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~お仕置きはほどほどに~

 魔導具店〖マイスター〗から寮の自室へと戻ってきたアルベネロは、シャワーを浴びた後、リビングに移動すれば、そこにはいつもの服装で(くつろ)ぐマナが居た。部屋着姿のアルベネロは顔を()()らせながら、マナを寝室へと連行するのであった。

 

 

「それで、今日も俺の部屋に、勝手に入ってきた理由は?」

「まっへぇ……されながら話すのむりぃぃ」

「はぁ……なら、これで話せるか?」

「あ、ぁぁぁん……‼︎ アルのが流れ込んでくるぅ……‼︎」

「それで、理由は?」

「も、もっとぉ〜〜」

 

 

 寝室へ連行されたマナはベットの上でアルベネロからお仕置きを受けたことにより、全身、力が入らないほど脱力してしまい、うつ伏せの状態で枕に顔を沈み込ませている状態であった。

 


「もう十分だろ?」

「うーん……まだ足りない〜〜」

「しっかり話せてるから大丈夫だな」

「むぅ……仕方ない。このベットに染み付いたアルの香りを堪能(堪能)して回復を……」

「まだ元気そうだな。もう一回、お仕置きが必要か?」

「も、もうマナドレインは……」

「はぁ……」

 

 

 アルベネロはマナの背中から手を離し、【魔力譲与(マナギフト)】を止める。

 お仕置きとして、アルベネロの【魔力搾取(マナドレイン)】によって、マナは魔力を吸い取り続けられたため、体に力が入らなくなって、倒れ伏していた。

 なお、黒と紫が基調になったマントはマナをベットに寝かせた時に脱がせていた。



「本当に、お仕置きになっているのか、最近、疑問なんだが?」

「も、もちろんではないか‼︎ この、力を吸われる感覚はなんとも()(がた)い感覚……その後に、アルの魔力が全身を巡る高揚感(こうようかん)(たま)らん‼︎」

 

 

 力説するマナに、アルベネロは呆れた表情をしており、少し引いている様子で、冷たい視線を送る。しかし、その視線にも、マナは嬉しそうに表情を緩めていた。

 

 

「次はもっと物理的なお仕置きのほうがいいか……?」

「なら、お尻叩きはどうだ? 私のお尻なら、良い音がなるぞ?」

「マナドレイン」

「ふにゃぁぁぁ〜〜⁉︎」

 


 マナはうつ伏せの状態からお尻を上げてくるせいで、スカートから少しだけ、ピンク色の下着が見えてしまっている。

 アルベネロは再度、マナの背中に手を当てては【魔力搾取(マナドレイン)】でマナの魔力を吸収すれば、マナは可愛い声をあげながら、枕に顔を沈み込ませていった。

  

  

「もうマナギフトはしないからな?」

「ゆ、許して、揶揄(からか)いすぎたのは謝る、から」

「ダメだ。マナの回復力なら、一時間もあれば、動けるぐらいにはなるだろ?」

「うぅ……」

「……はぁ」

 


 マナはそれ以上、何も言えなくなると、ベッドの上で静かになる。その様子にアルベネロは()(いき)を吐くと背中から手を離せば、優しくマナの頭を撫で始める。

 

 

「んふぅ……♪」

「……自分でお仕置きを甘くしてるな」

「アルは優しいな♪ そんなところも私は大好きだ♪」

「はぁ……マナギフト」

 


 マナは満面の笑みを浮かべながら顔だけアルベネロの方向へ向けると好意を伝える。アルベネロは顔が熱くなっていることを感じながら、()(いき)を吐く。

 


『本当に、俺はマナに甘いな……』

 


 アルベネロは自身に対して、苦笑してから、【魔力譲与(マナギフト)】によって、ゆっくりと魔力をマナの身体へ流し込む。

 

 

「んふぅ……気持ちいい♪」

「寝るか?」

「そう、させ……もら……う……」



 マナの寝息が聞こえ始めれば、アルベネロはベットから降り、寝室からリビングへ移動する。

 


「今日は……どこで寝るか……」

『____?』

「いや、流石に……」

『____♪』

「俺が寝れないから……」

『____‼︎』

「だ・か・ら……」

 


 しばらく、アルベネロは誰かと話しながら寝る場所を考え、寝心地は悪いだろうがソファーに寝ることにした。

 

「さて、課題を終わるせないとな……」


 寝る場所も決定したので、アルベネロは授業で出された課題を終わらせるため、頭の中(・・・)で解き始めるのであった。


 

 そして、二時間後……

 

 

「……」

「ふふ、前にも飲んだけど、アルベネロ君が淹れてくれた紅茶は美味しいわね」

「まさか、今日、来るとは思わなかったな……」



 課題を解き終わり、アルベネロは紅茶を入れようと台所へ向かおうと立ち上がった頃、来訪者(らいほうしゃ)を知らせるベルが鳴った。そのため、アルベネロは部屋の扉を開けたところ、制服姿のクレアが立っており、「紅茶を頂きに来たわ」という、クレアの言葉にアルベネロは魔導具店でのご褒美を思い出しては、部屋に入れ、二人分の紅茶を用意するのであった。

 

 

「ダメだったかしら?」

「いや、大丈夫だ。特に予定もない……」

 

 

 アルベネロはクレアと紅茶を飲みながら、寝室の扉をチラッと見る。まだ、マナは寝ているので、クレアが寝室へ入らない限りは、鉢合(はちあ)わせすることはないが、気にはなっていた。

 

 

「それなら、良かったわ。少し相談に乗って欲しいこともあったのよね」

「相談?」

「魔導銃の名前よ、名前」

「あぁ、名前か……」

「武器に名前を付けるなんて初めてだから、何が良いか悩むのよね」

「それで紅茶を飲むついでに相談か」

「そう言うことになるわね」

 

 

 クレアは紅茶が入ったカップをテーブルに置くと一枚の紙をテーブルに置く。そこにはいくつかの名前が書かれており、魔導銃の名前候補なのがわかる。

 

 

「ブリュンヒルデ、ウルスラグナ、マジックシューター……結構、名前を考えるのは好きなのか?」

「そんなこと無いわ。ただ、魔導銃なんて見たこと無い武器だから、力が入ったことは、否定しないわ」

 

 

 アルベネロの言葉にクレアは少し顔を赤くして、恥ずかしそうにしながら、また紅茶を飲んでいく。


 

「この中なら……俺はウルスラグナ……確か、打ち破るって、意味だったか。これが良いと思うな」

「これね……なら、それにするわ」

「即決だな」

「私、一人じゃ、決めれなかったから。ありがとう♪」

「どういたしまして」

 

 

 クレアは嬉しそうに微笑みながら、名前の書いてある紙を仕舞(しま)えば、紅茶を飲み終える。

 

 

「あら、もうこんな時間なのね。楽しい時間は本当にあっという間ね」

「明日もあるし、そろそろ帰るか?」

「そうするわ……紅茶、美味しかったわ」

「なによりだ」


 

 クレアが来てから、既に一時間ほど経過していた。クレアはソファーから立ち上がると、リビングから玄関へ向かう扉を開けるためにドアノブを握るが開けようとしない。

 

 

「どうした?」

「ちなみに……このままお泊まりしたいなんて言い始めたら……アルベネロ君は泊めてくれる?」

「なぁ⁉︎」

 

 

 ドアを開けないクレアの様子に、アルベネロは不思議に思い、声を掛ける。そして、クレアからの思わぬ提案に、声を上げてしまう。その様子にクレアは(たま)らず、笑い始めてしまい、アルベネロは少し恥ずかしそうに顔を逸らす。

 

 

「ふふ、冗談よ。まだ、恋人関係でも無い人と同じ部屋に泊まったりしないわ」

揶揄(からか)ったな……」

「ええ、ごめんなさい。自分でもどうしてこんなこと言ったのかしら。アルベネロ君を少し困らせたくなったのかもしれないわね」

「全く……また、明日」

「ええ、また明日、会いましょう」

 

 

 アルベネロは呆れた表情をしながら、クレアを見送れば、今度は、クレアもドアを開けて、そのまま玄関の扉を開けて、隣の部屋へと戻っていくのであった。

 

 

「完全に揶揄(からか)われたな」

『____♪』

「これが青春なのか?」

『____♪』



 アルベネロはティーセットを片付けながら、また、誰かと話していた。

 そして、片付け終わる頃に寝室の扉が開き、そこから、少し不機嫌そうなマナが出てくる。

 

 

「おはよう。寝れたか?」

「うむ。よく寝れた……が、私が寝ている間に誰か連れ込んでいなかったか?」

「……連れ込んでない。向こうから来た」

「むうぅぅぅ……‼︎」

 

 

 アルベネロが顔を逸らしながら、答えた様子にマナは頬を膨らませて、わかりやすく嫉妬(しっと)していることを表現する。



「この魔力……レッドローズか。これは少し、話し合いが……」

「マナ、クレアを(おど)したら、お仕置きじゃ、すまないからな?」

「ま、待て、何も脅したりするわけでは無い。ただ、ちょっと女同士の話を……」

 

 

 アルベネロから、釘を刺されたマナは、慌てて、弁解(べんかい)し始める。マナは、アルベネロがクレアへ想像以上に友好的なことに対して、考え込む。

 

 

『まさかここまでレッドローズと仲を深めてるとは……私がアルと仲を深めるのにかなり時間を使ったと言うのに……これが、同年代の強み……』

 

 

 アルがクラスメイトの女性陣から好意的に思われることは予想していたマナだが、予想以上の親密度に焦っていた。

 

 

『私としては、第何夫人でも、いっそのこと、愛人でも構わないんだが、アルが一人しか選ばなかった時が問題……こればかりはアル次第か……』

 

 マナは心の中で結論付けてから、アルベネロを見つめる。アルベネロは無言で見つめてくるマナに対して、不思議そうな表情をしながらも、マナを見つめ返す。

 

 

「くっ、さすがアルだ。惚れ直した」

「今の無言の時間で何があった」

「アルも私に惚れたら、わかる時が来る」

「来る……のか?」


 

 マナの言葉に、アルベネロはなんとも言えない表情をするのであった。

 

 

「まあ、あれだ。惚れた相手のことは特別に見えるものということだ」

「なるほどな……」

「特別な相手が私であったら、嬉しい限りだ。さて、よく寝たことだし、私は帰ることにしよう」

 

 

 マナは右手を寝室へ向けるて、手の先に魔方陣(まほうじん)が現れ、寝室に置かれていたマントが魔方陣(まほうじん)へ飛んで行く。マントを掴んだマナは羽織(はお)ろうとする寸前で、マントの裏地をジーッと観察した後、アルベネロに顔を向ける。

 


「……アル、キスして構わないか?」

「にじり寄るな。それに、今まで、許可したことあったか?」

 

 

 アルベネロは興奮しながら近づいてくるマナに、ため息を吐きながら、少し離れる。

 


「くっ、仕方ない……これは急いで、自室に戻って、この溢れんばかりの高鳴りを解消しなければ……」

「青少年な生徒の前で言って良いことじゃないだろ、学院長」



 マナは悔しそうにしながら、マントを羽織る。そして、頑固たる決意を感じさせる言葉にアルベネロは手で顔を押さえる。

 


「問題ない。私はいつでもアルに襲われて良いように、自慢の下着を着ているかな‼︎」

「……今日はピンクだったな」

「ふぇ……?」

 

 

 自信満々に胸を張って答えるマナに、アルベネロはボソッと呟く。アルベネロの言葉にマナは思わず、思考停止したが、だんだんと思考が動き始めては、顔を赤く染めていく。

 

 

「最後、マナドレインされた時の格好はどんなだった?」

「……はっ‼︎」

「ここは……眼福でしたって答えた方がいいんだったか?」

「んぅぅぅ〜〜〜〜///」

 

 

 アルベネロの返しに、マナは顔を真っ赤にしては、恥ずかしさで何も言えずに、アルベネロの部屋から転移で移動していった。その様子にアルベネロは少し呆然としたあと、少し視線を上に向ける。

 

 

「姉ちゃん」

『____?』

「いや、マナは大人の女性って感じだろ?」

『____♪』

「テヘッ、じゃないから」

 

 

 マナの反応にアルベネロは、申し訳なく思いながら、寝室へ入ると、ベットの側に置いておいた鞄に手を向けると、手の先に魔方陣(まほうじん)が一瞬、現れては消える。

 

 

『ソファーで寝る必要は無くなったが……』


 

 アルベネロはベットへ座ると、先ほどまで、マナが寝ていた場所を見つめる。

 


「……はぁ」

 

 

 アルベネロは色々と考え、『巻き戻る時間(クロノブレイク)』によって、ベットの時間を戻した後、横になろうとすれば、後頭部に枕とは違う、柔らかくて温かい感触が伝わってきた。

 

 

「……急はびっくりするからやめてくれって、姉ちゃん(・・・)

「アー君と触れ合えるのは、こんな時ぐらいなんだから、いいでしょ?」

「はぁ……」

 

 

 アルベネロは横になった状態のまま、表情を緩ませながらも抗議(こうぎ)すれば、染み込んでくるような心地よい声が聞こえてくる。

 


「今日のこと、聞かせて?」

「はいはい。今日も色々あったな……街を散策したり、魔導具店(まどうぐてん)に行ったり……あ、決闘もしたな」

「ふふ、楽しそうね♪」


 

 アルベネロは、膝枕をされながら、今日、一日に起きたことを話していく。姉ちゃん(・・・・)と呼ばれた女性は嬉しそうに微笑みながら、アルベネロの話を聞いており、アルベネロが寝静まった後も、寝顔を眺め続けるのであった。

 

 



[場面は変わって、アルベネロの部屋から戻った、クレア……]

 

 

「……はひゅ〜〜」

 

 フラフラとした足取りのクレアは、そのままの足取りでベットへ倒れ込むと、ジタバタと足を動かせる。

 

「な、なんであんなこと言っちゃったの私〜〜」

 

 顔を真っ赤にしながら、先程、アルベネロへ言ったこと、思い出してしまう。

 

「は、はしたないって、思われなかったかしら……き、嫌われたりはしてないわよね」

 


 枕から顔を離せば、少し表情を少し暗くしながらも、大丈夫と自分を納得させては、ベットから降り、リビングへ移動する。


 

「……明日からは、銃の練習もしないといけないわね」

 

 魔導銃【ウルスラグナ】はリビングにあるテーブルに置かれており、マナは魔導銃の表面を撫でながら、また明日、アルベネロに会えることを楽しみにして、休む準備をし始めるのであった。

 

 



[さらに場面は変わり、顔を真っ赤にしながら転移した、マナ……]

 

 

「……アルぅ」

 

 学院長室とは別にある私室へ転移したマナはベットの側まで移動する。その場で服は消え去ると、ベットへ倒れ込み、何度も最愛の人を小声で呼びながら、身体を時折、震わせるのであった。

 

 

 そして、しばらくの時間が過ぎ、息を整えたマナは、ベットの端へ腰掛けると、目の前に現れた魔方陣(まほうじん)へ手を入れて、ワイングラスとワインを取り出し、飲み始める。

 

 

「ふぅ……たまには、ワインもいいものだ」

 

 

 マナは一息(ひといき)つくと、その場でワイングラスから手を離す。ワイングラスは地面に落ちることなく(ちゅう)に浮いたままであり、ワインボトルもいつの間にか、(ちゅう)に浮いていた。

 

 

「全く……ふふっ、寝ている間にマントを直してくれるとは……そう言う気遣いは、女性側が普通、するものではないか」

 

 

 思い出すように笑みを浮かべたマナは、どこからか、マントを取り出すと、裏地を見る。裏地には魔方陣(まほうじん)が描かれており、様々な効果が常時発動している。アルベネロはその魔方陣(まほうじん)を、マナが寝ている間に調整していたのであった。

  


「こんなにも私を翻弄(ほんろう)するとは……」

 

 

 困ったような言葉とは裏腹に、心から嬉しそうな表情で呟いたマナは先程、アルベネロと過ごした時間に想いを()せる。

 そして、ベットを【清浄(クリーン)】の魔法で綺麗にすると、横になり、ワイングラスとボトルは魔方陣(まほうじん)の中へと消えていった。

 

 

「大好きだ……アル」

 

 

 アルベネロにはこの言葉が聞こえないことを理解しているが、マナはベットの上で好意を言葉にし、ゆっくりと目を閉じるのであった。

ここまでお読みしていただき、誠にありがとうございます。

今回の物語、センシティブで運営からアウトされたら、書き換えます~

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作者:@canadeyuuki0718

絵師様:@Eroinstein7027

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