~アルベネロ VS Gグループ~
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第一戦、〖レイン&レオ〗VS〖Aチーム〗の模擬戦はレインの作戦によって、〖レイン&レオの二人組チーム〗が勝利を収める。
続いて行われた、第二戦、〖Bチーム〗対〖Dチーム〗。第三戦、〖Cチーム〗対〖Eチーム〗の模擬戦も終わり、遂にアルベネロの出番がやってくる。対戦相手はGチームであり、エルフのアリサ、竜人のリンカ、猫獣人のサキと、全員が女子生徒で構成されたチームである。
そして、両者が事前に指示されたエリアへ移動すると、レーメ先生の合図と共に試合が開始され、その直後、教室の中央から外側に向かって、激しい突風が発生し、霧を吹き飛ばしてしまうのであった。
「一瞬で霧を吹き飛ばすって、なんですか⁉︎」
「アリサ。冷静に」
「はっ‼︎ そ、そうですね。作戦変更です‼︎ リンカさん、早速、出番です‼︎」
「は、はい‼︎」
「リンカなら、大丈夫。ちゃんと私もフォローする」
「うん‼︎ 私、頑張る‼︎」
一瞬で霧が晴れてしまうという、突然の出来事にアリサは驚くが、すぐにサキが嗜めると、次の作戦へ移行していく。
そして、霧を吹き飛ばした張本人である、アルベネロはゆっくりとした歩みで、Gチームが居る方向へ進み始めていた。
「ど、どんだけ余裕なんですか⁉︎」
「アリサ、落ち着いて。リンカ、お願い」
「うん‼︎」
リンカは自身の翼を羽ばたかせ、飛び上がると天井より少し低い位置で静止する。リンカが空中へ飛び上がったことで、アルベネロは足を止め、顔を上に向ける。
「良い的になってるな。ファイアーボルト」
「させない。ウォーターシールド」
「防がれたか……正確な魔法だな」
「ありがとう。リンカ、お願い」
「すーー……」
「マジックシールド」
「ドラゴンブレス‼︎」
空中で静止するリンカに対して、アルベネロは【火の矢】を放つが、サキが発動した魔法【水の障壁】によって、防がれてしまう。
そして、サキの合図とともに、リンカは息を思いっきり、吸い込んだあと、アルベネロへ向かって、炎を勢いよく噴きだす。
「サキさん、柱は大丈夫ですか⁉︎」
「問題なし。このぐらいなら、しばらく防げる」
「お願いしますね。柱が溶けた時点で、私たちは終わりなんですから‼︎」
「大丈夫。でも、ちょっと疲れて来た」
「言ったそばから⁉︎」
「冗談。それよりも、アリサはアルベネロ君が抜け出してないか、注意して」
「そこは大丈夫です。今のところ、抜け出してないです」
リンカが放った、魔法【竜の息吹】は、竜人固有の魔法であり、体内に魔方陣を出現させ、喉の奥に溜め込んだ炎を強化して、吐き出す魔法である。
そのため、他の種族は使用することができないが、威力は中級魔法以上であり、使い手によっては上級魔法に匹敵するほどである。
しかし、屋内では【竜の息吹】の威力は強過ぎるため、リンカの炎はアルベネロだけではなく、柱も呑み込んでしまっている。
当然、柱を溶かすほどの熱があり、炎に呑み込まれた時点で、柱は溶けてしまう。そのため、リンカが【竜の息吹】を発動する前に、サキが発動した、魔法【魔力の障壁】によって、柱を包むように青白いオーラが現れ、炎から守る。
「そのまま、アルベネロ君を真っ黒こげにしちゃってください‼︎」
「ウォータースフィア‼︎」
「ひゃっ⁉︎ んぷぅ⁉︎」
アリサがリンカを応援した矢先に、炎の中からアルベネロの声が響くと、リンカを包み込むように水が現れる。
【竜の息吹】によって、いくらか水は蒸発していくが、蒸発する速度よりも水が現れる速度の方が早いため、次々と現れる水が、遂に、リンカを呑み込んでしまう。必然、【竜の息吹】は止まり、炎に呑み込まれていた、アルベネロが姿を現す。
「なんで、無傷なんですか⁉︎」
「確認する意味なし。それよりもリンカの救出が優先」
「そ、そうでした‼︎ で、でも、どうやって⁉︎」
「私がリンカを救い出す」
「おお‼︎ さすがサキさん‼︎」
「だから、アリサはアルベネロ君をお願い」
「りょうかーーー⁉︎ 一人であの化け物を⁉︎」
「誰が化け物だ」
アリサのツッコミにサキは反応することなく、今も、息ができなくて苦しそうなリンカの元へ駆け出していく。
サキが駆け出して行った背中を見送った後、アリサは口元を引き攣らせながら、アルベネロへ顔を向ける。
「ちなみに、どうして無傷なのか、教えて……もらえたりしますか?」
「そっちが柱にしたことと同じことをしただけだ」
「あぁ……って、それでドラゴンブレスを耐え切った⁉︎」
「少し暑かったな」
「それで済んでる時点で化け物ですからね⁉︎」
魔法【魔力の障壁】は対象に魔力を纏わせることで、防御力を上昇させる効果があり、効果が発動している間は、青白いオーラを纏う。
ちなみに、アリサがアルベネロに対して驚いているのは、柱と人間では、元々の強度が異なるため、生半可な魔力を込めた【魔力の障壁】では、【竜の息吹】を防ぐことはできないためであった。
「くっ、頼まれたからには、時間稼ぎぐらいはやりますよ‼︎」
「自棄になってないか?」
「化け物相手にするんだから、自棄にもなるでしょ⁉︎」
「降参したら良いんじゃないか?」
「出来たらしてます‼︎ っと、無駄話はここまでです‼︎」
半ば自棄になっているらしい、アリサは制服の内ポケットに手を入れると、そこからナイフを取り出す。柄の部分には魔方陣と宝石が埋め込まれており、魔導具であるのがわかる。
「出し惜しみなしです。必殺‼︎ ミストコンビネーション‼︎」
「必殺って言うところ、俺は嫌いじゃないな」
「そこにツッコミは無しで‼︎ イリュージョンミスト‼︎」
アリサが発動した、魔法【幻惑の霧】によって、アリサを中心に霧が発生し、瞬く間にアルベネロを飲み込む。試合開始直後と同程度の霧の濃さであり、お互いに相手の姿は見えなくなるほどに視界が悪くなる。
「……シッ‼︎」
「くっ……⁉︎」
「さあ、本物はどれでしょうか?」
アリサの発動した魔法【幻惑の霧】は視界を塞ぐ霧を発生させ、任意で発動者と同じ姿の幻影を作り出すことが可能である。
そのため、アリサはナイフでアルベネロへ攻撃を仕掛ける際や、距離を離す時に幻影を常に作り出し、アルベネロを翻弄する。
「ヘビィアーマー‼︎」
「かかった‼︎ マジックブレイカー‼︎」
「なっ⁉︎ ぐはっ‼︎」
「ふふ、油断したわね」
避けるの困難と判断した、アルベネロは【重武装】によって、アリサからの攻撃から身を守ろうとする。
しかし、アリサが持っている、ナイフの魔方陣が光ると、【重武装】の効果を突破し、アルベネロの胸をナイフが突く。訓練棟の魔法と制服自体の防御魔法が無ければ、突き刺さっていただろう。
「まさか、マジックブレイカー……それも、魔方陣の無効化か」
「ふふ、魔導具を破壊するタイプのマジックブレイカーじゃないから、アルベネロ君にも効果がありますよ」
「確かにな。ただ、そのナイフを受けなかったら良いだけだ」
「出来たらいいですね‼︎」
霧の中からアリサが嬉しそうに話しており、アルベネロは突かれた場所を軽く手で撫でてから、息を吐き、気分を落ち着かせる。そして、両腕に魔力を纏わせると、身構える。
『眼の力は使えない。なら……』
アルベネロは霧の中から時折、見えるアリサの幻影を無視して、ナイフによる攻撃を、片方の腕で防ぎ、払い除ければ、本物のアリサへ正拳突きを放つ。
「あぶっ⁉︎ なんで急にこっちの動き読めるようになってるんですか⁉︎」
「秘密だ。そこ‼︎」
「ひゃぃ⁉︎」
アリサは驚いた声をあげながら、正確に放ってくる、アルベネロの正拳突きをギリギリで回避する。避けた拍子にバシャバシャと水音が鳴りながら、アリサは距離を空けて、幻影の数を増やすが、アルベネロは幻影には反応しない。
「ほ、ほんと、なんで急に……って、いつの間に足元が濡れーーー」
「そこだな。エアブラスト」
「ぐふぅ⁉︎」
アリサは足元にいつのまにか水溜まりができているのに気づいた時には、アルベネロが魔法【風の衝撃波】を発動したことによって、アリサは吹き飛ばされる。
偶然にも、吹き飛ばされた方向には、リンカとサキが居り、既にサキはリンカの救出を終えていた。
「いたたたた……」
「おかえり。おかげで、リンカを助けれた」
「それは何よりですが……動けそうですか?」
「ちょっと無理かな〜〜…?」
現在、リンカはサキに膝枕をされている状態であり、【竜の息吹】を放った反動と、少しの時間であるが、水に呑み込まれたダメージでかなり疲弊している様子である。
「私が行く。アリサはリンカの介抱、お願い」
「わかりました」
「サキちゃん、無理はしないでね?」
「大丈夫。リンカはゆっくり休んで」
サキはリンカを起こすと、アリサに託し、その場で立ち上がる。
そして、試合開始直後と同じようにゆっくり歩いてくる、アルベネロへ鋭い視線を向ける。
「アルベネロ君は魔法だけじゃなくて、近接戦でも化け物クラスです‼︎ さっきも水が跳ねる音で場所がバレたと思います‼︎」
「了解。本気で行く」
アリサの助言を聞いた、サキは頷くと、ほんの少しだけ、笑みを浮かべる。
ドオォォン‼︎
サキが地面を蹴った瞬間、地面は抉れ、爆発が起きたのではないかと思えるほどの音が教室内に響き渡ると、アルベネロの目前へ、サキが移動していた。アルベネロは、サキが爆音と共に目前まで移動してきたのを捉えていたのか、足を止めている。
「先にお礼。二人に手加減してくれて」
「なんのことだ?」
「君なら、もっと早く倒せた」
「それは、かだいひょうーーー」
「私に手加減は不要。本気で来て」
サキは真剣な眼差しで、アルベネロの言葉を遮ってまで、本気の勝負を希望する。
「……試合に勝つなら、手加減した方がいいんじゃないか?」
「そう。でも、勝ち負けは成績に関係ない。それに、君ほどの実力者と勝負出来るなら、手加減は不要」
「……後から文句は無しだからな?」
「当然」
「なら……アサルトアーマー‼︎」
「ふふっ、ビーストソウル‼︎」
アルベネロは魔法【強襲武装】によって、身体に赤いオーラを纏う。
アルベネロの行動に、本気で戦うことが了承されたと判断した、サキは魔法【獣の本能】によって、身体に白いオーラを纏う。
「ビーストソウル……さすが、特科クラスに入ってるだけあるな」
「君こそ。アサルトアーマーを使える人はかなり限られてる」
【強襲武装】と【獣の本能】はどちらも、身体能力と気配察知能力を強化する効果があり、【獣の本能】の方が強化率はかなり大きい。だが、元々の身体能力が高い竜人や獣人であっても、強化された身体能力に意識がついていかず、振り回されるものが大半であり、使いこなせる者はかなり少ない。
その分、【強襲武装】は人種用に強化率は抑えられているが、それでも、強化された動きに意識がついていくものが少ないことに変わりはない。
「これで私も君も、準備完了」
「あとは……」
「「技術がものを言う」」
パアァァン‼︎
空気が弾ける音と共に、サキの右ストレートをアルベネロは受け止め、反撃するようにアルベネロはサキの腹部に目掛けて、膝蹴りを放つ。しかし、サキは放たれる膝蹴りに対して、後ろへ跳び、膝蹴りを避ける。
「そう簡単には当たらないな」
「お互い様」
二人の動きは魔法の強化も相まって、常人には、微かにしか捉えることができない程である。そのため、観戦している生徒の中で、動きを捉えられているのは、数人ほどであった。
「レインは見えてる?」
「千里眼と看破まで使って、ようやく見えてます」
「うぉ⁉︎ 今、何回、蹴り放ったんだ⁉︎」
「双眼鏡越しでよく見えるわね……」
クレア、レオは完全に姿を捉えることができず、レインは知覚魔法によって、攻防を繰り広げる、二人の姿を捉えていた。
「はぁ、はぁ、ここまで直撃はなしか」
「予想外。何発か入れるつもりだった」
「近接戦じゃ、攻めきれないな……」
「させない」
サキとの近接戦では、分が悪いと判断したアルベネロは、距離を少しでも離そうと後ろへ跳ぶが、瞬時にサキが距離を詰めて、拳を繰り出し、魔法を発動させる隙を与えない。
『効果があるかはわからないが、やるしかない』
サキから距離を離すことは困難と判断した、アルベネロは無詠唱で足元に幾つかの水溜まりを出現させる。そして、水溜まりが軽く揺れた瞬間、水溜まりの水がサキに向かって、飛びかかっていく。
「いつの間に⁉︎」
「そこだ‼︎ バーストファイア‼︎」
サキは迫ってくる水を避けるために後ろへ跳び、回避したため、自分からアルベネロと距離を空けてしまう。アルベネロはその隙を逃すことなく、【爆ぜる火球】によって、巨大な火球を放ち、サキはそのまま火球に呑み込まれてしまう。
「倒したか?」
「秘技、ねこだまし」
パアァァァン‼︎
「う、くぁ……⁉︎」
「もらった」
サキが火球に呑み込まれたのを確認した、アルベネロは炎の中にある影の動きを見つめると、服を少し焦がしながらもサキは火球から姿を現せば、瞬時に距離を詰めた瞬間、渾身のねこだましを放つ。アルベネロは拳か蹴りが飛んでくると予想したが、突然の高音に予身体を硬直させてしまう。
「天翔‼︎」
「うぐぅぅ‼︎」
一瞬の隙を狙うようにサキの蹴り上げが、アルベネロの顎を捉え、蹴り上げられる。アルベネロは上体が大きく反れてしまいながらも、倒れまいと足を踏ん張るが、体勢を立て直すことが精一杯の様子であり、防御に移ることができていない。
「落葉‼︎」
「ーーーッ‼︎」
サキはアルベネロへ振り上げた足をそのまま振り下ろし、アルベネロの脳天へ踵落としを放つ。防御する余裕すらない、アルベネロはもろに受けてしまい、身体が跳ねるほど勢いよく、地面へ強く叩きつけられる。
「かはっ‼︎」
「はぁ‼︎ はぁ‼︎」
「さす、がに、効いた……」
「まだ、動けるの。おか、しい」
アルベネロは何とかといった様子で身体を起こし始めており、その様子にサキは驚きながらも追撃は行わず、立ち上がろうとしている、アルベネロから少し距離を取る。
「そっちも限界みたいだな……」
「……余裕。気のせい」
「あはは……」
サキはリンカを助けるためにも【獣の本能】を発動し、今も【獣の本能】を発動させ続けているため、魔力が枯渇しかけ、先程の激しい戦闘も相まって、疲労もかなり蓄積されている。
対して、アルベネロは相当なダメージを負いながらも、フラフラとした足取りで、なんとか立ち上がれば、呼吸を整えようと、肩で息をし始めており、まだ、動ける余力はあるのがわかる。
「余裕なら、来ない、のか?」
「今は、様子見」
「なるほど、な」
互いに少しばかり動けるようになった時点で決着させようと思いながら、相手を牽制する。
そして、だんだんとアルベネロの呼吸は落ち着いていき、サキも息を整え終えると、互いに身構える。
「フレアフィールド」
「……どう言うつもり?」
アルベネロが発動した、魔法【火焔領域】によって、自身とサキを囲うように炎が立ち昇る。その高さは観戦者から完全にアルベネロとサキの姿を隠すほどであり、二人は炎に囲まれることによって、移動できる距離が制限される。
「こう言うことだ。ビーストソウル‼︎」
「正気⁉︎」
「当然だろう。まあ、数秒間が限界なんだが、な‼︎」
「ガハッ‼︎」
アルベネロが【獣の本能】を発動し、赤いオーラと白いオーラが混ざり合う。
二重で身体能力と感知能力を強化するが、その分、強くなりすぎた身体能力を扱いきることはほぼ不可能であり、アルベネロ自身、身体を無理やり引っ張られる感覚に襲われながら、一瞬でサキに肉薄すると、腹部へ膝蹴りを放つ。
サキがアルベネロの姿を捉えた時には、既に膝が腹部に食い込んでおり、激痛と衝撃に顔を顰めながら、くの字に体が折れ曲がり、手と膝が地面につく。
「さすがに辛いな……」
「ごほっ‼︎ ごほっ‼︎」
二重に強化魔法を発動した反動で、アルベネロの身体を纏っていたオーラは消え去ってしまう。
サキは肺の空気が全て押し出された感覚に激しく咳き込みながら、息を整えようと必死であり、身体を起き上がらせることすら、ままならない様子である。
「これで終わりだ。アイスコフィン」
「ひゃっ‼︎ くっ、動け、動け‼︎」
強烈な一撃を受けても、サキは地面に倒れ伏しはしないが、アルベネロが【氷の棺】を発動させ、サキの真下に魔方陣を出現させると、地面に接している、手と膝から氷漬けにしていく。
なんとか身体を動かして、氷から抜け出そうとするが、すでに手と膝は氷に埋もれてしまい、動かすことすらできない。さすがのサキも諦めたように抵抗を止め、その様子にアルベネロは安堵する。
キィン‼︎
まるでアルベネロが安堵する瞬間を狙っていたかのように、ナイフが炎の中から飛来する。そのナイフは地面に現れている魔方陣に突き刺さると、ナイフが刺さった箇所から魔方陣は崩壊していき、魔方陣が崩れたことで、サキを氷漬けにしていた、氷が崩れさる。
「なっ⁉︎」
「今‼︎ 轟砕雷鳴‼︎」
アルベネロは魔方陣が消え去り、動揺したことで、反応が一瞬遅れると、サキは予測する。
そして、サキは一瞬で体重を後ろに移動させ、立ち上がる勢いをそのままに、拳を下から突き上げる。自身が持つ、最速かつ、最強の一撃で、アルベネロを倒そうとする。
『勝った‼︎』
サキの予想通り、アルベネロの反応は一瞬、遅れてしまい、避けるのが間に合わない状況となっている。サキは全力で突き上げている拳が、アルベネロに命中すると、確信し、自然と笑みを浮かべる。
そして……
「……はっ‼︎」
「あ、サキちゃん‼︎」
「目が覚めて、なによりです‼︎」
サキの耳に心配する、アリサとリンカの声が聞こえてくる。自身の状況を確認するように顔を左右に動かせば、ベットに寝かされているのがわかる。
「ここは……保健室?」
「うん。もしかして、あんまり覚えてない?」
「たしか……氷が崩れて、アルベネロ君に、最後の一撃を放とうとして……」
「詳しくは見えなかったですが、アルベネロ君の一撃で、サキさんは教室の端まで吹き飛ばされて、気を失ったんです。もう、慌てて、保健室に運びました。アルベネロ君が運んでくれたんですよ」
「そう。後でお礼を言わないと」
身体全体に鈍い痛みを感じながら、サキは自身が負けたことを知るが、現実味を感じられなかった。
『あの時、確実に当たるはずだった……でも、実際は私が吹き飛ばされた?』
直前までの記憶と、結果が矛盾していることに疑問を浮かべながらも、攻撃を受けた衝撃で記憶が飛んでしまったのかも知れないと、自分を納得させる。
「どのぐらい、気を失ってた?」
「授業が終わって、すぐに私たちはここに来たら、ちょうど目を覚ましたから……一時間ぐらい」
「……あとは、クレアとFチームだけだった。すぐに終わって、レオ辺りが、エキシビションマッチでも言い出した?」
サキはクレアの実力を何度も見てきたため、Fチームのメンバーでは、万に一つも勝てないと判断していた。そのため、アルベネロとGチームの試合が終わった後、一戦だけで一時間も掛かったと思えなかった。
「それが……」
「……まさか、クレアが負けた?」
「いえ、試合は無効になりました……アルベネロ君が試合に乱入したんです。ガレン君から、クレアさんを守るために」
「理解不能。ガレン程度なら、クレアだけでも圧倒できる。アルベネロ君が守る必要は皆無。それは二人もわかってるはず」
「うん。私も、まだ、信じられないよ。でも……あのまま、アルベネロ君が止めなかったから、クレアさんが負けてたと思う……」
「本当に、何があったの……?」
サキはベットの上で顔を顰める。クレアの実力はアルベネロが現れるまでは無類であり、学院中に知れ渡るほどである。だからこそ、サキは、アリサとリンカから試合の顛末を聴き、その試合の異常さに対して、恐怖を感じるのであった。
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