~レイン&レオ VS Aチーム~
お昼休みが終わり、訓練棟に集合した、特科クラスの生徒たちはレーメ先生から今回の授業について説明を受ける。
授業内容は屋内を想定した、三対三の模擬戦であり、生徒たちはそれぞ、三人一組で戦うことになる。
しかし、アルベネロとレインはそれぞれ一人、レインとレオは二人一組で戦うこととなり、人数不利のハンデ戦となっている。
そして、最初に模擬戦を行う組み合わせは、〖レイン&レオ〗対〖銀髪の男子生徒ガルフが率いるAチーム〗と、決まり、レーメ先生が開始の合図を告げると共に今、試合が開始された。
「普通は霧が晴れるまで、迂闊に動けないな」
「ええ。普通は、ね」
教室の壁際に移動した、アルベネロとクレアは未だに霧で視界の悪い状況が続いている教室の中央を見つめており、今、行われている模擬戦を観戦している。
他の生徒たちは、二人と同じように観戦しているか、チーム内で何かを話し続けているか、のどちらかであった。
「でも、レインの千里眼なら、霧なんて関係ないわ」
パリィィィン‼︎
クレアの言葉通り、何かが割れる音が教室内に響き渡る。
「早速ね」
「確か、レインの得意な魔法は……」
「氷魔法よ。風と水の合成魔法だから、魔力の消費は多い代わりに攻撃と拘束に向いているわ」
霧は試合開始直後より薄れてきているとはいえ、まだまだ視界は悪く、距離の離れた相手を確認することは困難な状況の中、先制攻撃が行われた。
[場面は変わり、試合開始直後のレインとレオ……]
「……ガルフさんが一人で前に、バッシさんとドットルさんは少し離れた場所で瓦礫に隠れてます」
「レインの予想通りだな‼︎ 俺はいつも通り、二人で来ると思ってたぜ‼︎」
「ガルフさんなら、私の千里眼を警戒すると思ってました」
「それじゃ、作戦通り、俺は前に行くぜ?」
「前に出過ぎないように、気をつけてくださいね?」
「任せとけ‼︎」
自信満々にレオが歩いていく所をレインは見送ると、近くの瓦礫に隠れては、【千里眼】によって、視点をAチームが居る範囲へ移動させる。
『氷柱を落としましたが、避けた後に元の位置へ戻って動かずですか……霧が晴れるのを待ってるとして、何か狙いがありますね……』
レオと同じ固有魔法の一つである、知覚魔法は五感の強化を行う魔法であり、その内の一つである、【千里眼】は通常の視点とは別にもう一つ視点を追加することができる。増やした視点は自由に移動させることが可能であり、視点の移動距離は魔法による妨害が無ければ、無制限である。また、同系統の汎用魔法と異なり、環境による視界不良の影響を受けずに、視認することが可能である。
『ガルフさんは柱に隠れて、霧が晴れるのを待っていますね……誘いでしょうか。乗ることもないですが、レオ君ですし、ここは誘いに乗ってみましょう』
レインは【千里眼】によって、Aチームの背後へ視点を移動させ、三人の位置を確認する。
そして、三人の位置どりを踏まえて、作戦を考えると、制服の内ポケットから魔方陣が描かれた紙を取り出し、視点を移動中のレオへ向ける。
「予想より動かないので助かりますね。テレパシー」
『おっ、レインか?』
『はい。三人の場所を伝えますね』
レインは【念話】の魔法を発動し、レオへAチームの位置を伝える。
【念話】の魔法は視界の中にいる相手と頭の中で会話を行うことが可能になる魔法である。
そのため、戦闘で使われる機会はほとんどないが、レインに限っては、相手の居場所さえわかれば、いつでも会話ができる便利魔法と化している。
『作戦は変更なしか?』
『はい。話した通りでうまくいくはずです。ただ、油断はしないでくださいね? ガルフさんはいつものを着けてーーー』
『大丈夫だ‼︎ クリエイト‼︎』
『もう‼︎』
作戦自体は伝わっているが、話途中でレオは走り出したため、レインは【念話】を終わらせて、ため息を吐いてしまいながら、視点をAチームが居る範囲へ戻すのであった。
「この辺りだったな。こそこそせずに出てきたらどうだ‼︎」
「まあ、バレてるよな……」
「バレバレだぜ‼︎」
ガルフが隠れている柱の近くまで歩いてきたレオは、【創作】で作り出した長剣を右手に携えている。ガルフ自身も柱に隠れて、奇襲できるとは思っていなかったため、近づいてきたレオを見ても驚かない。
「ウィンドボルト‼︎」
「うぉ⁉︎ あぶねぇ⁉︎」
「ドットル‼︎ バッシ‼︎」
「「マッドバインド‼︎」」
ガルフは柱から飛び出すと先制攻撃と言わんばかりに魔法【風の矢】を放ってくる。風のため、透明な風の塊が高速でレオへ向かっていき、レオは慌てて避けた所に、ドットルの魔法がレオの足を埋めるように石床の一部を砂に変え、バッシの魔法がレオの足を埋めた砂を泥へと変化させる。
「おっもい‼︎」
「ウィンドボルト‼︎」
「おっ⁉︎」
「……いつも思うんだが、なんで見えねぇ攻撃を防げるんだよ」
足元を固められて動けなくなったレオへ、ガルフはもう一度、【風の矢】を放つ。避けることができないレオは持っていた剣で透明な風の塊を防ぐと、泥から足を抜こうと身動ぎする。
「まどろっこしい‼︎ リメイク‼︎」
「ちっ、あとは任せたからな‼︎」
「わかった」
「は、はい‼︎」
レオは魔法【再構築】によって、泥から抜け出す。【再構築】は創造魔法の一つであり、既にある物の形状、状態を変えることが可能である。レオは泥の形を変えることで足が抜けるようにしたのである。
レオが泥から抜け出したことを、ガルフは確認すると、両手に着けている籠手を打ち合わせ、レオへ向かって、駆け出していく。
「クリエイト‼︎」
「そんなもんで止まるわけねぇだろ‼︎」
「クリエイト‼︎ クリエイト‼︎」
「邪魔だぁ‼︎」
レオは、近づいてくるガルフの進行上に鉄板を何枚も作り出していく。目の前に現れた鉄板をガルフは籠手で次々と殴り飛ばしていき、前進し続ける。周囲には鉄板がいくつも石床へ倒れており、十枚を超えようとしていた。
「そこまでバカじゃないぜ‼︎ リメイク‼︎」
「ちっ、囲う気かよ⁉︎」
「おう‼︎ その魔導具、威力の調整は苦手みたいだから、狙わせてもらうぜ‼︎」
「あっぶ、いてぇぇぇ⁉︎」
レオの【再構築】により、倒れた鉄板は全て液体のように動き始めると、ドーム状にガルフを覆うように広がっていく。
レオの狙いに気づいたガルフはまだ覆われていない箇所へと飛び込み、地面を転がりながら脱出するが、転がり終わった瞬間、地面に魔方陣が現れ、地面に接している箇所を凍り付かせる。
「作戦通りだぜ‼︎」
「レオにしては頭のいい戦法だと思ったんだが、レインが考えたのかよ‼︎」
「おう‼︎ そこで凍りついとけ‼︎」
「ちっ‼︎」
レオはガルフを放置すると、ドットルとバッシが居る方向へ駆け出していく。
「ガルフがやられたか……手筈通りだ。あとはバッシ、お前が間に合うかだ。時間稼ぎにしても、レオの足止めはそう長くは続かん。あとどのぐらいだ?」
「あと少しで掴めそう……」
「よし、任せた。ロックウォール」
ドットルとバッシは会話を終えると、ドットルが魔法【石壁】により、石壁を何個もレオの進行上に作り出し、バッシを守るようにドットルが前に出ていく。
「リメイク‼︎」
「この程度では、足止めにもならんか……」
レオは【再構築】により、石壁にどんどん穴を空けては先へ進むため、ほとんど止まらずに石壁を突破していくため、すぐにドットルの姿を捉える。
「さっさと倒させてもらうぜ‼︎」
「ふっ、なら、悪あがきをさせてもらおう。ヘビィアーマー」
剣を構えるレオを見て、足止めも困難と理解した、ドットルは魔法【重武装】を発動し、青白いオーラを身体に纏わせる。
「それじゃ、俺には勝てないぜ?」
「理解しているが、時間稼ぎには、俺が使える魔法の中で、一番、都合がいいんでな」
「なら、さっさと終わらせてやるぜ‼︎」
「通すつもりはない」
ドットルが使用している【重武装】は魔力を消費し続ける代わりに高い防御力を得ることが可能な魔法だが、余程の魔力量を持っていないと、他の魔法が使用できなくなってしまうほどに、燃費の悪い魔法であるため、使い所が難しい魔法である。
ガァン‼︎ ガァン‼︎ ギィィン‼︎
「流石に刃毀れするか……クリエイト‼︎」
「諦めてくれると嬉しいんだが」
「はっ‼︎ 誰が諦めるか‼︎」
レオは刃毀れした剣を元に、創作で新しい剣を作っていく。ドットルは腕でレオの剣を防ぎ、何度も金属音が教室内に響き渡る。
その音が観戦している生徒たちを否応でも興奮させていくが、アルベネロとレオは後方にいるバッシに視線を向けていた。
「……狙いは何かしら?」
「……バッシの得意魔法は水なのか?」
「そうだと思うわ。他の訓練の時に水魔法をよく使ってるのを見てるから」
「なら、狙いはーーー」
「なるほど……たしかにそれなら、作戦としては成り立ってるわ。すぐに気付くなんて、さすがね」
アルベネロがAチームの作戦について、予想した内容に、クレアは感嘆とする。
「合ってるかはわからないんだがな。ただ……レインはどうして、戦闘にほとんど参加しないんだ?」
「あぁ……それはきっと、いつもの悪い癖ね」
「悪い癖?」
「あの子、模擬戦の時は毎回、レオに攻撃を任せてるのよ。自分が魔法を使うと相手が何もできずに終わるからって……レインなりに、相手のことを考えてのことだけど、そのせいでレインが経験を積めてないから、何度かレーメ先生が注意してるわ」
アルベネロの疑問に、クレアは苦笑いを浮かべながら説明してくれる。
レインの模擬戦中の行動に対して、アルベネロは納得すれば、模擬戦の動向に意識を戻すのであった。
「もう、限界なのはバレバレだぜ‼︎」
「それはお互い様だろう。息が上がって来ているのを感じる。ここからが根性のみせどこ、ぐぅぅ⁉︎」
「うわぁ……」
お互いに息を荒くしながら続いていた戦闘は、ドットルの後頭部に氷の玉が衝突したことで決着することになった。うつ伏せに倒れたドットルに、レオは口元を引き攣らせながらも、最後に残った、バッシへ視線を向ければ、レオへ手を向けるバッシの姿がそこにはあった。
「間に合わなかった感じだよな……」
「これで終わりです‼︎ ネバーエンドレイン‼︎」
バッシの声と共に、レオの頭上から大量の水の弾が高速で降り注ぐ。ぶつかる衝撃にレオはその場で石床に倒されてしまうと、身体中にぶつかり続ける衝撃に身動きが取れなくなる。
そして、いつのまにか、レオの頭上だけではなく、レインが隠れている瓦礫のそばにも魔方陣が現れており、同じように魔方陣から水の弾が降り注いでいた。
「つめてぇぇぇ‼︎」
「ガルフ、今‼︎」
「よ、く、やった‼︎」
バッシの声に反応して、凍り付けにされていたガルフが氷を割りながら立ち上がる。
動けないでいるレオは水の弾がぶつかる衝撃だけではなく、かなり冷えた水が身体に当たり続けているため、魔法を発動しようにも集中することが出来ないでいる。
「これで僕たちの勝ちです‼︎」
「流石にこれはひどいぜ……」
勝利を確信した表情のバッシと、レオの落ち込む表情が相対的であり、ガルフはレオではなく、レインを先に倒そうと瓦礫のそばにある、魔方陣へ向かって、駆け出していく。
「今回は俺たちの勝ちだ‼︎」
「そうなったら、よかったですね」
「はぁ⁉︎」
ガルフも勝利を確信した表情であったが、向かっている先とは全く別方向から、レインの声が聞こえ、足を止めると、声が聞こえた方向へ身体を向ける。そうすると、ガルフの視線の先にある、柱から余裕そうに笑顔を浮かべるレインの姿があった。
「どうやって避けやがった⁉︎」
「どうと言われても……予測はできてたので、普通に避けただけですよ」
「い、いつから……」
「ガルフさんが一人で前に出てきた時からです」
ガルフの作戦では、バッシの発動した魔法【終わりのない雨】によって、レオとレインは二人とも動けなくなり、戦闘不能になったと思わせた自分がトドメを刺すことになっていたが、見るからに元気なレインが柱から出て来て、驚愕の表情となる。
「だ、だったら、なんでレオは避けれてねぇんだ⁉︎」
「レオ君には、そんなに威力は無いので、受け止めてくださいって伝えましたから♪」
「な、なんで……そんな嘘を言ったんだ?」
「レオ君も避けちゃうと、警戒されて模擬戦が長引くと思ったので」
「レオ……敵だとしても、流石に同情しちまう……」
全く悪びれた様子もないレインに、ガルフは口元を引き攣らながらもレインとの距離をゆっくり詰めていく。
「レオ君が雨に打たれて可哀想なので、終わらせますね」
「それ、お前が言うか⁉︎」
「コールドブレス」
「っぶねぇ⁉︎」
ガルフのツッコミに反応することなく、魔法【凍てつく息】によって、白銀の風が魔方陣から放たれる。ガルフは間一髪で避けるが、避けた瞬間にレインから意識を離してしまう。
「アイスコフィン」
「しまっーーー」
「手遅れですよ」
ガルフが【凍てつく息】を避けるのを見越していたのか、ガルフの足が地面についた瞬間に魔方陣が現れ、瞬時に足を凍らせてはガルフの下半身を氷漬けにする。
「ガルフ⁉︎」
「アイスコフィン」
「んぅぅぅ⁉︎」
ガルフが倒されたことに気が動転したバッシはレインの魔法【氷の棺】を避けることはできず、ガルフと同じように下半身を氷漬けにされてしまうと、【終わりのない雨】の魔方陣が消える。
「そこまで。Aチーム側の全員が戦闘不能となったため、レオ君、レインさんチームの勝利とします。五人はこのあと、今回の模擬戦について、反省点などを話し合ってくださいね」
「はい。わかりました」
「その前にこの氷をどうにかしてくれぇ‼︎」
「つ、冷たすぎます……‼︎」
レーメ先生によって、試合終了の合図がされると、今回の模擬戦について、反省会をするように指示を受ける。
しかし、すぐに返答できたのは、模擬戦中に全く負傷していなかったレインだけであり、レオは【創作】で作り出したタオルで濡れた頭を拭いている。Aチームに至っては全員が動けない状況であったため、レーメ先生へ返事をすることも儘ならない状態である。
「仕方ないわね……私が氷を溶かすわ。アルベネロ君はドットル君を教室の隅に運んでもらえないかしら?」
「保健室に運ばなくていいのか?」
「もう目は覚めたみたいだから、大丈夫よ」
「わかった」
クレアは氷漬けにされているガルフの元まで移動すると、火の魔法で氷を溶かし始める。 アルベネロはクレアの指示通り、ドットルの側まで移動すれば、肩を貸して、教室の隅へと座らせた。
「クレアさん……僕の方も早く溶かしてください〜〜」
「ヘルファイアで良いなら、すぐに溶かしてあげるわよ?」
「ひぃぃ⁉︎ やっぱりゆっくりで大丈夫です‼︎」
バッシが震えながら催促する様子に、ガルフの氷を溶かしている、クレアは笑顔で提案するが、全く目が笑っていないクレアを目の当たりにし、バッシは慌てて、訂正するのであった。
「待たせたな‼︎ 助けに来たぜ‼︎ リメイク‼︎」
「うひぃぃ⁉︎」
髪を拭き終わったレオがバッシの側へ駆け寄ると【再構築】によって、氷から水へ状態を変える。もちろん、水温は氷になるほど下がっている状態のため、制服に染み込んでいくバッシは大変なことになるだろう。
「い、だい⁉︎ 絶対、仕返しだ‼︎」
「俺が受けた冷たさを返してやるぜ‼︎」
「バカなことしてるんじゃないわよ‼︎ バーストファイア‼︎」
「「ぎゃぁぁあ⁉︎」」
あまりの冷たさに激痛を覚えるバッシと、満足気にしているレオに対して、クレアは【爆ぜる火球】を放つ。火力は抑えられているが中級魔法であるため、かなり巨大な火球が二人を飲み込む。
「あ、あんまりです……」
「乾いて良かったな……」
「この制服、こんなことしなくてもすぐ乾くじゃないですか……」
「動けるようになったら、さっさと反省会をしてきなさい‼︎」
「「はい‼︎」」
既にクレアによって、氷を溶かしてもらえたガルフとレインはドットルの近くへ移動しており、クレアの一喝によって、軽く煙をあげている、レオとバッシもドットルの元までへ走っていくのであった。
「クレアさん、アルベネロ君も、ありがとうございます♪ 次の試合は……Bチーム対Dチームです。お互いに移動してください」
「はい‼︎」
「その間に、柱や瓦礫を直しておきますね。レオ君♪」
「クリエイト‼︎」
反省会を始めようとしていたレオは、やる気十分に模擬戦で壊れた箇所を直す。毎試合、始まる前にはレオが直すのだろうと生徒全員が思った。
「どちらも準備はいいですか?」
「「はい」」
「それでは、Bチーム対Dチーム、試合開始‼︎」
修理が終わると〖Bチーム〗対〖Dチーム〗の試合が開始され、どちらのチームも戦闘不能者を出しながら、Bチームが勝利を収め、続けて、〖Cチーム〗対〖Eチーム〗の試合が開始されるが、Eチームのメンバーが魔法の威力を誤り、柱を二本、破壊してしまい、引き分けとなるが、柱を破壊した生徒は後ほど、レーメ先生の特別授業を受けることが確定した。
そして……
「次の試合は……アルベネロ君対……」
「おっ、遂に出番が来たぜ‼︎ 誰が相手だろうな⁉︎」
「クレアってことはないと思うが……」
「私としては、そっちの方が嬉しいわね」
「屋内戦での二人はどう動くのかも見てみたいとは思いますね」
「そうですね。アルベネロ君対Gチームとします」
アルベネロの対戦相手となった、Gチームは女子生徒で構成されており、エルフのアリサ、竜人のリンカ、猫獣人のサキがチームを組んでいる。
竜人はドラゴンと人のハーフであり、人種とは姿も異なり、二本の角や翼、尻尾が生えており、身体の一部分には鱗が付いている。竜の血が流れているため、身体能力、生命力が高く、飛行能力も持っている。
猫獣人は人間に猫の耳やヒゲ、尻尾が付いており、身体能力も人種より優れており、一際、高い跳躍力を持っており、鼻や耳も人種以上に優れている。また、気配に鋭敏であり、僅かな変化にも反応する。
「やるからには、勝ちに行きますよ‼︎」
「あ、アリサさん。流石に無理ですよぉ〜〜」
「大丈夫。リンカなら、勝てなくても、一矢報いることはできる。私を信じて」
「サキちゃん……うん、私、頑張る‼︎」
「本当、二人は仲良しですね〜〜」
「アリサさんとも仲良しと思ってますよ?」
「そんな小っ恥ずかしいことを言わないでください⁉︎ いやって訳じゃなくて、とても嬉しいんですけどね⁉︎」
お互いに鼓舞しながら、やる気十分な様子のGチームは、レーメ先生に指定されたエリアへ移動していく。
『俺も移動するか……』
立ち回りを考えながら、指定されたエリアへアルベネロも移動し始める。
クレアとの模擬戦や、ギリアンとの決闘で圧倒的な力を見せたアルベネロに対して、観戦する生徒たちは全員、期待の眼差しを向けていた。
「どちらも準備はいいですか?」
「「はい」」
「それでは、アルベネロ対Gチーム、試合開始‼︎」
互いに移動が完了し、注目の四戦目、〖アルベネロ〗対〖Gチーム〗の試合が、レーメ先生の合図と共に開始され、霧がゆっくりと晴れていく。霧が晴れてからが本格的な戦闘の開始だろうと、観戦している生徒たちは思ったが、その予想は見事に打ち砕かれる、開始合図直後に発生した強風によって。
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