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~野望を阻む者たち~

★★祝!!20000PV達成!!★★


読んでくださっている、皆さんに最大級の感謝を!!

 悪魔とのさらなる契約により、ラアン先生はミノタウロスへ変貌し、異能の力を持ったハルバートを振りかぶり、地面を割りながら、アルベネロとクレアを攻め立てる。

 そして、ミノタウロスはクレアを地割れへ落とすことにより、アルベネロの攻撃を躊躇(ちゅうちょ)させ、クレアにトドメを刺そうとする。しかし、レイン、レオの機転により、クレアは救出され、時間魔法によって、形勢は逆転されるのであった。

 

 

 

 

「私が隙を作るわ。攻撃は任せるわよ」

「わかった。任せろ」

「ウォォォ‼︎」

「シュート‼︎」

「ガァ⁉︎」

 

 

 

 ドオォォン‼︎

 

 

 

 迫ってくるミノタウロスを前にアルベネロとクレアは冷静に役割を決めれば、クレアは魔導銃〖ウルスラグナ〗の引き金を引き、迫ってくるミノタウロスの顔を的確に撃ち抜き、食い止める。

 

 

 

 

「クロノアクセル」

「クッ‼︎」

「後ろだ。ライジングサン‼︎」

「クソォォォ‼︎」

 

 

 

 アルベネロが魔方陣(まほうじん)を起動させた瞬間、ミノタウロスは腕を前で組んで防御するも、背中に焼ける痛みと強い衝撃を受け、数歩ほど前へよろめけば、ハルバートを後ろへ振り払うも既にアルベネロはクレアの前へ移動しており、ミノタウロスは苛立(いらだ)つように咆哮(ほうこう)する。

 

 

 

「喰らいなさい‼︎」

「ナンドモ、オナジテ、ガ、ツウジル、ト……‼︎」

「クロノジャンプ‼︎」


 

 

 ドオォォン‼︎ ドオォォン‼︎

 

 

 

 クレアは追撃の二発を放つと、ミノタウロスはハルバートで確実に防ごうと顔へ移動させる。しかし、アルベネロが魔法【時間跳躍(クロノジャンプ)】によって、ハルバートと弾丸の間に魔方陣(まほうじん)を作り出す。弾丸はそのまま真っ直ぐ魔方陣(まほうじん)に触れた途端、消えて無くなり、次の瞬間にはハルバートを越して、ミノタウロスの顔に二発とも命中する。

 

 

 

「ガァ⁉︎ ジカン、ヲ、トバシタ、ノカ⁉︎」

「ああ。ハルバートに弾が当たる瞬間、時間を飛ばして、通過させた」

 

 

 

 アルベネロが自在に時間魔法を行使するため、ミノタウロスは徐々に、焦りが出始める。身体に受けた傷も多くなり、何度も顔に弾丸を食らったためか、流血し、地面に垂れている。

 

 

「こんなことができるなんて……さすが、アルベネロ君。すごいわね」

 

 


 クレアはアルベネロの時間魔法に感心しながら、空となった〖ウルスラグナ〗の弾倉を抜くと、制服の内ポケットから新しい弾倉を取り出し、装填する。

 

 

 

「ドウシテ、ソコマデ、ノ、チカラ、ガ、アリナガラ、アノオンナ、ニ、シタガウ⁉︎」

「従ってるつもりはない。この学院に来たのは確かに勧められたからだが、強制されたわけじゃないしな」

「グゥゥゥ……‼︎」

 

 

 

 ミノタウロスは自分が完全に劣勢であると理解すれば、アルベネロ達へ攻撃しに行かず、後ずさりながら、二人から距離を置く。

 

 

 

『コノママ、デハ……』

 

 

 ミノタウロスは今の状況を打開する策を必死に探しながら、後ずさっていけば、何かにぶつかり、下がれなく。そして、背中にかなり冷たい感覚が伝わってくる。

 

 

 

「コイツ、ヲ……‼︎」

「ちっ‼︎ クロノアクセル‼︎」

「シュート‼︎」

「グゥゥ⁉︎ ガアァァァ‼︎」

 



 

 背中に感じる冷たい感覚に、ミノタウロスは振り返ると、そこには【零へと誘う息吹(コキュートス)】によって、氷漬けにされたヴァンパイアが居おり、ミノタウロスは策を思いつくと、ハルバートを大きく振り被る。

 アルベネロとクレアは氷を破壊しようと、隙だらけのミノタウロスへ向かって、攻撃を仕掛けるも、ミノタウロスは痛みに耐えながら、ハルバートを横凪(よこなぎ)に氷へ打ち付ける。そうすると氷に大きく食い込んだ後、ヒビが一瞬で広がり、氷は崩れ去る。


 

 


「はぁ‼︎ はぁ‼︎ よくやった‼︎」

「クレア、気をつけろ」

「ええ。ボロボロみたいだけど、油断はしないわ」




 ヴァンパイアは氷から解放されると、息を荒くしながらも立っていた。しかし、氷が壊れた衝撃で蝙蝠の羽はボロボロになっており、アルベネロの【煉獄(れんごく)業火(ごうか)】によって、焼けた痕も手と足に残っている。

 

 

 

「フー……フー……」

「いけ‼︎ ミノタウロス‼︎」

「ウォォォ‼︎」

 

 

 

 ミノタウロスは息を整えながら、アルベネロ達からの攻撃で受けた傷を回復させている。

 そして、ヴァンパイアが命令を出せば、ミノタウロスは咆哮(ほうこう)と共にヴァンパイアの胴体をハルバートで切り裂く(・・・・)

 

 

 

「はぁ?」

「アクマ、ソノ、チカラ、スベテ、ワタシ、ガ、イタダク」


 

 

 何が起こったか理解できていないヴァンパイアに対して、ミノタウロスは無慈悲に告げると、切り離されたヴァンパイアの上半身を頭部から喰らい、力を吸収する。

 

 

 

 

「傷が……‼︎」

「コレガ、アノアクマ、ノ、チカラ。コレナラ、アノオンナ、ニモ、カテル」

『アルベネロさん、クレアさん、転移門が小さくなり始めてます‼︎』

 

 

 

 ヴァンパイアを吸収したことで、身体中に負った傷は(またた)()治癒(ちゆ)していく。

 そんな中、レインはいち早く、転移門の縮小し始めていることに気づき、【念話(テレパシー)】でアルベネロとクレアへ伝える。

 

 

 

「オマエタチ、ヲ、タオシタ、アト、ワタシ、ハ、タロヌフ、ノ、モト、ヘ、ムカウ」

「大した自信だな……」



 

 ミノタウロスはヴァンパイアの力を吸収し、さらに強靭(きょうじん)となったことで、マナにも勝てると確信すれば、先程とは正反対の余裕な態度でアルベネロとクレアにハルバートを向ける。

 

 

 

「……クレア。最後まで付き合ってくれるか?」

愚問(ぐもん)ね。こんな化け物が相手でも、最後まで一緒に戦うわ」

「……助かる」

 

  

  

 さらに強くなった敵を目の前にしても、クレアは諦めることなく、アルベネロと戦う意思を見せる。クレアの言葉にアルベネロは笑みを浮かべればレイン、レオ、レーメ先生がいる方向へ視線を向ける。

 

 

 

「三人とも、向こうのことは頼んだ‼︎ エアブラスト‼︎」

「おい⁉︎」

「きゃっ‼︎」

「アルベネロ君⁉︎」

 

 

 

 アルベネロは閉じかけている転移門に向かって、クレア、レオ、レーメ先生の三人を【風の衝撃波(エアブラスト)】で吹き飛ばし、学院に戻す。

 

 

 

 

「サンニン、ヲ、ニガシタトコロ、デ、イミ、ハ、ナイ」

「それはどうかな」

「ナニ?」

「私たちの勝ちよ」

「ナニ、ヲ、ヨマイゴト、ヲ」

 

 

 

 ミノタウロスは三人を逃したことを無意味であると言うが、アルベネロとクレアは勝利を確信しているため、ミノタウロスは怪訝(けげん)な表情に変わる。

 

 

 

「ナニカ、ヲ、ネラッテイヨウ、トモ、スベテ、コワシテ、シマエバ、イイ」

「クレア、さっきより格段に強くなってるはずだ。気をつけろ‼︎」

「ええ‼︎ モードチェンジ、ホーミング‼︎」

 

 

 

 ミノタウロスは怪訝(けげん)な表情ではあったが、敵を全て倒せば問題ないと結論づける。

 アルベネロはクレアに再度、警告すれば、クレアは頷きながら魔導銃の引き金を三度引く。発射された弾丸はそれぞれが曲線を(えが)くようにミノタウロスが持っている、ハルバートを避け、腕や足に命中する。

 

 

 

 

「ソノテイド、モハヤ、カユイ」

「ここまで強くなってるのね……」

「クロノアクセル‼︎」

「アマイ‼︎ ダークインパクト‼︎」

「ガハッ‼︎」

 

 

 

 全弾命中したにも関わらず、ミノタウロスは怯むことなく、笑みを浮かべているほどであり、クレアは攻撃が効いていない事実に顔を(しか)める。

 そして、アルベネロが【加速する時間(クロノアクセル)】によって、ミノタウロスの背後へ瞬時に移動する。しかし、ミノタウロスは身体全体から黒い魔力を噴き出し、背後に移動したアルベネロを吹き飛ばしてしまう。

 

 

 

「アルベネロ君‼︎」

「くっ……」

「マズ、ハ、ヤッカイナ、オマエ、カラ、ダ」




 アルベネロは派手に吹き飛ばされ、硬い床に転がると、痛みに耐えながら体を起こす。

 ミノタウロスは厄介な存在であるアルベネロを狙って、大きくハルバートを後ろへ振り被り、そのままハルバートをアルベネロに向かって、投げる。

 その大きさと重量からは考えられない回転と速度でアルベネロへ迫っていく。

 

 


「させない‼︎ モードチェンジ、カノン。バースト‼︎」

 

 

 ガッ、ゴォォォォン‼︎

 

 

 クレアはミノタウロスへ狙いをつけていた銃口を投擲(とうてき)されたハルバートに移動させると引き金を引く。すると、今までと違い、弾丸に込められた魔力の反動でクレアの腕は上に跳ねでしまい、ハルバートに命中するも軌道を横にずらす結果となった。

 

 

 

「なんて反動なの……」

「マダ、ソンナ、チカラ、ヲ、カクシテイタ、カ」



 

 

 クレアは〖ウルスラグナ・カノンモード〗で撃った反動によって、手と腕に痺れを感じる。

 ミノタウロスはハルバートの軌道をずらす程の威力に少し驚く。そして、ハルバートに手を向けた瞬間、ひとりでにハルバートは地面から抜け、ミノタウロスの手元へ戻っていく。

 

 

 

 

「ニンシキ、ヲ、アラタメ、ヨウ。オマエ、モ、キョウイ、ト、ナルヨウ、ダ」

「今更、気づいたのかしら?」

「サキ、ニ、ケス、ノガ、サイゼン。グラトニー」

 

 

 

 ミノタウロスはアルベネロからクレアへ標的を変更すれば、手の甲に埋まる宝石をクレアへ向けると、【暴食者(グラトニー)】の黒い球体が五つ、クレアに向かって放たれる。

 

 

 

「バースト‼︎」

「ムダ、ダ」

 

 

 

 クレアは迫ってくる黒い球体へ向かって、魔導銃の引き金を引く、弾丸を放つも、ミノタウロスの言葉通り、弾丸は黒い球体の一つに吸収されてしまう。

 

 

 

『ウルスラグナでも止められない……なら‼︎』

 

 

 

 クレアは自身に【暴食者(グラトニー)】への対抗手段が無いと判断すれば、黒い球体を避けるように右方向へ走ると、そのままミノタウロスへ向かっていく。

 

 

 

「ヨケテモ、ムダ、ダ」

「うぐぅ⁉︎」

 

 

 

 クレアが前を駆け出した瞬間、お腹を掠めるように黒い球体が抜けていけば、激痛がクレアを襲い、膝を突く。そして、痛みに表情を歪めながら、何が起きたのかと混乱してしまう。

 

 

 

「サスガ、ハ、アノオンナ、ガ、エラン、ダ、セイフク」

「かはっ……くぅ……」

 

 

 

 クレアは痛みが走る腹部を自然と手で押さえる。そうすると、制服の感触が無く、【暴食者(グラトニー)】によって、腹部の制服が消え去ってしまっていた。そして、露わになった腹部にはいくつものミミズ腫れがあり、制服に施された防御が無ければ、致命傷(ちめいしょう)であったことを物語っていた。

 

 

 

「コレデ、オワリ、ダ」

「まだ……うぐぅ‼︎」

 

 

 

 ミノタウロスは【暴食者(グラトニー)】を発動しながら、クレアへ接近しており、自身の間合いまで近づいた瞬間、振り被ることなく、クレアに向かって、ハルバートを振り下ろす。

 

 

 

「クロノ、アクセル‼︎」

 

 

 ガァァン‼︎

 

 

 ハルバートがクレアに直撃する直前、アルベネロは【加速する時間(クロノアクセル)】によって、クレアの目前に移動すれば、両手に魔力を込めて、ハルバートを受け止める。そうすれば、まるで鉄同士がぶつかり合ったような音が響く。

 

 

 

「ぐうぅ‼︎」

「アルベネロ君‼︎」

 

 

 

 アルベネロはハルバートを受け止めることに成功するが想像以上の威力に地面が(へこ)んでしまい、受け止めている腕の魔力もハルバートの力によって、強制的に霧散されてしまう。

 



「クル、ト、オモッテ、イタ。ソシテ、オワリ、ダ。キュウマノテッツイ‼︎」

「しまっーーー」

 

 

 

 ミノタウロスはヴァンパイアを吸収したことで手に入れた魔力を吸収する力をハルバートに付与する。必然、アルベネロの腕を纏っていた魔力は急速に減り、そのまま、腕を弾くとアルベネロの身体を斜めに切り裂く。

 

 

「か、はっ……」


 

 アルベネロは身体を斜めに切り裂かれると前のめりに地面へ倒れると、地面に血が流れていく。

 


「しっかりして‼︎ アルベネロ君‼︎」

「ムダ、ダ」


  

 

 クレアは慌ててアルベネロの元へ駆け寄り、声をかけるがアルベネロは全く反応が無く、ミノタウロスは無慈悲に振り下ろして、地面に突き刺さったハルバートを引き抜く。

 

 

「そんなことって……」

「ツギ、ハ、オマエ、ダ」


 

 

 地面に倒れて動かないアルベネロにクレアは涙が自然と流れてしまう。しかし、ミノタウロスは無慈悲に涙を流すクレアに向かって、今度はハルバートを振りかぶって、とどめを刺そうとする。

 

 

 

「ッツ‼︎ バースト‼︎」

「ムッ……」

 

 

 クレアは涙を流しながらも振り下ろされるハルバートに向けて、魔導銃を構えれば、引き金を引き、軌道をずらす。

 

 

「マダ、ウゴケタ、カ」

「アルベネロ君が、守ってくれたのに、ここで、諦められるわけ、ないで、しょ‼︎」

 

 

 クレアは涙を流しながらも、心は折れず、諦めることなく、ミノタウロスに立ち向かう。

 


『残り二発……弾倉は残り一つ……でも、カノンモードでも威力が足りない……なら、私が勝つ可能性は……』

 

 

 

 クレアは魔導銃の残弾を確認すれば、覚悟を決めると、内ポケットから【氷炎地獄(インフェルノ)】の魔方陣(まほうじん)が描かれた指輪をはめる。

 

 

 

『チャンスは一度。今の残り魔力だと、使った時点で動けなくなる……でも、これに賭けるしかないわ』

 

 

 クレアは魔導銃を構えれば、深呼吸を繰り返してから、地面に倒れるアルベネロの前に立つ。

 

 

「キエロ。グラトニー」

「ファイアーブレス‼︎」

「ナン、ノ、マネ、ダ⁉︎」

 

 

 

 ミノタウロスは魔導銃を警戒し、【暴食者(グラトニー)】によって、クレアにとどめを刺そうとするが、クレアは前へ飛び出すと、迫る黒い球体を制服の一部を犠牲にしながらも避けていき、背後に火炎を放てはミノタウロスの間近まで接近する。

 

 

 

「この距離なら……」

「ムダ、ダ‼︎」

「それはどうかしら?」

「ナーーー」

 

 

 ミノタウロスは至近距離のため、放たれるであろう魔導銃の弾丸を避けられないと判断すれば、身構える。

 しかし、クレアは魔導銃の引き金を引く直前、内ポケットから取り出していた最後の弾倉に魔力を込め、ミノタウロスの目前に放り投げる。

 

 

「喰らいなさい‼︎ バースト‼︎」

  

 

 ドゴォォォォォン‼︎ バァン‼︎ バァン‼︎

 バァン‼︎ バァン‼︎ バァン‼︎ バァン‼︎



「きゃぁ‼︎」

「ガァァァァ⁉︎ ジバク、カ⁉︎」

「そんな訳、無いでしょ」

 

 

 クレアは最後の弾倉に弾丸を打ち込めば、魔力が込められている弾倉内の弾丸を誘爆させ、無理やり威力を引き上げる。

 その結果、ミノタウロスを一時的に(ひる)ませる効果はあったが、誘爆であるため、指向性は当然なく、クレアも爆風に巻き込まれ、吹き飛ばされる。

 

 

「はぁ‼︎ はぁ‼︎」

「ドコダァァ⁉︎」

 

 

 クレアは立ち上がると指輪に魔力を込めていき、【氷炎地獄(インフェルノ)】の魔方陣(まほうじん)を作り出す。

 ミノタウロスは視界が定まっていないのかハルバートを振り回しており、吹き飛ばされたのが(こう)(そう)していた。

 

 

「間に合って……‼︎」

「クッ、カイフク、ヲ、ユウセン、スレ、バ」

「モードチェンジ、スタンダード‼︎」

 

 

 クレアは【氷炎地獄(インフェルノ)】の魔方陣(まほうじん)を完成させた瞬間、魔導銃〖ウルスラグナ〗を魔方陣(まほうじん)へ向ける。

 

 

「ソコカァァ‼︎」

「消え去りなさい‼︎ インフェルノ、シュート‼︎」



 クレアは魔方陣(まほうじん)に向かって、魔導銃の引き金を引けば、弾丸は魔方陣(まほうじん)を通過すれば、吸収すると、白と赤の光を放ちながら、ミノタウロスへ放たれる。

 

 

「ソンナ、モノ‼︎」

 

 

 ミノタウロスは弾丸をハルバートで受け止めようとした瞬間、弾丸が消えたかと思えば、既にハルバートを超えて、目前に弾丸は迫っており、この状況で避けることは出来ず、顔に直撃する。

 

  

 ゴォォォォ‼︎ キィィィィン‼︎

 

 

 ミノタウロスは身体全体を赤い炎が包んだ後、さらに氷が身体全体を凍らせてしまう。

 一方、クレアは魔力を使い切ったことでその場で前のめりに倒れては意識が途切れそうなほどの脱力感に襲われる。

 

 

「あの化け物……は……」

 

 

 途切れる意識を必死に繋ぎ止めながら、顔を上げ、ミノタウロスが立っていた場所を確認する。

 

 

「ハァ‼︎ ハァ‼︎ アクマ、ノ、チカラ、ガ、ナケレバ、アブナカッ、タ」

「そん、な……」


 

 ミノタウロスが立っていた場所には身体全体から煙を上げながらもミノタウロスは生きており、ハルバートを引きずりながら、クレアに近づくと、そのままハルバートを振り上げる。

 

 

「ダガ、コレデ、オワリ、ダ」

「アルベネロ君‼︎ ごめんなさい‼︎」 

 

 

 ブォン‼︎

 

 

 空を切る音ともにハルバートをミノタウロスは振り下ろす。避ける力も、軌道を逸らすための弾も残っていないクレアはハルバートが振り下ろされる瞬間、思わず、目を(つむ)れば……



「闇を消し去れ、夜光(やこう)」 


 ガァン‼︎

 

「ナ、ニ⁉︎」

「ふぇ……」

 

 

 金属音が響いたと思えば、ミノタウロスは動揺したように声を上げ、自然とクレアは目を開けると、目の前に立っているはずがない相手が守るように立っていた。

 

 

 

「約束しただろ? クレアは必ず守るって」

「ほ、本当に……アルベネロ君、なの?」

「他の誰かに見えるか?」

「い、生きて……‼︎」

「ああ、生きてるよ」

 

 

 

 クレアは幻覚でも見ているのではないかとアルベネロが立っていることを信じることが出来ないでいたが、アルベネロの声を聞いて、涙を流しながら喜ぶ。

 

 

 

「アノ、キズ、デ、ドウヤッテ⁉︎ ソレ、ニ、ナゼ、ソンナ、ブキ、デ、ウケトメラレル⁉︎」

「はっ‼︎」

「ぐぅぅ⁉︎」




 アルベネロはハルバートを受け止めていた()に力を込めると、ハルバートを弾き飛ばしてしまえば、ミノタウロスが数歩、後ろに下がる。

 

 

 

「クロノアクセル」

「ダークーーー」

輪廻割断(りんねかつだん)

「ガァァァ⁉︎」

 

 

 

 アルベネロは一瞬でミノタウロスの背後に移動すれば、魔法が発動される前に刀で背中を切り裂き、クレアの前へ戻る。

 

 

 

「コンナ、キズ‼︎」

「治せるだろうな。だが……」

「ウゥ⁉︎ ナ、ナンダ⁉︎ ガァァァァ‼︎」

 

 

 

 ミノタウロスは斬られた背中の傷を治し始めた瞬間、身体の至る所がボコボコと膨れていき、そのまま膨らみが腕の一点に集まれば、膨らみが破裂した瞬間、吸収され、ミノタウロスと融合していたヴァンパイアが現れ、地面に落ちる。

 

 

 

「カンゼン、ニ、ユウゴウ、シテイタ、ハズ、ダ‼︎」

「悪魔を吸収した過去を斬ったんだ。そうすれば、辻褄(つじつま)を合わせるために悪魔は分離し、身体から出てくる」

「ソ、ソンナ、チカラ、セイケン、スラ、コエテ、イル。マサカ……‼︎」

「ああ。お前と同じ、異能の力だ」

 

 

 

 アルベネロは既にハルバートで斬られた傷は回復し、魔力すら、大幅に跳ね上がった状態である。アルベネロの力にミノタウロスは恐怖で後ずさるも、ハルバートを再び構え、アルベネロもまた、敵を倒すために刀を構えるのであった。

 

 

 

 

 

[一方、転移門から学院に戻った、レイン、レオ、レーメ先生……]


 

 

「戻れねぇ‼︎」

「レオ君、向こうはアルベネロさんとクレアさんに任せるしかないです」

「悔しいですが、今は仕方ないです。レインさん、学院長へ連絡は出来そうですか?」

「大丈夫です。レーメ先生は一階にいるサキさんの援護をお願いします。問題無いと思いますがレオ君は念のため、私を守ってください」

「任せろ‼︎」

「そうですね。連絡はお願いします」

 

 

 

 

 レオは転移門があった壁を叩くも通り過ぎることはなく、転移門は消えてしまっていた。

 そして、レーメ先生はサキ達の救援へ向かい、レインは連絡のためにその場で目を閉じては意識を集中し始める。レオはレインが集中している間、教室へ敵が入ってこないか警戒する。

 

 

 

 

『ラアン先生の目的は学院長……あの時、勝てると確信していたなら、あの人(・・・)の近くに居るはず……』

 

 

 

 クレアは【千里眼(クレヤボヤンス)】によって、視点を一気に飛ばすと、学院から離れ、さらに移動させていく。

 

 

 

『場所はロムルス王国……お城の近く……』

 

 

 

 一瞬で変わる風景の中でレインは視点を移動させ続ければ、目当ての屋敷が見えてくる。

 レインは屋敷の中へ視点を移動させていき、ドアを抜けようとすれば……

 

 

 

「うっ……‼︎」

「レイン⁉︎ 大丈夫か⁉︎」

「大丈夫、です。結界に阻まれただけです」

 

 

 

 視点がドアを通過しようとした瞬間、結界によって、視点は弾かれ、頭痛がレインを襲うが、再度、目を閉じて、【千里眼(クレヤボヤンス)】を発動する。

 

 

 

『お二人が向こうで頑張ってるんですから、ここで諦める訳にはいかないです』

 

 

 

 レインは視点をすぐに移動させては扉以外の場所を探す。結界の種類によっては結界の効果外の箇所が存在している可能性があり、諦めることなく探し続ける。

 

 

 

『さすがに穴はない……いえ、もしかしたら……』

 

 

 

 レインは屋敷を(くま)なく【看破(ディテクト)】 で調べるが結界に穴は見つからず、諦めそうになるも、思い出したように視点を地中へ移動させる。

 

 

 

『見つけました‼︎ 地中と床には結界の効果は届いていないみたいですね』

 

 

 

 レインは地中から視点を屋敷内に移動させれば、視界に入る扉を順に調べていく。

 そして……

 

 

 

『居ました‼︎』



 

 レインが豪華な部屋の一室を覗けば、そこには豪華な服を着ている太った男がマナと何かを話し合っている様子が見えた。

   


   

「もう話は終わりにしていいか?」

「いや、まだいくつか話がーーー」

『テレパシー‼︎ 学院長‼︎』

「ッツ⁉︎ この魔力、レインか?」

「どうかしたかね?」

「黙っていろ」

 

 

 

 マナは突然、頭に響くレインの声に驚く。

 目の前に座っている貴族はマナの様子を(いぶか)しげに思い、声を掛ければ、命令するようにマナは貴族に言い放つとその場で立ち上がる。

 

 

 

『何があった?』

『学院が黒い指輪をつけた集団に襲われました。黒幕は悪魔と契約したラアン先生です。学院のほとんどの教室が占領されている状況です』

『なに⁉︎ わかった。ラアンの居場所はわかるか?』

『訓練棟にあった転移門で移動した先に居ました。ただ、今はその転移門は消えて、アルベネロさんとクレアさんがラアン先生と戦っています』

『……そうか。わかった。すぐに戻る』

 

 

 

 レインからの知らせにマナは目を見開き、状況を説明された瞬間、頭の中が怒りに満たされる。マナは【念話(テレパシー)】を切ると貴族に何も言わずにその場で立ち上がると、部屋の扉へ向かう。

 

 

 

「突然、どうしたというのかね⁉︎」

「急用ができた。何か話したいことがあるなら、全てが終わったあとだ」

「……仕方ない。それなら、早馬をすぐに用意してーーー」

「それなら、私が来る前にはなかった、この結界(・・・・)を解除してもらおうか」

「……はて、なんのことでしょうか?」

 

 

 

 部屋の扉を開け、外へ出ると、マナの後を貴族が追いかけるように出てくる。

 そして、急用という言葉に貴族は手助けの提案するがマナは一蹴(いっしゅう)し、結界の解除を求めるも、貴族は知らぬ存ぜぬとしらばくれる。

 

 

 

「そうか。では、破壊させてもらおう」

「私の屋敷を壊すと? そんなことをすれば、大問題になりますよ」


 

 

 マナは貴族の態度に、詰め寄るようなことはせずに出入り口へ歩き始め、結界を壊すために魔方陣(まほうじん)を手元に作り出す。貴族は薄気味悪(うすきみわる)い笑みを浮かべながら屋敷を壊したら問題になることを示唆(しさ)する。

 

 

 

「それがどうした。メテオインパクト」

「しょ、正気か⁉︎」


 

 

 ゴオォォォォォ‼︎

 

 

 

 マナは貴族の言葉を意に介さず、【隕石の衝突(メテオインパクト)】を発動する。空から落下してくる巨大な岩。その大きさは屋敷全てを押しつぶすほどの大きさである。

 

 

 

「早く止めろ‼︎ ここはロムルス王国の貴族街とわかっているのか⁉︎」

「他に被害がなければいい」

 

 

 

 ドオォォン‼︎ パリィィィィン‼︎

 

 

 

 貴族はマナに止めるよう命令するが、マナは魔法を止める気はなく、隕石が結界に衝突した瞬間、結界は崩壊し、そのまま屋敷の屋根を粉砕した時点で突然、消え去る。

 

 

 

「か、覚悟していろ‼︎」

「黙れ。今、命を取らないだけ、感謝するんだな」

「くっ‼︎」

 

 

 

 貴族は怒りを隠そうともせずにマナを(にら)むが、マナはそれ以上の怒りがこもった目を向け、冷たく告げると、学院へ転移し、姿は消える。

 

 

 

『すまない……アル……』




 マナは襲撃者と、アルベネロを事件に巻き込んでしまった自身の不甲斐(ふがい)なさに怒りを感じながら、聖ソーサリ魔術学院の寮へと転移するのであった。

 

 

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作者:@canadeyuuki0718

絵師様:@Eroinstein7027

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