プロローグ ~混沌な始まり~
今回が初めての「小説家になろう!」に投稿です。拙い部分や、誤字もあるかもしれないので温かい目で間違っているよとコメントしてくださって問題ないです。楽しく読んでいただければ幸いです。
気がつくと、少年の目前には、燃え盛る街の光景が広がっていた。左右に顔を動かしても、後ろを振り返っても、変わることのない、炎が街を燃やす光景。
家屋は燃え上がり、黒煙を上げ、至る所の家屋は崩れては、木々ともあいまって、道の一部を塞ぐ。
街の状況はどんどん悪化しており、少年の耳には時折、悲鳴のような声が遠くから聞こえ、恐怖心を煽る。
「な、んで……こんな……」
簡素な白い布の服を着た少年は、今の状況に唖然としながら言葉を漏らす。そんな中、少年の足は生きるため、自然と動き始め、助けを求めるために、燃え盛る街の中を走り始める。
「……‼︎」
少年は街の中を夢中で走り、人を探していれば、運良く、街の出入り口に辿り着く。
しかし、出入り口に近づいたところで、少年の足は止まってしまう。
なぜなら、出入り口を越えた先では、鎧を着けた兵士達と、人外である魔物達が争っている光景……
否、圧倒的な戦力差で兵士達は魔物に蹂躙されている光景であった。兵士は逃げることすら叶わず、捕らえられる者・息絶えてしまう者と、まさに地獄絵図である。
『見つかる前に離れないと……』
早くこの場から逃げようと、少年が振り向けば、まるで逃がさないと言わんばかりに、燃え盛っていた木々が地面へ倒れ、逃げ道を塞がれてしまう。
そして、倒れていく木々が地面にぶつかる音が大きく響き、魔物達の一部が反応すれば、音の鳴った方向に顔を向ける。
「た、助けて……誰か⁉︎」
少年は叫ぶが助けは来るはずもなく、少年の存在に気づいた、魔物達の内、数体が少年の元へ迫っていく。
「に、逃げないと……」
どこかに逃げ道がないかと、周辺を見渡す、少年。
しかし、魔物達は少年の逃げ道を塞ぐように歩み寄っていき、逃げ道を失った少年はその場で尻餅をついて、恐怖に絶望してしまう。
「誰か……助けて……」
恐怖で動けない少年は掠れた声で助けを求めるが、やはり、誰も答えてはくれない。魔物達は怯える少年の様子に、反抗しないだろうと判断したのか、魔物の一体が武器を持って、さらに近づいてくる。
『僕は……死んじゃうのかな……』
絶望で涙を流し始める少年。
「コドモ、タテ。キサマ、ヲ、ツレテ、イク」
「あ、あ……」
魔物の一体が少年へ武器を向けて、連れて行くと喋り、少年は恐怖で後ずされば……
『ねぇ、力がほしくない? 今の状況をどうにもできちゃうぐらいの力』
「ふぇ⁉︎」
「ンン?」
突然、少年の頭へ、心地よい若い女性の声が響く。突然の声に驚いた様子で少年は顔を上げて周りを見渡せば、少年の行動に他の魔物達は武器を構え、既に武器を向けていた、魔物の一体は怪訝な表情で少年を見る。
「ほしい‼ 死にたくない‼︎」
『契約成立よ。君の力、見せて頂戴?』
叫ぶように少年は力を求める。声の主は嬉しそうにすると、少年は身体が揺れるような衝撃を感じた後、意識が暗転する。
そして、少年の意識が戻った時、周りを囲むように立っていた魔物たちは、一体残らず、血みどろで倒れ伏し、亡骸となっていた。
「何が起きたの?」
全く理解できない状況に、少年は呆然としていれば、右手に何かを握っている感触がし、視線を向ける。そこには一本の刀があり、地面に血を滴らせており、少年はその刀の柄を握っていた。
「僕が……したの?」
「ええ、そう。君が倒したわ」
「だ、誰⁉︎」
返答があると思っていなかったため、少年は驚きながら声のした方向を見る。
そこにはピンク色の髪を靡かせ、黒い蝙蝠のような羽が風を起こしながら宙に浮いている明らかに人間ではないが美しい容姿の女性が居た。
その姿から魔物の中でも最上位である悪魔であることを少年は本能的に理解しながらも、逃げずに悪魔を見つめる。
一方、悪魔も、逃げずに見つめてくる少年のことを笑みを浮かべながら、品定めするように全身を眺めていた。
「ふふ、予想以上の結果で嬉しいわ。まだ子どもで、ここまでの力を持った眷属なんて見たことないもの」
「け、眷属?」
「そうよ。私と契約した時点で君は私のモノになったわ」
「そ、そんなのいやだよ‼」
少年は悪魔に向かって持っていた刀を向ける。剣すら握った経験のない少年とは思えないほど、淀みのない動きで刀を構える。その様子に悪魔は動じることはなく、臨戦態勢にすらならない。
「ふふ、いいことを教えてあげるわ。悪魔との契約はその悪魔より強い力を得ないようになってるのよ」
「それでも……諦めたくない‼」
「ふふ、威勢がいいわね。君みたいなかわいい子と戦うのは気が引けちゃうけど、主従関係はハッキリさせておくわ」
強者としての余裕を見せながら悪魔が手を向ければ魔方陣が瞬時に三つ、現れる。複雑な文字で形成された魔方陣は高位の魔法であることを、少年が理解することはない。
「少しは楽しませてね?」
「絶対、倒す‼」
悪魔の展開した魔方陣から放たれる黒い稲妻に対して、少年は人間離れした速度で移動し、避ける。
そこから、絶え間なく続く、爆発音、雷鳴や建物が崩れ去る音が響き渡る。
そして、辺り一面が焼け野原と見間違うほど、焼け焦げ、建物すら無くなった頃、立っていたのは、眼の瞳孔周りに虹色の波を漂わせる少年であった。少年は地面に倒れ伏せる悪魔を立った体勢で見つめており、その状況は誰の目にも、どちらが勝者かハッキリとわかる結果となった。
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作者:@canadeyuuki0718
絵師様:@Eroinstein7027