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~秘密の夜と最悪の事態~

 アルベネロ達は模擬戦や黒い指輪、今後の方針について、話し合いを終え、それぞれが寮へと戻っていく。迂闊(うかつ)な行動は控えるためにも、全員が自室へ戻り、思い思いの時間を過ごしていく。

 そんな中、夜も更ける頃合いにアルベネロの部屋には、部屋着姿のクレアがソファーに座っていた。

 

 

 

「本当に良いのか?」

「何度も聞かないで……私も恥ずかしいんだから……//」

「……わかった」

 

 

 

 アルベネロも同様に部屋着姿であり、ソファーに座っている状況で、クレアに何度目かの確認を行う。

 恥ずかしそうにしながらも答えるクレアの言葉にアルベネロは覚悟を決めれば、クレアを連れて、寝室へと移動すると二人でベットの端に座る。

 

 


「流石にドキドキするわね……//」

「それは俺もだ。でも、まさか、出会って一ヶ月も経ってないのに、一緒に寝ることになるなんて思わなかったな」

「それは私も……って、いつまでも話してたら、寝れなくなっちゃうわ。早く横になるわよ」

 

 

 

 クレアは恥ずかしさを誤魔化すためにベットに乗ると布団の中へ入り、横になる。

 その様子にアルベネロは再度、覚悟を決めれば、クレアとほんの少しだけ離れた場所で横になる。

 

 

 

「手、お願い……」

「わかった。これで、寝れそうか?」

「ええ、さっきみたいに、うなされなくて、済みそう……」

 

 

 

 クレアはアルベネロへ手を伸ばすと、応えるようにアルベネロも手を伸ばして握り合う。

 

 

 

『今になって、すごく恥ずかしくなってきたわ……//』



 

 どうしてアルベネロとクレアが同じベットに寝ることになったか。それは【恐怖(テラー)】の効果によって、クレアは気持ちを落ち着かせないと恐怖に(むしば)まれてしまう状態であり、初めはクレアも一人で寝ようとしたが、何度寝ようとしても悪夢が恐怖心を(あお)り、目が覚めてしまう。

 そのため、クレアは今、最も安心することが出来るアルベネロの元へ訪れ、一緒に寝て欲しいとお願いしたのであった。

 

 

 

「……//」

「……」

 

 

 

 時間も遅いため、互いに少しの間、見つめ合った後は、向かい合った状態で目を閉じる。

 

 

 

『『寝れる気がしない……』』

 

 

 

 互いに目の前にいる相手のことを意識してしまっており、握り合っている手から伝わってくる感触がより相手を意識させる。そのため、二人とも中々眠ることができず、時間だけが過ぎていく。

 

 

 

「……寝れないのか?」

「アルベネロ君こそ……」

「「……」」

 

 

 アルベネロは目を(つぶ)ったまま、クレアへ声を掛けると、クレアも目を瞑ったまま反応する。しかし、その後は互いに何を話すわけでもなく、また無言の時間が過ぎていけば……

 

 

 

「どうしてかしら……アルベネロ君がそばに居てくれてるから、安心できるのに、なんだかドキドキして眠れないわ……」

「はは……俺も、同年代で、しかも、こんなに綺麗な女の子がすぐ側で寝てると思うと、寝れないな」

 

 

 

 自然とクレアは今の状況に対する、胸の内を語る。アルベネロもクレアと同様に胸の内を語れば、少しだけクレアの口元が緩む。

 

 

 

「あら、私のこと、女性として、意識してくれてるのかしら?」

「当たり前だろ」

「ふふ……」

「恥ずかしいこと言ってるのはわかってるから、笑わないでくれ」




 クレアは、アルベネロが自分のことを一人の女性として意識してくれていると知れば、自然と目を開ける。

 

 

 

「……私もアルベネロ君のこと、一人の男性として意識してるわ」

「そ、それは光栄だな……」



 

 目を(つぶ)ったままのアルベネロをクレアは見つめながら、本心を伝える。しかし、アルベネロはクレアの言葉に戸惑いながらも、そのままの意味で受け取らず、揶揄(からか)われているのではないかと考える。

 

 


「その、冗談でもそんなことは言わない方が……」

「冗談でも、揶揄(からか)ってる訳でもないわ」

「……まだ、出会って長くないだろ?」

「時間が関係ないなんて言わないけど、短くても私は良いと思ってるわ」

「……」

 

 

 

 真剣な口調でクレアは話すため、アルベネロは最終的に無言になってしまう。その様子にクレアは決心したように握り合う手の力が強くなる。

 

 

「アルベネロ君……」

「どうしーーー」

「んっ……//」

 

 

 

 クレアがアルベネロの名前を呼ぶと、アルベネロは少し口を開けて、聞き返そうとする。

 しかし、アルベネロの言葉を遮るようにアルベネロの唇に何か柔らかいものが触れ、クレアの(あで)やかな声が微かに部屋に響く。

 

 

 

「ク、レア……⁉︎」

「何をしたかは秘密よ。でも、これで、冗談でも、揶揄(からか)ってる訳でもないのは伝わったかしら……?」

「あ、あぁ……」

 

 

 

 唇に伝わってきた感触にアルベネロは思わず、驚いては目を開ける。目の前にはクレアが変わらず横になっているが、その距離は互いの鼻先が触れ合わんばかりにまで近づいており、クレアは眼を潤ませながら、アルベネロを見つめており、顔は真っ赤になっている。

 

 

 

「次は……ちゃんと見える時にするわ。だから、その……おやすみなさい‼︎」

「あ、あぁ……おやすみ」  

「……〜〜//」

 

 

 

 クレアはアルベネロと手を繋いだまま布団の中へと潜ると、息を落ち着けながら今度こそ寝ようとする。アルベネロも先程、起きたことに対して、混乱がおさまらない中、もう一度、目を閉じる。

 

 

 

『キス、されたよな……』

『あらあら♪ 青春ね♪』

『姉ちゃんの言葉も、今回ばかりは否定できないな』

『中々、良い子だし、お姉ちゃんは良いと思うわよ? アー君も……その子はもう、大事に思ってるでしょ?』

『……』

『アー君も男の子なんだから、男を見せないとね』

 

 

 

 見てはいなかったが唇に残っている、確かな感触がアルベネロの意識をずっと覚醒(かくせい)させる。アルベネロは呆然(ぼうぜん)としてしまっていると、頭の中に楽しそうな声が響き、その声にアルベネロは何も言い返せなくなってしまう。

 

 


『とりあえず、今の問題を解決した後に、向き合ってあげたら?』

『……そうだな』

『ふふ、ちゃんと恋人になったら、お姉ちゃんのことも紹介してね♪』

『はは……気が早いから』

 


 

 後回しにしてしまっているだけだが、アルベネロは気が楽になると、少しでも寝ようと思うのであった。 

 そして、夜が明け、日が昇り、朝を迎えた頃……

 

 


「もう、朝か……」 

「ん、んぅ……もう朝?」

 

 

 

 朝を迎え、アルベネロはクレアより先に目を覚まし、身体を起こせば、繋いでいた手が離れていることに気づく。そして、動いた際の振動が影響したのか、クレアも目を覚まし、布団の中から抜け出してくる。

 

 

 

「あぁ、おはよう。クレア」

「……アルベネロ、君?」

「昨日のこと、忘れたか?」

「そうだったわ。たしか、一人で寝れないから、一緒に寝て欲しくて、アルベネロ君の部屋に行って、同じベットで……ベット、で……」

 

 

 

 アルベネロはクレアへ朝の挨拶をすると、クレアは不思議そうにアルベネロを見つめるが、昨日のことを思い出しては納得した表情となるが、段々と口元が震えていき、顔がみるみる赤くなっていく。




「く、クレア?」

「ひゃ、あ、その……//」

「だ、大丈夫か?」

「む……」

「む?」

「むりぃぃぃ〜〜〜……//」

「クレア⁉︎」

 

 

 

 アルベネロはクレアを心配するように見つめていれば、クレアは我慢できなくなったように布団の中へとまた潜ってしまい、ベットに山ができる。

 

 


『アルベネロ君に、わ、わた、し、き、キス⁉︎ そ、それにあんなことまで言って……⁉︎』

 

 

 

 クレアはベットへ横になってから眠るまでの間にしたことを全て思い出すと、激しい羞恥心にアルベネロと顔を合わせることができなくなってしまっていた。

 

 

 

『も、もう、あんなの好きって言ってるようなものじゃない‼︎ ほとんど告白よ‼︎』


 

 

 布団の中でクレアは(もだ)えて、涙目になりながら必死に落ち着こうと思うが、思い返す度に羞恥心でいっぱいになり、布団から出るに出られない状態が続いてしまう。

 

 

 

「んにゅぅぅぅう〜〜……//」

「そ、その……俺は離れた方がいいか?」

 

 

 

 かなりクレアが(もだ)えている様子に、アルベネロはクレアが布団に潜って、山を作っている理由をなんとなく察すれば、自分が寝室から出ること提案する。

 

 

 

「そ、それは流石に悪いわよ……//」

「なら、いつまで潜ってるんだ?」

「それは……//」

 

 

 

 アルベネロの提案を受けて、クレアは布団の中から顔だけ出すと、提案を受けることを躊躇(ためら)う。その様子にアルベネロは少し呆れながら、軽く布団を引っ張ってみたりする。

 

 

 

「ふー……// ふー……// 落ち着けたわ……//」

「……ワールウインド」

「きゃ⁉︎」


 

  

 深呼吸をして、落ち着けたというクレアだが、布団から出ようとはしない。アルベネロは少しの間、クレアが出てこないか見つめては【巻き上がる風(ワールウィンド)】で布団を上に吹き飛ばし、ついでにクレアも身体が少し浮くとすぐにベットへ着地する。

 

 

 

「改めて、おはよう。クレア」

「お、おはよう……アルベネロ君」

 

 

 

 突然の出来事にクレアは呆然としてしまうが、そのおかげで少しの間、羞恥心を忘れることができれば、互いに挨拶を交わす。

 

 


「みんなが動き出す前に部屋へ戻った方がいいんじゃないか?」

「それも……そうね」

「部屋まで送ろうか?」

「隣だから、大丈夫よ……」

 

 

 

 何もなかったかのようにアルベネロは振る舞うため、クレアも深く考えることなく、自室へ帰っていった。

 

 

 

「とりあえず……なんとかなったな」

『____?』

「それは気をつける」

『____♪』

「だから、気が早いって」

 

 

 

 アルベネロはクレアが自室へ帰って行くのを見送ったあと、軽食を食べてから制服に着替えて、身支度を済ませる。

 

 

 

「早めに行くか……」


 

 朝礼まで時間に余裕はあるがアルベネロは鞄を持ち、部屋から出ては教室へ向かう。

 

 

 

『マナが行き先も言わずに出たのなら、戻ってくるのは昨日か今日。昨日、戻ってるなら、まず俺のところに来るはずだから、まだ戻ってないとして……』

 

 

 

 アルベネロは現在の状況を頭で整理し直しながら歩いていれば、いつの間にか教室の前まで辿り着いており、危うく通り過ぎそうになる。

 

 

「あっ、アルベネロさん。おはようございます」

「んん? あぁ、ついてたのか」


 

 

 教室からレインが顔を出して、アルベネロへ挨拶したことにより、アルベネロは教室の前までたどり着いていたことに気づけば、教室の中へ入る。

 

 

 

「おはよう。レインは来るのが早いな?」

「いつもはこんなに早くないですよ? ただ、昨日のことを考えると落ち着かなくて」

「なるほどな。休めたか?」

「それはバッチリです♪」

 

  

 いつものようにレインは水晶玉を持った状態でアルベネロと話しており、教室にはまだ、アルベネロとレインしか来ておらず、二人っきりの状況である。

 

 

 

「何よりだ。もし、何かあるとしたら、今日……だろうからな」

「そうですね。学院長が居ない間を狙うでしょうし。あとは……もし、学院を占領するとしたら、どこかに生徒たちを集めると思います。その場合、考えられるのは教室か、訓練棟に生徒を集めて、監禁でしょうか?」

「それが可能性としては高いな」

「あ、あくまでも私の予想ですよ? もしかしたら違うかもしれないですし」

「いや、かなり的を射抜いてると思う。昨日の模擬戦もレオのことを無視したら、完璧な作戦だったからな」

 

 

 レインの予想に対して、アルベネロは感心しながら、もしもの時に対する作戦をレインと話す。

 

 

 

「どうだ? 出来そうか?」

「大丈夫です。ただ、それだと、どうしても皆さんの負担が大きくなりますよ?」

「そこは頑張って貰うしかないな。これはレインにしか出来ないことだ」

「……わかりました。もしもの時は、よろしくお願いします」

「よろしく頼む」

 

 

 

 アルベネロとクレアは話し合いを終えると、レインはアルベネロを不思議そうに見つめる。

 

 

「どうした?」

「アルベネロ君はどうして、落ち着いていられるんですか? 怖がらないにしても、私のように普通は緊張したりすると思います」

 

 


 レインに見つめられていることに気づいたアルベネロは声を掛けると、どうして落ち着いていられるのかとレインから質問される。

 

  

    

「俺だって、緊張してない訳じゃない。ただ、こんな状況になれてるだけだ」

「前の学校でもこんなことが?」

「あぁ……襲われるかもしれないっていう状況に慣れてるってことだ」

「……もっとアルベネロ君のことが知りたくなりました。この騒動が終わったら、また、色々と聞かせてくださいね♪」

「あはは……」


 

 

 アルベネロの言葉に、レインは苦笑いを浮かべてしまうと、先ほどまでの緊張した表情からいつものようにニコニコとした表情へ戻る。

 

 

『本当に変わった人です♪ もっともっとアルベネロさんのことが知りたくなっちゃいます。そのためにも……』

 

 

 

 レインはアルベネロへの興味をより深めると、もっと親密な関係になれるように画策し始めるのであった。

 

 

 

「あら、二人とも、ごきげんよう。早いわね」

「あっ、おはようございます。クレアさん」

「おはよう。俺はさっき来たところだ」

 

 

 

 アルベネロとレインの話が終わった頃、クレアが教室へと入ってくると、アルベネロとレインへ挨拶をする。

 クレアの様子は平常に戻っており、朝のように狼狽(うろた)えるようなことはなく、にこやかに挨拶をしている。

 

 

 

「あ、クレアさん。体調はもう大丈夫ですか?」

「ええ、後遺症も治ったわ」

「それなら安心です。何かあるとしたら、今日ですから」

「……何も起きないことを祈るわ」


 

 

 レインの言葉にクレアは何のことか察すると外を眺めて、呟き、アルベネロとレインも同意するように頷く。

 

 


 そこから数分後……他の生徒たちも教室に入って来れば、自分の席へと座っていき、その中にはサキやアリサ、リンカの姿もあったが、一向(いっこう)にレオだけが姿を見せない。

 

 

 

「レオ君、まだ来ないですね」

「こんな時に、あのバカが寝坊するとは思えないわね。逆に私たちよりも早く来ると思うわ」

「なら、考えられるのは……」


 

 キーン、コーン、カーン、コーン 

 

 

「はい。皆さん、席に座ってください」

 

 

 チャイムの音が鳴り響くと共にレーメ先生が教室に入ってきたため、レインは自分の席へ戻り、他の生徒も席へ座る。

 

 

 

「皆さん、出席してますか?」

「レーメ先生。四人ほど、まだ来てないです」

「レオ君は体調不良のため、寮で休むと連絡がありました。他の三人は私用で欠席です」

「体調不良……」


 

 昨日までのレオは特に調子が悪いように見えなかったため、アルベネロはレーメ先生の言葉を疑いながらも追及はせず、ガレン達については軟禁でもされているのかと推察する。

 


  

「すみません。少しいいですか?」

「はい。クレアーゼさん、どうしましたか?」

「その指輪は誰かからの贈り物ですか?」

「これのことですか?」

 

 

 

 クレアからの質問にレーメ先生は右手を少し挙げれば、人差し指に銀色の指輪がはまっている。

 


 

「これは、知り合いからもらったものです」

「そうですか……ファイアーボルト」

「なっ⁉︎ ウォーターボルト‼︎」



 

 レーメ先生が質問に答えると、何度かクレアは頷いた後に右手を前に出せば、【火の矢(ファイアーボルト)】の魔方陣(まほうじん)を手の先に作り出し、火球をレーメ先生に放つ。クレアの攻撃にレーメ先生は驚きながらも魔法【水の矢(ウォーターボルト)】で相殺する。

 

 

 

「く、クレアーゼさん⁉︎ 突然、何を⁉︎」


 

 突然、クレアから攻撃されたレーメ先生は警戒している様子でクレアの方向を見つめている。

 

 

 ザワ……ザワ……

 

 

 クレアの行動に他の生徒たちも驚きを隠せないようだが、アルベネロ、レイン、サキ、アリサの四人はクレアの意図を察する。

 

 

 

「レイン、どうかしら?」

「はい。偽物ですね。銀の指輪が変装用の魔導具(まどうぐ)です」

「なっ、どうしてバレた⁉︎」

 

 

 レインの言葉にレーメ先生(偽物)は狼狽(うろた)え、声は変わらないが言葉遣いが荒々しくなり、どうしてバレたのかわかっていない様子である。

 

 

「変装は完璧なはずだ‼︎」

「あら、わかってるじゃない。バレたのは見た目だけ(・・)完璧だからよ」 

「くっ、全員、動くーーー」

轟砕雷鳴(ごうさいらいめい)‼︎」

「ガハァ⁉︎」



 レーメ先生(偽物)はポケットから黒い指輪を取り出すと、指にはめて、生徒に命令しようとするが、瞬時にサキが席から飛び出せば、レーメ先生(偽物)の胸に拳を打ち込み、壁に吹き飛ばす。

 

 

 

「指輪、取った」

「見たことあるか?」

「知らない顔ね。ただ、性別に関係なしで見た目は完全に変えれるのね」

 

 

 

 サキは壁に吹き飛び、気を失ったレーメ先生(偽物)がはめている銀の指輪を素早く外すと、むさいおっさんに姿が変わる。服装までも変化し、黒いローブが現れる。

 

 


「状況整理だ。レイン、わかるか?」

「他の教室は黒いローブを着た人が何人かの生徒を外に出して、残りの生徒は魔法で縛ってますね」

「先生たちはどうしてるのかしら?」

「それが大半の先生は職員室で倒れてます。それに職員室の周りに結界が張られてますね」




 レインは【千里眼(クレヤボヤンス)】と知覚魔法の一つ【看破(ディテクト)】で学院内の状況を確認してはアルベネロ達へ報告する。

 レインの情報からアルベネロ、クレアが状況を整理しようと黒板に文字を書いていく。

 


  

 

「レオとレーメ先生は職員室にいるか?」

「いえ、見当たらないです。それと、訓練棟が見れないです。職員室の結界より強力ですね」

「ここまでの情報をまとめると……レオ、一人で訓練棟に行ったな」

「間違いないわね。あのバカなら、レーメ先生が心配だからって、隠れて行くぐらいするわ」

「レオ君ですからね……」

 



 

 アルベネロ、クレア、レインはレオとレーメ先生の居場所について考察すれば、訓練棟に居ると結論付ける。

 

 

 

「ど、どういうことなんだ⁉︎ 知ってるなら、説明してくれ⁉︎」

「ここで何が起きてるの⁉︎」

 

 

 

 今の異常な状況に対して、昨日の模擬戦からこうなることを予想していたアルベネロ、クレア、レイン、サキ、アリサ、リンカの六人は動じていないが、他の生徒たちは混乱するのは仕方がないことであった。

 

 

 

「わかった。説明するから、落ち着いてくれ」

「まずは今の状況からね」

「早く行動したいので質問は無しです」




 アルベネロとクレア、レインが今の状況について、クラス全員へ説明を行っていく。

 そして、説明を終えると、遂にアルベネロたちは学院奪還のため行動を開始するのであった。

 

 

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