMAX』『大罪LvMAX』『忍耐LvMAX』『縮地LvMAX』『神域Lv9』


 称号:『世界神の眷属』『神竜』『太陽神』『創造神』『金星の神』『魔物を率いる者』『神を殺す者』『冒険者』『虐殺者』『殺人者』『死神』『不老不死』『地獄の監守』『叡智』『賢者』『調合者』『影の国の民』『死者を喰らう者』『風と生の支配者』『七つの大罪』

スッキリした

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